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風の地
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何の位続けられるかはわからなかったが、すぐに風が止み街に入ったのがわかる。
入ってすぐからいくつも道がわかれ、迷路のようになっている。
荷台の中から外を見ていると、真っ直ぐ街の真ん中の方に向かって進んでいるのがわかる。
だが、脇道も沢山あるので、所々にある店など覚えておかないと迷子になりそうな造りになっている。
「ブラン、着いたよ!」
「クキョッ?」
頭を左右にふり確認しているようだが、まだ荷台の中だからと言い、ブランの布団を片付けると、まだ中に入っていたいのか、布団を嘴で咥えてささやかな抵抗をしている。
「もう!ちゃんと起きないと布団作ってやらないからな!」
「クキョーッ!」
ごめんなさいとばかりに今度は布団を片付け出す。単純だなと思いながら、火の始末をしていると、店の前で止まったので外を見る。
買取専門店と書かれた店にニコルがひとりで入っていく。
「ノア、なにか売れるものあったっけ?」
「蜘蛛とゴリラの毛皮位です。なので値段の交渉に行かれました」
入口から出てきたニコルが荷台から袋を取り出し、半分だけ袋に入れ変えてまた店内へ持っていく。
戻ってきた時は珍しくニコニコと笑顔だったので、高値で売れたんだなと思い、いくらだったのか聞くと、蜘蛛が50000、毛皮が30000魔通貨だと言う。
「あんなのが?」
「薬になりますし、なかなか取れないようなので。全部売っても良かったのですが、姫様の分を取っておかないと、あとが怖いので。それに毛皮は氷の地にも売られるので、重宝されます」
「そうか!寒いところだもんね。でも蜘蛛がそんなに高値だとは思わなかったよ」
「今から宿に行きますが、中心に泊まろうと思います。緑のコイン二つの良い宿があったはずなんですが……」
そう言って荷車が止まった宿は、緑ではなく赤だろうとツッコミを入れたくなるほど豪華な建物だったが、看板を見ると金縁緑三つの宿だった。
「ね、ねえ、高いんじゃないの?」
「一人5000魔通貨なので、このような地域では安いほうです」
「金縁だったのに?」
「街によって違うのでしょうね。それにしても、外との差が凄いです。奏太様の言われていた通り、道幅はありますが、下は底なしのようですね……」
「うん、よく建物がたってると思うよ」
「奏太様、もう中に入っても大丈夫です」
中に入り、係の人に案内されて部屋へと行く。
ここも個室ではあったが、風呂トイレ別でベッドとソファも置いてあり、ゆったりとくつろげる作りになっていた。
ノアたちの部屋も似たようなもので、中の壁紙の色が違う程度だった。
「食事までまだありますが、どうされますか?歩いてみたら記憶も戻るのではないかと思うのですが」
「うん。でも、無理に思いださなくてもいいかなとも思うし……」
「では買い付けだけ行きますが……」
「俺ちょっと寝るから、二人で行ってきてよ」
「分かりました。何かあれば呼んでください」
「わかった」
入ってすぐからいくつも道がわかれ、迷路のようになっている。
荷台の中から外を見ていると、真っ直ぐ街の真ん中の方に向かって進んでいるのがわかる。
だが、脇道も沢山あるので、所々にある店など覚えておかないと迷子になりそうな造りになっている。
「ブラン、着いたよ!」
「クキョッ?」
頭を左右にふり確認しているようだが、まだ荷台の中だからと言い、ブランの布団を片付けると、まだ中に入っていたいのか、布団を嘴で咥えてささやかな抵抗をしている。
「もう!ちゃんと起きないと布団作ってやらないからな!」
「クキョーッ!」
ごめんなさいとばかりに今度は布団を片付け出す。単純だなと思いながら、火の始末をしていると、店の前で止まったので外を見る。
買取専門店と書かれた店にニコルがひとりで入っていく。
「ノア、なにか売れるものあったっけ?」
「蜘蛛とゴリラの毛皮位です。なので値段の交渉に行かれました」
入口から出てきたニコルが荷台から袋を取り出し、半分だけ袋に入れ変えてまた店内へ持っていく。
戻ってきた時は珍しくニコニコと笑顔だったので、高値で売れたんだなと思い、いくらだったのか聞くと、蜘蛛が50000、毛皮が30000魔通貨だと言う。
「あんなのが?」
「薬になりますし、なかなか取れないようなので。全部売っても良かったのですが、姫様の分を取っておかないと、あとが怖いので。それに毛皮は氷の地にも売られるので、重宝されます」
「そうか!寒いところだもんね。でも蜘蛛がそんなに高値だとは思わなかったよ」
「今から宿に行きますが、中心に泊まろうと思います。緑のコイン二つの良い宿があったはずなんですが……」
そう言って荷車が止まった宿は、緑ではなく赤だろうとツッコミを入れたくなるほど豪華な建物だったが、看板を見ると金縁緑三つの宿だった。
「ね、ねえ、高いんじゃないの?」
「一人5000魔通貨なので、このような地域では安いほうです」
「金縁だったのに?」
「街によって違うのでしょうね。それにしても、外との差が凄いです。奏太様の言われていた通り、道幅はありますが、下は底なしのようですね……」
「うん、よく建物がたってると思うよ」
「奏太様、もう中に入っても大丈夫です」
中に入り、係の人に案内されて部屋へと行く。
ここも個室ではあったが、風呂トイレ別でベッドとソファも置いてあり、ゆったりとくつろげる作りになっていた。
ノアたちの部屋も似たようなもので、中の壁紙の色が違う程度だった。
「食事までまだありますが、どうされますか?歩いてみたら記憶も戻るのではないかと思うのですが」
「うん。でも、無理に思いださなくてもいいかなとも思うし……」
「では買い付けだけ行きますが……」
「俺ちょっと寝るから、二人で行ってきてよ」
「分かりました。何かあれば呼んでください」
「わかった」
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