天満堂へようこそ 4

浅井 ことは

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氷の地

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「クキョッー!」

「ごめんな。たくさん食べたみたいだな?また真ん丸だ」

「お肉美味しかったよ。みんなが嘴も拭いてくれた」

「いつも見たいにバシャバシャって洗わなかったんだ」

「うん」

頭を撫で、話していた部屋にブランを連れていくと、結月を見てビクッとしながら後に隠れる。

「だから!食わないって!」

こっちに来いと言う結月に恐る恐る近づき、大きな岩のように真ん丸に丸くなる。

「何なんだこいつは!私は食わないと言ってるだろうが!」

「怒った言い方するから怖いんだって」

「これに慣れろ!」

「はいいい!」

「よし、お手!」

「犬じゃないんだからさ……」

「どうにも動物に好かれた試しがない」

そうだろうね……と心の中で呟き、ブランに怖くないからと何度も言い聞かせる。

「ブラン、お前は人なら何人乗せられる?」

「あの、男の人なら2人……ノアさんとニコルさんと荷物も少しなら」

「女もか?」

「はい。1人なら、沢山荷物があっても大丈夫です」

「奏太を乗せて飛べるか?」

「高くは飛べないんですけど……」

「この屋敷の上までは?」

「飛び乗るくらいなら簡単です」

「ふーん」

「ふーんて何だよ?」

「いや、ケリー種はもっと大きいからな。たまたま大きくならなかっただけだろうと思って、能力だけは聞いたってところだ」

「後、私の声ももちろん頭に聞こえるな?」

「はい。ちょっと前からお団子とかお萩とか聞こえてました」

「奏太を頼んだぞ」

「はい!」

嬉しかったのか、暖炉の前で寛ぎ始めたので、上に毛布をかけ、テーブルにつくとルーカスがやって来た。

「準備は出来たのか?」

「後は奏太を乗せるだけだが」

「今、少し話してたんだが……奏太の記憶が少し戻ってる。後、この石なんだが」

手のひらに乗せられた石を一つずつ確認し、結月に返し、「俺に魔法陣は聞くな」と一言。

「バカ王子は何を学んでこられたのか……」

「バカって言うな!こんな複雑なもの見たこともない……いや、ある!」

「やっぱりゲートか?」

「一部が似ている程度にしかわからんが、緑の石もオレンジの石も一部同じ文字があるだろう?一つは魔界の門に刻まれている印と同じだ。後はわからん!」

「馬鹿ではなかったようですね?」

「あのなぁ、何回あのゲートから人間界に行ってると思ってるんだ?嫌でも覚えるだろう?」

「隅々まで覚えてます?」

「そこまで見てないが……」

「あのさ、そのゲートってのは、そこら中にあるの?」

「奏太は知らないか。王宮の中に各界への門がある。中心の街に一つ。街のゲート……門を通るには許可証が入って、管理人と兵が常駐してるんだ。だから、勝手な出入りは……あ!」

「遅いわ!ルーカス!」

「まさか、石?」
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