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氷の地
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「その1年ずっと本を読んでたの?」
「お前どこまで聞いてる?」
「ムーとユーリさんと木の中にある図書館みたいなところに行って行方不明になったって……」
「まぁ……簡単に言ったらそうだ。そこは謎を解いて進まないといけないところで、上も下も本でできた洞窟のようだった。問題は簡単だったが、奥に進んだら、一面本だらけでな……ついうっかりと仕掛けに触ってしまって出れなくなったんだ。そこまでがみんな知ってるところだが……」
「みんな簡単に話しすぎだろ……」
ガチャッと扉が開き、お食事の支度ができましたと呼びにこられたので、食堂まで行き食べながら話を聞くことにする。
「仕掛けの中は何かの研究をしていたみたいで、天井に書いてあった魔法陣に吸いこまれるように違う場所へと飛ばされたんだ」
「あ……なんかそれ聞いたかも」
「その飛ばされた先がまた違う場所だったようで、周りもまた本だらけ。色々な設備が整ってたから、つい研究してしまって」
「1年帰ってこなかったんだ!」
「そんなに時間が過ぎてるとは思わなかったからな。それより、魔牛ステーキじゃないか!これは日本の牛でいう所のミスジだ」
「話をそらさない!」
「とにかくだ、そこにあった本は貴重どころか、存在してはいけない内容なものが多くて、燃やそうにも燃やせないし、全て頭に叩き込んだだけだ。多分お前にもその能力はあると思うが?」
「無いよ?」
「学校での成績はかなり優秀だったみたいだが?」
「暗記物は得意な方で、公式も見たら覚えるし……」
フォークをこちらに向け、それだ!と自信満々に言うが、記憶力が良かっただけだと言い肉を頬張る。
「奏太、今はまだ全てを思い出してないからだろうが、思い出した時には全ての記憶が頭に流れ込んでくるだろう。その時は悩まずにそばに居るものに頼れ。分かったな?」
「分かった……」
途中でニコルが帰ってきたので、結月は器用に食事をしながら何枚もの紙を見ている。
「奏太、今から幾つか質問する。わかることだけ教えてくれ」
「うん。あ、ノア。ブランにもご飯あげてくれる?」
「既に使用人があげています。ケリー種が珍しいのか色々とお皿に乗ってましたが……」
「またまん丸になっちゃうじゃん」
「いいか?お前が育った家覚えてるか?庭でも部屋の中でもいい思い出せることだけだ」
「俺の背より高い塀があって、平屋だけど何人か人がいた……」
「よし、部屋の中に糸車はあったか?」
「何それ?」
「ほら、アニメや映画なんかで見る足で踏んでこうクルクルと……」とジェスチャーしているのを見て、あったと答える。
「じゃあ、そこに誰がいた?」
「え?婆ちゃんだけど……」
「婆さんはいつもそこに居たか?」
「飯食うところの横に暖炉があって、その近くでいつもやってたと思うんだけど」
「お前は家から出たか?」
「庭まで。それが普通だって……あれ?誰が言ったんだろう?」
「いい、深く考えるな。その家に……その、リアムに似た男はいなかったか?」
「リアムさん?なんで今その名前が出るの?」
「落ち着け。リアムに似た人だ!」
「みんな金髪だったし……顔までは覚えてないよ」
「その家を出る前に、何か記憶はないか?」
「全く……」
「最初の質問は意味は無い。思い出す練習みたいなもんだが、以外に覚えてたな」
「そう見たいだね、お・ね・え・さ・ま!」
「ば……馬鹿者!そんな呼び方するな!恥ずかしい!」
「あー、照れてる」
「今から話すことは、各王しか知らないことだ。お前は覚えておけ」
そう言われて佇まいを直す。
ノアがコーヒーを人数分入れてきてくれ、みんながテーブルに着く。
一口飲むと、飲みなれた人間界のコーヒーだった。
「お前どこまで聞いてる?」
「ムーとユーリさんと木の中にある図書館みたいなところに行って行方不明になったって……」
「まぁ……簡単に言ったらそうだ。そこは謎を解いて進まないといけないところで、上も下も本でできた洞窟のようだった。問題は簡単だったが、奥に進んだら、一面本だらけでな……ついうっかりと仕掛けに触ってしまって出れなくなったんだ。そこまでがみんな知ってるところだが……」
「みんな簡単に話しすぎだろ……」
ガチャッと扉が開き、お食事の支度ができましたと呼びにこられたので、食堂まで行き食べながら話を聞くことにする。
「仕掛けの中は何かの研究をしていたみたいで、天井に書いてあった魔法陣に吸いこまれるように違う場所へと飛ばされたんだ」
「あ……なんかそれ聞いたかも」
「その飛ばされた先がまた違う場所だったようで、周りもまた本だらけ。色々な設備が整ってたから、つい研究してしまって」
「1年帰ってこなかったんだ!」
「そんなに時間が過ぎてるとは思わなかったからな。それより、魔牛ステーキじゃないか!これは日本の牛でいう所のミスジだ」
「話をそらさない!」
「とにかくだ、そこにあった本は貴重どころか、存在してはいけない内容なものが多くて、燃やそうにも燃やせないし、全て頭に叩き込んだだけだ。多分お前にもその能力はあると思うが?」
「無いよ?」
「学校での成績はかなり優秀だったみたいだが?」
「暗記物は得意な方で、公式も見たら覚えるし……」
フォークをこちらに向け、それだ!と自信満々に言うが、記憶力が良かっただけだと言い肉を頬張る。
「奏太、今はまだ全てを思い出してないからだろうが、思い出した時には全ての記憶が頭に流れ込んでくるだろう。その時は悩まずにそばに居るものに頼れ。分かったな?」
「分かった……」
途中でニコルが帰ってきたので、結月は器用に食事をしながら何枚もの紙を見ている。
「奏太、今から幾つか質問する。わかることだけ教えてくれ」
「うん。あ、ノア。ブランにもご飯あげてくれる?」
「既に使用人があげています。ケリー種が珍しいのか色々とお皿に乗ってましたが……」
「またまん丸になっちゃうじゃん」
「いいか?お前が育った家覚えてるか?庭でも部屋の中でもいい思い出せることだけだ」
「俺の背より高い塀があって、平屋だけど何人か人がいた……」
「よし、部屋の中に糸車はあったか?」
「何それ?」
「ほら、アニメや映画なんかで見る足で踏んでこうクルクルと……」とジェスチャーしているのを見て、あったと答える。
「じゃあ、そこに誰がいた?」
「え?婆ちゃんだけど……」
「婆さんはいつもそこに居たか?」
「飯食うところの横に暖炉があって、その近くでいつもやってたと思うんだけど」
「お前は家から出たか?」
「庭まで。それが普通だって……あれ?誰が言ったんだろう?」
「いい、深く考えるな。その家に……その、リアムに似た男はいなかったか?」
「リアムさん?なんで今その名前が出るの?」
「落ち着け。リアムに似た人だ!」
「みんな金髪だったし……顔までは覚えてないよ」
「その家を出る前に、何か記憶はないか?」
「全く……」
「最初の質問は意味は無い。思い出す練習みたいなもんだが、以外に覚えてたな」
「そう見たいだね、お・ね・え・さ・ま!」
「ば……馬鹿者!そんな呼び方するな!恥ずかしい!」
「あー、照れてる」
「今から話すことは、各王しか知らないことだ。お前は覚えておけ」
そう言われて佇まいを直す。
ノアがコーヒーを人数分入れてきてくれ、みんながテーブルに着く。
一口飲むと、飲みなれた人間界のコーヒーだった。
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