天満堂へようこそ 4

浅井 ことは

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魔界

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2人の姿が見えた時、良かったと安心したからか、力が抜けてしまった。

ブランが犬車を連れてやってきたので、褒めてやりたいが、身体中が怠く、すぐにベッドに寝かされた。

小さくなったブランにどうやって連れてきたのか聞くと、話せるから、迎えに行こうと言ったら来てくれたとの事だったので、小さくなったブランの頭を撫で、そこで意識が途切れる。

「__様__奏太様」

「あ……」

「大丈夫ですか?少し熱があるようなので、一日ここに止まりますが……」

「ごめん、進んでも大丈夫だよ?」

「いえ、あの量を見た姫様が全部とってこいと言われたので時間がかかりました。それに、あの竜巻のようなものは?」

「たまたま小さいのができたんだ。振り回してたらだけど。それで、大きく振ってたら段々でかくなって牛に突っ込んでいったから……ノア達怪我ない?」

「私達は大丈夫です。しかし、驚きました。姫様にも聞いたのですが、やはり魔力も使われているようだと。現に熱まで出ているので、間違いないと思いますし、技と身体がついていかないのでしょう。今は休んでください」

「ニコルさんは?」

「今スープを作ってます。彼も洞察力はすごいですね」

「俺の鎌鼬当たらないって教えてくれたんだ」

「そうでしたか」

クキョックキョッっと鳴くので、食事ができたんだなとすぐに分かる。
ブランはかなり食事が大好きなようで、食べ物には敏感だ。

「お待たせしました。食べれますか?」

「うん」

スプーンを手にとり、先ほどの牛のことを聞く。

「あれは、一般的に食べる魔牛とは違い、魔獣の部類に入ります。最後に獣と付くものは凶暴ですので。それにあれだけ小さい魔獣を使っていたので、ランク的には高いでしょう」

「ランク?」

「こちらでは魔獣牛と呼びますが、D~SSSまでランクで分かれています。大きさでの判断がほとんどですが、あれだとBランクでしょう。もも肉はとっておきました。角の毒も瓶に入れたものは既に姫様の元に。代わりにこれを渡すようにと言われました」

渡されたのは小さな袋に入った丸薬。

「すっごい、嫌な記憶しか戻ってこない!」

「熱冷ましの薬だそうです。今はそれしかできないと言ってました」

飲んだら寝るようにと言われたので大人しく従う。

たまに変な薬を飲まされるが、熱冷ましや頭痛薬などは嘘みたいに効く。

すぐに睡魔に襲われぐっすりと寝る傍らにはブランが雀ほどの大きさになり、布団に潜って寝ていた。
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