52 / 71
氷の地
.
しおりを挟む
そう言われノアと観光に出かけるものの、町にしては大きいが見る所はほとんど無い。
「普通の町って感じだから、観光って言っても見るところないよね?」
「そうですね……でも所々に張り紙がしてありますよ?劇でもするのでしょうか?」
ビラを配っている人もいたので一枚貰い、内容を見ると劇ではなく剣舞と書いてあった。
開演時間はもうすぐ。場所も地図があり近いこともあって急いで向かう。
会場と言っても結構大きな広場に客席が設けられ、100魔通貨で見ることが出来、席も見やすいところだったので、物売りから飲み物を買い始まるのを待つ。
「魔界って剣舞のショーとかやるんだね」
「幻界にもありますよ。毎年1回陛下の前で競うのですが、各地でショーの様な事をしている者達がいますので」
「サーカスみたいな感じかな?」
「似たようなものかと……あ、始まるみたいです」
そう言って中心に出てきた司会者らしき人を見ているノアはなんだかとても嬉しそうだった。
「奏太様、剣舞を見ていると技などもすごいと思うのですが、戦いの参考にもなると思うのです……演舞でしょうから刃はついてないと思いますが、魔界ですから……」
「殺さないよね?」
「と思います……このチラシにも剣舞と書いてありましたし」
「なにか心配事でもあるの?」
「やはり魔界となれば好戦的ですので。周りの方々も血の気が多そうな方ばかりですし」
見渡すと体の大きな男性が多いのは分かるが、ノアとニコルの剣舞を見ているから、そんな感じだろうとあまり気にしないようにし、始まるを待っていると太鼓と笛の音が聞こえてきた。
「音楽?」
「これは団体の剣舞ですね。衣装も華やかですので楽しみです」
10人ほどの男女が様々な剣を持ち、音に合わせて踊るのは見ていても綺麗で楽しい。
時折触れる剣の音も音楽と合わさってとも綺麗だった。
その次は2人での剣舞と紹介され、赤と緑の衣装を着た人が互いに剣をもち、それも音楽に合わせて軽やかに剣の舞いを披露する。
拍手喝采が起きた後、また違う2人が剣を持ち対面する。
「奏太様、これは剣舞に合わせての仕合です」
「え?」
「足元に鎖に繋がれていた跡があります。奴隷かも知れません」
「奴隷って……」
「勝った方が自由となるのかと思うのですが……剣には刃も付いています」
「殺し合いって事?」
「恐らくは……どうされますか?」
「でも殺すまでは行かないでしょ?とりあえず見てみようよ」
そう言いいざ始まると、最初から突きを交わした緑の服の人の頬が切れて出血している。
空気がピリピリと感じるので、2人とも本気なんだろう。
次に動くまでの時間がとても長く感じた時、演舞のような剣技が繰り広げられ、持てる力を全部出し切っているように戦う。
「凄い……」
「結構時間がかかっていますがそろそろ勝負はつくでしょうね」
「分かるの?」
「緑の方が本気になったようです……かなりの実力者だと思うのですが、仮面をかぶっているので誰かまではわかりません」
「普通の町って感じだから、観光って言っても見るところないよね?」
「そうですね……でも所々に張り紙がしてありますよ?劇でもするのでしょうか?」
ビラを配っている人もいたので一枚貰い、内容を見ると劇ではなく剣舞と書いてあった。
開演時間はもうすぐ。場所も地図があり近いこともあって急いで向かう。
会場と言っても結構大きな広場に客席が設けられ、100魔通貨で見ることが出来、席も見やすいところだったので、物売りから飲み物を買い始まるのを待つ。
「魔界って剣舞のショーとかやるんだね」
「幻界にもありますよ。毎年1回陛下の前で競うのですが、各地でショーの様な事をしている者達がいますので」
「サーカスみたいな感じかな?」
「似たようなものかと……あ、始まるみたいです」
