天満堂へようこそ 4

浅井 ことは

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地下洞窟

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ハァァァァと息を吐く音が聞こえてすぐ、地面のいくつかが爆発する。
それによってかは分からないが、所々が見えだしてきている。

その後も動く度に微爆発が起こり、半分程姿が見えた。

「何アレ。人……じゃないよね?」

「元人だ!」

全体的には気持ち悪い黒と緑が混ざったような、頭は人。体は蜥蜴なのだが、ちゃんと足もついており、手も4本付いていて四つん這いで動いている。
地面についている手足にはタコのような吸盤がついており、残り2本の腕には剣が握られていた。

「あれ、元人って嘘だろ……目なんて爬虫類そのものじゃん」

「詳しい説明は後でする。次アイツが動いたら、魔法で一時的に動けなくする。その瞬間を狙ってくれ」

「分かった」

ルーカスが返事をするのと同時にすばしこく動いたのを結月が魔法で手足を凍らせる。

「ルーカス、すまん外した」

手足を凍らせて外したとはどのような意味なのか……考える間もなく、蜥蜴の口からまたドロドロの炎の液体が吐き出され、盾に被さってくる。

流石にそれを弾き返しているのではないので、暫く外が見えないのが厄介だが、飛び出したルーカスは頭を狙って剣を振り下ろす。

カキン__

音とともに剣が折れ、盾まで逃げてくるのにいくつもの魔法を放っているが、どれも致命傷にはなっていない。

「おい!結月交代してくれ。俺の魔法はきかんし、あいつ体が他のやつより硬い!」

「硬い?首がか?」

「表面もだな。腹側はわからん!」

「ル、ルーカスさんお腹が見えたらいいの?」

「あいつの吸盤は離れないぞ?下に落とすにも手足を切るしかない」

「竜巻でひっくり返らないかな?」

「そうすると洞窟が崩れるかもしれん。そこから、長い……そうだな、針のように細くて鋭いものをやつにさせそうか?」

「分かんないけどやって見る」

縫い針を長くしたようなものを想像し、見えている脇腹を狙って穿つ。

ギャオォォアァオ!との悲鳴のような声とともに、脇腹からは血が出ている。

「コイツは腹が弱点だな。多分喉元も弱いだろう。ルーカス、お前が盾を張れ。奏太は細長い剣で鎌鼬と併用して攻撃しろ。援護は私がする」

「俺の盾はあまり持たんぞ?」

「早くやれ!」

ルーカスが盾を張った瞬間に自分の盾を切り、言われた通りに腹に刺して鎌鼬を首元を狙って放つ。

結月は口を凍らせようとしているのだろうが、なかなか当たらず、凍らせて食い止めた隙に攻撃をする繰り返しが続いた。

ルーカスがもう無理だと言った瞬間大きく空いた口に魔法が命中し、偶然にも喉が顕になったので、いいつけを破り、手を魔法で剣にして飛びかかり一気に切り裂く。

ドサッと地面に落ちた魔獣を、最後に結月がいくつもの氷柱で貫いてなんとか倒した。

「はぁ……何こいつ。臭いし、元々人間てどういう事? 」

「ルーカス、燃やしておいてくれないか?」

了解と、ルーカスが蜥蜴もどきを燃やしている間に結月が連絡したのだろう。

犬車とともに、ノアとニコルが着いた。

「終わったぞ。そのまま通れる」

「すまん、最初に口に当たらなかったから手こずった。もう居ないだろうな?」

「あんなの何匹もいて溜まるか!とにかく一気に進もう」

荷車に乗り、ノアから差し出された肉とスープで腹を満たす。
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