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風の地
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護衛全員で剥いだ皮と牙は、売却の時に均等に分けられると言われた。
夜中の交代を終えて眠り、朝食を気に入ってくれていた根菜の味噌汁とご飯に、魔鳥の卵で目玉焼きを作る。
「奏太、これが最後の食事と思うと寂しいね……また、こちらに来た時には作ってちょうだい」
「はい!」
「もうすぐ街だし、後はいいから荷車の準備をして来ていいわよ。後は誰かに任せるから」
ありがとうと言い、ノアに声をかけ街に行く前の準備を済ませる。
「ニコルさん、もう野菜とか無いけど……」
「街で買いましょう。姫様とも連絡を取ってませんし……肉は魔象の肉があるので、後はパンの粉くらいですね」
「うん。後はこっちの準備でいいって言われたけど」
「後ろでゆっくり休んでいてください。夜魔力を使ったのでまだ疲れもあるでしょうから」
「ありがとう。次の街ってどんな所?」
「とにかく氷だらけです。前に言っていたつららも沢山あります」
「ノア、道路で見てたけど、前の街ではあんまり思い出せなかったんだ。次の街で思い出せるかな?」
「風と氷ですから、何か分かるといいのですが……焦らなくとも良いのでは?」
「やっぱり気になってさ……」
ゆっくり思い出せばいいと言われ、出発からベッドに横になり、ウトウトとする。
ぐっすりとまでは行かなかったが、体を横にしてたので、大分と体はマシになったが、頭痛が酷い。
幌を捲り外をみると、一面雪と氷だらけで、木も凍っていた……
「ブラン、見てみろよ。外すごいぞ?」
「何あれ?」
「氷柱っていうんだ。見た事ない?」
「無い。痛い?」
「落ちてきて当たったら痛いと思うけど」
「幻界にはないよ?」
「雪はあったけど、ここまで凍ってなかったもんな……」
「やっぱりここは寒いよ」
火に当たっててと火鉢の近くにブランを置き、マントの上から毛布を被るが、頭痛はだんだんとひどくなっていく。
「ニコルさん、前に貰った頭痛薬ない?」
「痛みますか?」
「うん。だんだん酷くなってきて……頭割れそう」
薬を貰い、白湯で飲んでからまた横になるが、いつもなら効いて来るはずの天満堂特製頭痛薬が全く効かない。
「奏太様?」
「前にいなくていいの?」
「街まではすぐだそうなので様子を見に。いつから痛みますか?」
「戦った後から少し。でも、氷見てからだんだん酷くなってきて、薬飲んだけど治らなくて」
「ちょっと失礼致します」
そう言って熱を計られ、ベッドにちゃんと寝ていろと言われ、布団をかけられる。
「姫様と連絡が付けばいいのですが……」
「すぐ治るよ」
暫く眠り、起こされた時には大きな街についていて、全て終わった後だった。
「俺、アグナさんにお別れ言ってないや……」
「気にするなとの伝言です。宿の方取りましたので今から行きます。医者もいると思いますので、ノアさんと奏太様は宿の方で待っていてください」
夜中の交代を終えて眠り、朝食を気に入ってくれていた根菜の味噌汁とご飯に、魔鳥の卵で目玉焼きを作る。
「奏太、これが最後の食事と思うと寂しいね……また、こちらに来た時には作ってちょうだい」
「はい!」
「もうすぐ街だし、後はいいから荷車の準備をして来ていいわよ。後は誰かに任せるから」
ありがとうと言い、ノアに声をかけ街に行く前の準備を済ませる。
「ニコルさん、もう野菜とか無いけど……」
「街で買いましょう。姫様とも連絡を取ってませんし……肉は魔象の肉があるので、後はパンの粉くらいですね」
「うん。後はこっちの準備でいいって言われたけど」
「後ろでゆっくり休んでいてください。夜魔力を使ったのでまだ疲れもあるでしょうから」
「ありがとう。次の街ってどんな所?」
「とにかく氷だらけです。前に言っていたつららも沢山あります」
「ノア、道路で見てたけど、前の街ではあんまり思い出せなかったんだ。次の街で思い出せるかな?」
「風と氷ですから、何か分かるといいのですが……焦らなくとも良いのでは?」
「やっぱり気になってさ……」
ゆっくり思い出せばいいと言われ、出発からベッドに横になり、ウトウトとする。
ぐっすりとまでは行かなかったが、体を横にしてたので、大分と体はマシになったが、頭痛が酷い。
幌を捲り外をみると、一面雪と氷だらけで、木も凍っていた……
「ブラン、見てみろよ。外すごいぞ?」
「何あれ?」
「氷柱っていうんだ。見た事ない?」
「無い。痛い?」
「落ちてきて当たったら痛いと思うけど」
「幻界にはないよ?」
「雪はあったけど、ここまで凍ってなかったもんな……」
「やっぱりここは寒いよ」
火に当たっててと火鉢の近くにブランを置き、マントの上から毛布を被るが、頭痛はだんだんとひどくなっていく。
「ニコルさん、前に貰った頭痛薬ない?」
「痛みますか?」
「うん。だんだん酷くなってきて……頭割れそう」
薬を貰い、白湯で飲んでからまた横になるが、いつもなら効いて来るはずの天満堂特製頭痛薬が全く効かない。
「奏太様?」
「前にいなくていいの?」
「街まではすぐだそうなので様子を見に。いつから痛みますか?」
「戦った後から少し。でも、氷見てからだんだん酷くなってきて、薬飲んだけど治らなくて」
「ちょっと失礼致します」
そう言って熱を計られ、ベッドにちゃんと寝ていろと言われ、布団をかけられる。
「姫様と連絡が付けばいいのですが……」
「すぐ治るよ」
暫く眠り、起こされた時には大きな街についていて、全て終わった後だった。
「俺、アグナさんにお別れ言ってないや……」
「気にするなとの伝言です。宿の方取りましたので今から行きます。医者もいると思いますので、ノアさんと奏太様は宿の方で待っていてください」
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