天満堂へようこそ 4

浅井 ことは

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地下洞窟

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「盛り上がっているところ申し訳ないのですが、そろそろ洞窟の入り口前に到着するようです」

「もうか?ソリを外しても早いな」

「兵はこの地域に詳しいやつらばかりだからな」

一旦止まったので外を見ると、丁度中に入ったばかりらしくまだ入り口が見えている。

「失礼致します」

「開けろ!」とルーカスが言うと、隊長が犬車まで来ていた。

「今から荷台の移動をお願いしたいのですが……」

「このままではダメなのか?」

「王子や姫様方が固まっていますと何かあったときに逃げ切れませんので」

「わかったよ。もう少し奥に川がなかったか?」

「あります。そこで一度休憩をしてから、真ん中辺りまで行きたいと思っているのですが、下り坂な上に大猿の群れがいるとのことで……」

「猿?」

「大体入り口に近いところに居るんだが。ニコル、お前ちょっと偵察に行ってこい」

「わかりました。ノアさんルーカス様をお願いします」

「はい」

「私は!?」

「お前は自分でなんとかなるだろ?」

「か弱い乙女だ!馬鹿者!」

それを無視しニコルは数名連れて様子を見に行ってしまった。

「奏太様、ブランは小さくしておいた方が良いかもしれません」

「そうだね。ブラン雛になって俺の……もう入っちゃった」

「怖がりだなこいつは」

クキョォォォォ。

「だから怒るから嫌われるんだってば!ニコルさんが戻るまで待つの?」と隊長に聞くと、時間がもったいないのとあまり離れすぎない方がいいとのことでゆっくり進むとのことだった。
それに合わせて、ルーカスは隊長と前の荷台に移り、俺と結月の荷台には副隊長が乗る事になった。

「結構ゆっくり進むんだね」

「ニコル達は犬にのって行ったんだろうが、連絡があるまではゆっくりの速度だろう。逃げるときには全力だから、犬の体力も残しておかないといけないしな」

「恐れながら姫様、ニコル殿は今回犬ではなく走っていったと隊長が申しておりまして」

「は?」

「ニコル殿も半獣に化身できますので」

「初耳だ」

「ノアは?」

「私はそこまでの魔力はないので一部変わるぐらいです。兄の方は白馬のようになりますよ」

「俺は豹だよ……」

「格好いいから良いじゃないか。それに奏太はまだ全身変わったわけではないし、それによってどのような能力が出るのかも未知数だ」

「いつ変わるのかわからないの?」

「そればかりはな……」

「そっか。でもそのままの姿で過ごすこともあるって言ってたけど」

「お前は長く人間の格好でいたから、それもあってわからん」

「姫様、おおよその検討はついているのではないのですか?」

「私と半分は同じだから尻尾はあるだろうな」

「豹だしね」
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