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第一部 春
72 リオンへの料理依頼
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お墓のまえに白いユリの花束が供えられている。
風に乗って運ばれてくる花の香りが心地よく鼻につく。
微笑んでいたソレイユは、すっと真剣な表情になると両手の指を絡ませた。
「オセアン夫婦は勇敢な戦場料理人だった、とフルール国王が仰っていました。苛酷な戦況のなかで兵士たちの唯一の楽しみは、夫妻の作った料理であった、とも」
そうですか、とつぶやいたリオンさんは遠くを見つめた。「もう十年以上まえの話です」
ソレイユは目を閉じて祈りを捧げた。
わたしたちも倣って、胸のまえで両手の指先を絡める。
ルナスタシアとメルちゃんは穏やかな表情だった。しかし、ベニーは泣きながら祈りを捧げていた。わたしは、そっと近づくと肩を抱いてなぐさめてあげる。泣いているベニーの姿は、あまり見たくない。
「ううう、リオンさんの奥さんは亡くなられたらしいぞ……」
「みたいね……」わたしはベニーの肩を優しくなでる。
涙をこぼして泣くベニーのことを、リオンさんは不思議そうに見つめていた。「ベニーちゃんが泣くとは思わなかった……」
ええん、と泣くベニーは叫んだ。
「だって、だって、リオンさんいつも美味しい料理を作ってくれるのに、そんな悲しいことがあったなんて……そんなこと知ったらベニーは泣けちゃうぞぉぉぉ、えええん」
リオンさんは、ふっと鼻で笑うとエプロンのポケットから白い布を取り出した。「ほら、これで涙をふけよ」
ベニーは布を受け取ると、ちーんと鼻をかんだあと、またリオンさんに布を返した。ありがとう、リオンしゃん」
リオンさんは、おお、と唸ったあと、わはは、と盛大に笑った。メルちゃんも、ルナもつられて笑った。すると、黒執事がソレイユに耳打ちした。本題に入れ、ということだろう。
「ときに料理長、国王の容態のことを御存じでしょうか?」ソレイユは訊いた。
ん? と片方の眉をあげたリオンさんは、倒れられたとか……と答えた。
ええ、とうなずくソレイユは両手を合わせた。なんのつもりだと言わんばかりに、リオンさんは首を傾けた。
「実は、料理長に頼みがあってきました」
「俺に?」
「はい、父の容態は急変して、現在は衰弱しています。もう先は短いかと覚悟しています」
「なんだと? 命に別状はないと学園長から聞いていたが……それは大変なことに……」
黒執事が横から口をはさんだ。「この話はご内密に」
わかった、とリオンさんは返事をした。ふと、息子がどこにいるのか気になったのか、首を振った。すぐに居場所がわかって、ほっと胸をなでおろした。
五歳の男の子は全力でベニーと鬼ごっこをして遊んでいた。は、速い!
さっき泣いていたベニーなのに、もうケロっとして走り回っている姿を見て、リオンさんから、クスッと笑みが漏れた。「で、頼みとは」
手を叩いたソレイユは黒執事から手帳を受け取った。ぺらっと頁をめくり話し始める。
「ええっと、十二年前のブルタニア地方遠征においてオセアン夫妻が料理担当をしたという記録があります。そして、その野営にて作ったスープを国王は所望している」
「ほう、つまり……俺にどうしろと?」
「そのスープを料理長に作ってもらいたい」
スープを? リオンさんはそうつぶやくと腕を組んだ。何かを思い出しているのだろう。眉根を寄せて真剣になる表情が、とてもかっこよくて、思わずわたしは見惚れた。
ぐぬぬ、とソレイユが唇を噛んでいた。そんな悔しいの?