そう言って中心に出てきた司会者らしき人を見ているノアはなんだかとても嬉しそうだった。
「奏太様、剣舞を見ていると技などもすごいと思うのですが、戦いの参考にもなると思うのです……演舞でしょうから刃はついてないと思いますが、魔界ですから……」
「殺さないよね?」
「と思います……このチラシにも剣舞と書いてありましたし」
「なにか心配事でもあるの?」
「やはり魔界となれば好戦的ですので。周りの方々も血の気が多そうな方ばかりですし」
見渡すと体の大きな男性が多いのは分かるが、ノアとニコルの剣舞を見ているから、そんな感じだろうとあまり気にしないようにし、始まるを待っていると太鼓と笛の音が聞こえてきた。
「音楽?」
「これは団体の剣舞ですね。衣装も華やかですので楽しみです」
10人ほどの男女が様々な剣を持ち、音に合わせて踊るのは見ていても綺麗で楽しい。
時折触れる剣の音も音楽と合わさってとも綺麗だった。
その次は2人での剣舞と紹介され、赤と緑の衣装を着た人が互いに剣をもち、それも音楽に合わせて軽やかに剣の舞いを披露する。
拍手喝采が起きた後、また違う2人が剣を持ち対面する。
「奏太様、これは剣舞に合わせての仕合です」
「え?」
「足元に鎖に繋がれていた跡があります。奴隷かも知れません」
「奴隷って……」
「勝った方が自由となるのかと思うのですが……剣には刃も付いています」
「殺し合いって事?」
「恐らくは……どうされますか?」
「でも殺すまでは行かないでしょ?とりあえず見てみようよ」
そう言いいざ始まると、最初から突きを交わした緑の服の人の頬が切れて出血している。
空気がピリピリと感じるので、2人とも本気なんだろう。
次に動くまでの時間がとても長く感じた時、演舞のような剣技が繰り広げられ、持てる力を全部出し切っているように戦う。
「凄い……」
「結構時間がかかっていますがそろそろ勝負はつくでしょうね」
「分かるの?」
「緑の方が本気になったようです……かなりの実力者だと思うのですが、仮面をかぶっているので誰かまではわかりません」
0
お気に入りに追加
28
あなたにおすすめの小説
【完結】選ばれなかった王女は、手紙を残して消えることにした。
曽根原ツタ
恋愛
「お姉様、私はヴィンス様と愛し合っているの。だから邪魔者は――消えてくれない?」
「分かったわ」
「えっ……」
男が生まれない王家の第一王女ノルティマは、次の女王になるべく全てを犠牲にして教育を受けていた。
毎日奴隷のように働かされた挙句、将来王配として彼女を支えるはずだった婚約者ヴィンスは──妹と想いあっていた。
裏切りを知ったノルティマは、手紙を残して王宮を去ることに。
何もかも諦めて、崖から湖に飛び降りたとき──救いの手を差し伸べる男が現れて……?
★小説家になろう様で先行更新中
6年後に戦地から帰ってきた夫が連れてきたのは妻という女だった
白雲八鈴
恋愛
私はウォルス侯爵家に15歳の時に嫁ぎ婚姻後、直ぐに夫は魔王討伐隊に出兵しました。6年後、戦地から夫が帰って来ました、妻という女を連れて。
もういいですか。私はただ好きな物を作って生きていいですか。この国になんて出ていってやる。
ただ、皆に喜ばれる物を作って生きたいと願う女性がその才能に目を付けられ周りに翻弄されていく。彼女は自由に物を作れる道を歩むことが出来るのでしょうか。
番外編
謎の少女強襲編
彼女が作り出した物は意外な形で人々を苦しめていた事を知り、彼女は再び帝国の地を踏むこととなる。
私が成した事への清算に行きましょう。
炎国への旅路編
望んでいた炎国への旅行に行く事が出来ない日々を送っていたが、色々な人々の手を借りながら炎国のにたどり着くも、そこにも帝国の影が・・・。
え?なんで私に誰も教えてくれなかったの?そこ大事ー!
