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魔界城
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いつもの様に朝食を摂り、片付けをしてから出発する。
荷台にいるのは、ルーカス・ニコル・結月・ノア・そして俺とブラン。
「なんか臭いんだけど」
真ん中の囲炉裏のように作り替えられたところで、コトコトと薬を煮詰める結月に文句を言う。
「仕方ないだろう?文句があるならマー坊に言え」
「普通言えないでしょ?それにマー坊って……」
「あ、マー坊は可愛い物好きだからきっとブラン見たら喜ぶぞ?」
「あげないから!それに無理やり膝の上乗せないでよ!泣いてるじゃん」
「おー、ヨチヨチ。怖くなんかないよな?」
「は、はいぃぃぃ。グスッ」
「ブラン嫌だったら戻ってきていいんだぞ……」
「ん?首輪つけておいたぞ?」
「やめてよ本当に!これが姉だなんて俺、自分が可哀想だよ」
「好きで姉をやってるわけじゃない!たまたまだ!たまたま」
「結月、薬はありがたいんだがな、やはりその匂いは……」
「もう!細かい男どもだな!これでいいか?」
そう言って遮断の幕をはる。
最初からしてくれればいいのにと文句を言いながら、またブランを取り返すのに失敗したと思い落ち込む。
「後どのくらい?お城って幻界みたいな感じなの?」
「いや、多分お前の想像通りの城だ。暗いし見た目はホラー映画に出てきそうな……」
「中も?」
「中は幻界と変わらないかなぁ?あっちも廊下に絵がかかってるだろ?」
「うん。歴代の王様だって」
「こっちにもあるんだが、客用の寝室に、前に行った日本の土産ってのが置いてあったり、額に入って飾られてたりするんだが……」
「専用の部屋じゃないんだ」
「お前さ、髪の伸びる人形とか、幽霊の掛け軸とか知ってるか?」
「聞いたことはあるけど、見たことはないよ?」
「そんな物とか、木彫りの熊の置物とかな……正直やめて欲しいんだが、魔界で今それが流行ってるんだ」
「やだよ?俺そんな部屋は。気持ち悪い……」
「大丈夫です。姫様の隣の普通の部屋を用意しますので。ですが、シーサーと言う置物は面白い顔をしているのですね。我々は祓われることは無いですが」
「悪霊退散とか効かないの?」
「人間界で見たものでしたら、下級魔族でしょう。私たちにはなんの意味もありません」
「ですが、儀式で呼ばれるのでは?」
「本の中には本物もありますからね……たまに呼び出されてあげることもありますが、願いを叶えて魂を頂いて終わりです」
「前に見た映画なんだけどさ、四つ辻で呼び出すと10年後に魔犬が襲いに来て、魂持っていくのは?」
「下級がよく使う手です。我々はもっと大きな契約しかしませんので」
「映画は映画かぁ」
「奏太様がもし見たければ、いくらでも見せられますが?」
「いいよ。映画だけで。幻界はないの?」
「おとぎ話に出るくらいでしょうか?」
「だよね。俺は結月さんがもう魔女にしか見えない」
「聞こえてるぞ!」
ごめんなさいと素直に謝り、魔界のことを話してもらう。
話している間に着くとも言われていたから、暇つぶしと興味で聞いているのだが、自分が本や映画で知っているものとはかなり違うらしい。
荷台にいるのは、ルーカス・ニコル・結月・ノア・そして俺とブラン。
「なんか臭いんだけど」
真ん中の囲炉裏のように作り替えられたところで、コトコトと薬を煮詰める結月に文句を言う。
「仕方ないだろう?文句があるならマー坊に言え」
「普通言えないでしょ?それにマー坊って……」
「あ、マー坊は可愛い物好きだからきっとブラン見たら喜ぶぞ?」
「あげないから!それに無理やり膝の上乗せないでよ!泣いてるじゃん」
「おー、ヨチヨチ。怖くなんかないよな?」
「は、はいぃぃぃ。グスッ」
「ブラン嫌だったら戻ってきていいんだぞ……」
「ん?首輪つけておいたぞ?」
「やめてよ本当に!これが姉だなんて俺、自分が可哀想だよ」
「好きで姉をやってるわけじゃない!たまたまだ!たまたま」
「結月、薬はありがたいんだがな、やはりその匂いは……」
「もう!細かい男どもだな!これでいいか?」
そう言って遮断の幕をはる。
最初からしてくれればいいのにと文句を言いながら、またブランを取り返すのに失敗したと思い落ち込む。
「後どのくらい?お城って幻界みたいな感じなの?」
「いや、多分お前の想像通りの城だ。暗いし見た目はホラー映画に出てきそうな……」
「中も?」
「中は幻界と変わらないかなぁ?あっちも廊下に絵がかかってるだろ?」
「うん。歴代の王様だって」
「こっちにもあるんだが、客用の寝室に、前に行った日本の土産ってのが置いてあったり、額に入って飾られてたりするんだが……」
「専用の部屋じゃないんだ」
「お前さ、髪の伸びる人形とか、幽霊の掛け軸とか知ってるか?」
「聞いたことはあるけど、見たことはないよ?」
「そんな物とか、木彫りの熊の置物とかな……正直やめて欲しいんだが、魔界で今それが流行ってるんだ」
「やだよ?俺そんな部屋は。気持ち悪い……」
「大丈夫です。姫様の隣の普通の部屋を用意しますので。ですが、シーサーと言う置物は面白い顔をしているのですね。我々は祓われることは無いですが」
「悪霊退散とか効かないの?」
「人間界で見たものでしたら、下級魔族でしょう。私たちにはなんの意味もありません」
「ですが、儀式で呼ばれるのでは?」
「本の中には本物もありますからね……たまに呼び出されてあげることもありますが、願いを叶えて魂を頂いて終わりです」
「前に見た映画なんだけどさ、四つ辻で呼び出すと10年後に魔犬が襲いに来て、魂持っていくのは?」
「下級がよく使う手です。我々はもっと大きな契約しかしませんので」
「映画は映画かぁ」
「奏太様がもし見たければ、いくらでも見せられますが?」
「いいよ。映画だけで。幻界はないの?」
「おとぎ話に出るくらいでしょうか?」
「だよね。俺は結月さんがもう魔女にしか見えない」
「聞こえてるぞ!」
ごめんなさいと素直に謝り、魔界のことを話してもらう。
話している間に着くとも言われていたから、暇つぶしと興味で聞いているのだが、自分が本や映画で知っているものとはかなり違うらしい。
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