ルナはわたしの肩を、ポンと叩くと尋ねてきた。「どういうこと?」
ああ、と言ってわたしはかいつまんでフルール王国の情勢をルナに話した。隣にいたメルちゃんも黙ってわたしの話を聞いていた。やがて、大仰にうなずいたルナは口を開く。
「つまり、王様は死ぬまえにスープが飲みたいわけね」
ええ、とわたしはうなずく。
それともうひとつ、とメルちゃんが人差し指を立てた。
「国王が崩御したのち、キラキラ王子が国王になるか、それとも国王がいない国になるか、という革命が起ころうとしてます」
「大変じゃない……フルール王国って」ルナは目を剥けて驚いた。
わたしは内心でつぶやく。
あなたが統治てしていたはずの国、ブルタニアも同じような道を歩んでいたのに、ルナスタシアは何も知らないのよね……そのまま、何も知らずに、ハッピーエンドを迎えたほうがいいのだろうけど。ごめんね、ルナスタシア。わたしの好きな大団円のエンディングを迎えるために付き合ってもらうわ。
「そこでルナにお願いがあるの」わたしはルナを見つめて言った。
あたしに? 自分のことを指さすルナはヴァイオレットの瞳を大きく開いて、パチクリさせた。
「歌を唄ってもらいたい」
「いいけど、どこで? どんな歌を?」
「それは、また折を見て話すわ」
首を傾けるルナ、そしてメルちゃんの二人は、じっとわたしを見つめていた。不敵な笑みを浮かべて、何かを企んでいる。
あ、これってまた、くすぐり攻撃をしてきそう!
はっと勘づいたわたしは踵を返すとダッシュした。くすぐりは苦手なの~勘弁してぇ!
「あっ、逃げた! マリっ、待ちなさい!」
「ベニーせんぱぁぁい! ルナせんぱいを捕まえてくださ~い!」
メルちゃんの叫び声が矢のように飛んでいく。その先には、ベニーと男の子が楽しそうに野原を駆け回っていた。そのなかにわたしも入っていく。赤いワンピースをなびかせながら。
ソレイユと黒執事が、ぷっと噴いて笑った。リオンさんは苦笑してつぶやく。
「それじゃあ、俺がスープを作りましょう」
ソレイユはいつも以上に微笑んで感謝した。
「おお、それはありがたい!」
「だが、レシピの食材はそちらで用意してもらいたい」
ソレイユは、パチン、と指を鳴らして黒執事に命令した。「メモれ」
はっ、と手帳とペンを取りだす黒執事はリオンさんの口もとを見つめた。
「まず肉は鶏肉、できたらフォアグラを頼む。野菜はシンプルなものでいい、玉ねぎ、にんじん、キャベツ、ニンニクも欲しいな、大量に。そして香辛料だが、塩、コショウにコリアンダーシード、ローリエの葉……そして……」
リオンさんは言葉を区切った。すると、ニヤッと笑った挑戦的な不敵な笑みこぼしている。
「レレリーの葉がいる」
レレリー? 黒執事が訊き返した。「そんな植物は聞いたことがないですね」
当たり前だ、とリオンさんは断言した。
「この国では咲いてない外国の植物だ」リオンさんはかぶりを振った。「このレレリー葉がないとスープは完成しない」
どんな成分があるのですか? ソレイユが訊いた。
「そのスープを飲めば、天国の階段が昇れるらしい……」とリオンさんは恍惚とした表情でささやいた。「だが、レレリーがなければ諦めるしかないな」
ソレイユは、ガックリと肩を落とした。「どうしよう?」
リオンさんも黒執事も途方に暮れて立ち尽くしていた。
わたしは内心でガッツポーズをしてしまう。ある! レレリーなら、ある!
よしっ! ここでわたしの出番ね! わたしは手を挙げて思わず叫んだ。
「はいっ、はーいっ! レレリーならわたしが育ててまーす!」
なんだって? そう言ったソレイユは驚いてわたしを見つめた。リオンさんも黒執事も、だ。いやん、そんなにわたしを見つめないでよ……イケメンたちに集中して見られるって逆ハーレムじゃん。ふわぁ、なんだか気持ちいい。クセになりそうで、怖い。
そのときだった。
「つかまえたっ!」
そう叫んだ男の子がわたしに抱きついてきた。強烈なタックルに近いかも。
「うっ!」わたしは押し倒されて野原に転がった。
もみもみ、もみもみ……。
え? なに? この子?
めちゃくちゃおっぱいを揉んでくるですけどぉぉぉ! きゃああああ!
つづいて、きらりんと目を光らせて腕を伸ばすルナのくすぐり攻撃が、じわじわとわたしに襲いかかる。
「やめてぇぇぇ!」わたしは叫んだ。
ベニーもメルちゃんも笑って見てる。こんなのわたし、悪役令嬢なんかじゃない、ただのセクシー担当じゃない。やだぁぁぁ!