*本編は完結済みです。
*誤字脱字は程々にあります。
*なろう様にも投稿させていただいております。
婚約者に忘れられていた私
稲垣桜
恋愛
「やっぱり帰ってきてた」
「そのようだね。あれが問題の彼女?アシュリーの方が綺麗なのにな」
私は夜会の会場で、間違うことなく自身の婚約者が、栗毛の令嬢を愛しそうな瞳で見つめながら腰を抱き寄せて、それはそれは親しそうに見つめ合ってダンスをする姿を視線の先にとらえていた。
エスコートを申し出てくれた令息は私の横に立って、そんな冗談を口にしながら二人に視線を向けていた。
ここはベイモント侯爵家の夜会の会場。
私はとある方から国境の騎士団に所属している婚約者が『もう二か月前に帰ってきてる』という話を聞いて、ちょっとは驚いたけど「やっぱりか」と思った。
あれだけ出し続けた手紙の返事がないんだもん。そう思っても仕方ないよでしょ?
まあ、帰ってきているのはいいけど、女も一緒?
誰?
あれ?
せめて婚約者の私に『もうすぐ戻れる』とか、『もう帰ってきた』の一言ぐらいあってもいいんじゃない?
もうあなたなんてポイよポイッ。
※ゆる~い設定です。
※ご都合主義です。そんなものかと思ってください。
※視点が一話一話変わる場面もあります。
夫は魅了されてしまったようです
杉本凪咲
恋愛
パーティー会場で唐突に叫ばれた離婚宣言。
どうやら私の夫は、華やかな男爵令嬢に魅了されてしまったらしい。
散々私を侮辱する二人に返したのは、淡々とした言葉。
本当に離婚でよろしいのですね?
【完結】側妃は愛されるのをやめました
なか
恋愛
「君ではなく、彼女を正妃とする」
私は、貴方のためにこの国へと貢献してきた自負がある。
なのに……彼は。
「だが僕は、ラテシアを見捨てはしない。これから君には側妃になってもらうよ」
私のため。
そんな建前で……側妃へと下げる宣言をするのだ。
このような侮辱、恥を受けてなお……正妃を求めて抗議するか?
否。
そのような恥を晒す気は無い。
「承知いたしました。セリム陛下……私は側妃を受け入れます」
側妃を受けいれた私は、呼吸を挟まずに言葉を続ける。
今しがた決めた、たった一つの決意を込めて。
「ですが陛下。私はもう貴方を支える気はありません」
これから私は、『捨てられた妃』という汚名でなく、彼を『捨てた妃』となるために。
華々しく、私の人生を謳歌しよう。
全ては、廃妃となるために。
◇◇◇
設定はゆるめです。
読んでくださると嬉しいです!
婚約破棄とか言って早々に私の荷物をまとめて実家に送りつけているけど、その中にあなたが明日国王に謁見する時に必要な書類も混じっているのですが
マリー
恋愛
寝食を忘れるほど研究にのめり込む婚約者に惹かれてかいがいしく食事の準備や仕事の手伝いをしていたのに、ある日帰ったら「母親みたいに世話を焼いてくるお前にはうんざりだ!荷物をまとめておいてやったから明日の朝一番で出て行け!」ですって?
まあ、癇癪を起こすのはいいですけれど(よくはない)あなたがまとめてうちの実家に郵送したっていうその荷物の中、送っちゃいけないもの入ってましたよ?
※またも小説の練習で書いてみました。よろしくお願いします。
※すみません、婚約破棄タグを使っていましたが、書いてるうちに内容にそぐわないことに気づいたのでちょっと変えました。果たして婚約破棄するのかしないのか?を楽しんでいただく話になりそうです。正当派の婚約破棄ものにはならないと思います。期待して読んでくださった方申し訳ございません。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
お兄ちゃんはお医者さん!?
すず。
恋愛
持病持ちの高校1年生の女の子。
如月 陽菜(きさらぎ ひな)
病院が苦手。
如月 陽菜の主治医。25歳。
高橋 翔平(たかはし しょうへい)
内科医の医師。
※このお話に出てくるものは
現実とは何の関係もございません。
※治療法、病名など
ほぼ知識なしで書かせて頂きました。
お楽しみください♪♪
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる