天満堂へようこそ 4

浅井 ことは

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魔界

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「お待たせしました。コーヒーのことを言ったら店主が分けてくれたので荷に積んできました」

どうぞとカップを渡されたので飲む。
人間界のコーヒーより薄いが、少し後味がいい感じに残り、気に入った。

「意外ですね。魔界にもいいものが沢山ありますし」

「俺、悪魔がうじゃうじゃいるのかと思ってたよ」

「居ますよ?この町の者みな悪魔といえば悪魔ですから」

「あ、そっか!でもちょっと違うだけだから、イメージと違ってて……」

「村のものは見た目がここまで綺麗ではないです。ゴリラのような者もいますし、耳や角が生えた者もいますから」

「だからあまり寄らない方が良いってこと?」

「それも有りますが、血の気の多いものが殆どですので」

「見たいような見たくないような……」

「そのうち嫌でも見れると思うのですが、魔獣と間違わないようにしないといけませんね」

「服を着てなかったら切り掛かったらいいんです」

「え?間違えたら?」

「その時は逃げてください」と笑う。

そんな話をしていると、カタカタと窓が鳴り出して、ついそちらに顔を向けてしまう。

「風が強くなってきましたね……」

「でもまだ雨にもなっていないので、今日は早く寝て明日に備えましょう」

入口側にニコル、真ん中にノア、窓際に自分が寝る形となる。

ブランはしっかりと布団の中に入り、頭だけだして人と同じように器用に寝ている。

そう言えばムーも昔同じことしてたなと思いながらそのまま眠りにつく。

朝、カンカンという音がし、二人の稽古だと思い窓をあけて稽古の様子を見る。
素振りや型の練習ではなく、剣道の試合を見ているかの様だった。

一通り終わったところで声をかける。

「おはよう。二人共戻ってきてよ」

汗で風邪をひかれても困ると思い、お風呂に入って支度してもらう。
今日は買い物に行くと言っていたので、早く朝食を食べてしまいたかった。

朝食の目玉焼きの黄身が拳一つ分はあり、なんの卵かと聞くと、種類的には鶏と言われ安心して食べる。

「今日、でかい犬飼に行くんだよね?」

「そうです。町外れにいるので、購入だけして町を出る時に連れていきます」

「あのさ、他の街とか行ったときどうするの?」

「馬小屋のような小屋に入らせますよ。それに、見た目とは違い人懐っこく臆病なところがあります」

「想像出来ない……」

「奏太様は動物に好かれるようなので大丈夫ではないですか?」

「うん。あ、ブラン!それ俺の魚……」

話に夢中になってブラン用の皿に魚をまだ置いていなかったのでお腹がすいていたのだろう。雛の時より雀の方が嘴もしっかりしているので食べやすそうにうまくつついて食べているので、その部分をお皿に置き、ジャガイモと人参のようなものも乗せておく。
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