「待って! 待って! ちゃんと話すからぁぁ!」
わたしはがむしゃらに手を振って抵抗を見せた。ぴたっとルナの動きが止まる。
しかし……。
結局、くすぐられた。
「ヒャハハハハ!」
わたしのバカみたいな笑い声が、空高く響いていた。
風に乗って運ばれてくる花の香りが心地よく鼻につく。
微笑んでいたソレイユは、すっと真剣な表情になると両手の指を絡ませた。
「オセアン夫婦は勇敢な戦場料理人だった、とフルール国王が仰っていました。苛酷な戦況のなかで兵士たちの唯一の楽しみは、夫妻の作った料理であった、とも」
そうですか、とつぶやいたリオンさんは遠くを見つめた。「もう十年以上まえの話です」
ソレイユは目を閉じて祈りを捧げた。
わたしたちも倣って、胸のまえで両手の指先を絡める。
ルナスタシアとメルちゃんは穏やかな表情だった。しかし、ベニーは泣きながら祈りを捧げていた。わたしは、そっと近づくと肩を抱いてなぐさめてあげる。泣いているベニーの姿は、あまり見たくない。
「ううう、リオンさんの奥さんは亡くなられたらしいぞ……」
「みたいね……」わたしはベニーの肩を優しくなでる。
涙をこぼして泣くベニーのことを、リオンさんは不思議そうに見つめていた。「ベニーちゃんが泣くとは思わなかった……」
ええん、と泣くベニーは叫んだ。
「だって、だって、リオンさんいつも美味しい料理を作ってくれるのに、そんな悲しいことがあったなんて……そんなこと知ったらベニーは泣けちゃうぞぉぉぉ、えええん」
リオンさんは、ふっと鼻で笑うとエプロンのポケットから白い布を取り出した。「ほら、これで涙をふけよ」
ベニーは布を受け取ると、ちーんと鼻をかんだあと、またリオンさんに布を返した。ありがとう、リオンしゃん」
リオンさんは、おお、と唸ったあと、わはは、と盛大に笑った。メルちゃんも、ルナもつられて笑った。すると、黒執事がソレイユに耳打ちした。本題に入れ、ということだろう。
「ときに料理長、国王の容態のことを御存じでしょうか?」ソレイユは訊いた。
ん? と片方の眉をあげたリオンさんは、倒れられたとか……と答えた。
ええ、とうなずくソレイユは両手を合わせた。なんのつもりだと言わんばかりに、リオンさんは首を傾けた。
「実は、料理長に頼みがあってきました」
「俺に?」
「はい、父の容態は急変して、現在は衰弱しています。もう先は短いかと覚悟しています」
「なんだと? 命に別状はないと学園長から聞いていたが……それは大変なことに……」
黒執事が横から口をはさんだ。「この話はご内密に」
わかった、とリオンさんは返事をした。ふと、息子がどこにいるのか気になったのか、首を振った。すぐに居場所がわかって、ほっと胸をなでおろした。
五歳の男の子は全力でベニーと鬼ごっこをして遊んでいた。は、速い!
さっき泣いていたベニーなのに、もうケロっとして走り回っている姿を見て、リオンさんから、クスッと笑みが漏れた。「で、頼みとは」
手を叩いたソレイユは黒執事から手帳を受け取った。ぺらっと頁をめくり話し始める。
「ええっと、十二年前のブルタニア地方遠征においてオセアン夫妻が料理担当をしたという記録があります。そして、その野営にて作ったスープを国王は所望している」
「ほう、つまり……俺にどうしろと?」
「そのスープを料理長に作ってもらいたい」
スープを? リオンさんはそうつぶやくと腕を組んだ。何かを思い出しているのだろう。眉根を寄せて真剣になる表情が、とてもかっこよくて、思わずわたしは見惚れた。
ぐぬぬ、とソレイユが唇を噛んでいた。そんな悔しいの?
ルナはわたしの肩を、ポンと叩くと尋ねてきた。「どういうこと?」
ああ、と言ってわたしはかいつまんでフルール王国の情勢をルナに話した。隣にいたメルちゃんも黙ってわたしの話を聞いていた。やがて、大仰にうなずいたルナは口を開く。
「つまり、王様は死ぬまえにスープが飲みたいわけね」
ええ、とわたしはうなずく。
それともうひとつ、とメルちゃんが人差し指を立てた。
「国王が崩御したのち、キラキラ王子が国王になるか、それとも国王がいない国になるか、という革命が起ころうとしてます」
「大変じゃない……フルール王国って」ルナは目を剥けて驚いた。
わたしは内心でつぶやく。
あなたが統治てしていたはずの国、ブルタニアも同じような道を歩んでいたのに、ルナスタシアは何も知らないのよね……そのまま、何も知らずに、ハッピーエンドを迎えたほうがいいのだろうけど。ごめんね、ルナスタシア。わたしの好きな大団円のエンディングを迎えるために付き合ってもらうわ。
「そこでルナにお願いがあるの」わたしはルナを見つめて言った。
あたしに? 自分のことを指さすルナはヴァイオレットの瞳を大きく開いて、パチクリさせた。
「歌を唄ってもらいたい」
「いいけど、どこで? どんな歌を?」
「それは、また折を見て話すわ」
首を傾けるルナ、そしてメルちゃんの二人は、じっとわたしを見つめていた。不敵な笑みを浮かべて、何かを企んでいる。
あ、これってまた、くすぐり攻撃をしてきそう!
はっと勘づいたわたしは踵を返すとダッシュした。くすぐりは苦手なの~勘弁してぇ!
「あっ、逃げた! マリっ、待ちなさい!」
「ベニーせんぱぁぁい! ルナせんぱいを捕まえてくださ~い!」
メルちゃんの叫び声が矢のように飛んでいく。その先には、ベニーと男の子が楽しそうに野原を駆け回っていた。そのなかにわたしも入っていく。赤いワンピースをなびかせながら。
ソレイユと黒執事が、ぷっと噴いて笑った。リオンさんは苦笑してつぶやく。
「それじゃあ、俺がスープを作りましょう」
ソレイユはいつも以上に微笑んで感謝した。
「おお、それはありがたい!」
「だが、レシピの食材はそちらで用意してもらいたい」
ソレイユは、パチン、と指を鳴らして黒執事に命令した。「メモれ」
はっ、と手帳とペンを取りだす黒執事はリオンさんの口もとを見つめた。
「まず肉は鶏肉、できたらフォアグラを頼む。野菜はシンプルなものでいい、玉ねぎ、にんじん、キャベツ、ニンニクも欲しいな、大量に。そして香辛料だが、塩、コショウにコリアンダーシード、ローリエの葉……そして……」
リオンさんは言葉を区切った。すると、ニヤッと笑った挑戦的な不敵な笑みこぼしている。
「レレリーの葉がいる」
レレリー? 黒執事が訊き返した。「そんな植物は聞いたことがないですね」
当たり前だ、とリオンさんは断言した。
「この国では咲いてない外国の植物だ」リオンさんはかぶりを振った。「このレレリー葉がないとスープは完成しない」
どんな成分があるのですか? ソレイユが訊いた。
「そのスープを飲めば、天国の階段が昇れるらしい……」とリオンさんは恍惚とした表情でささやいた。「だが、レレリーがなければ諦めるしかないな」
ソレイユは、ガックリと肩を落とした。「どうしよう?」
リオンさんも黒執事も途方に暮れて立ち尽くしていた。
わたしは内心でガッツポーズをしてしまう。ある! レレリーなら、ある!
よしっ! ここでわたしの出番ね! わたしは手を挙げて思わず叫んだ。
「はいっ、はーいっ! レレリーならわたしが育ててまーす!」
なんだって? そう言ったソレイユは驚いてわたしを見つめた。リオンさんも黒執事も、だ。いやん、そんなにわたしを見つめないでよ……イケメンたちに集中して見られるって逆ハーレムじゃん。ふわぁ、なんだか気持ちいい。クセになりそうで、怖い。
そのときだった。
「つかまえたっ!」
そう叫んだ男の子がわたしに抱きついてきた。強烈なタックルに近いかも。
「うっ!」わたしは押し倒されて野原に転がった。
もみもみ、もみもみ……。
え? なに? この子?
めちゃくちゃおっぱいを揉んでくるですけどぉぉぉ! きゃああああ!
つづいて、きらりんと目を光らせて腕を伸ばすルナのくすぐり攻撃が、じわじわとわたしに襲いかかる。
「やめてぇぇぇ!」わたしは叫んだ。
ベニーもメルちゃんも笑って見てる。こんなのわたし、悪役令嬢なんかじゃない、ただのセクシー担当じゃない。やだぁぁぁ!
「待って! 待って! ちゃんと話すからぁぁ!」
わたしはがむしゃらに手を振って抵抗を見せた。ぴたっとルナの動きが止まる。
しかし……。
結局、くすぐられた。
「ヒャハハハハ!」
わたしのバカみたいな笑い声が、空高く響いていた。
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