天満堂へようこそ 4

浅井 ことは

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魔界

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プツンと通信が切れ、ニコルは宿の主人に延長を頼みに行き、ノアには質問攻めにされた。

「だからさ、俺の婆ちゃんと思ってた人が、天界の人だったらしくて、俺が天界から居なくなってから今までの記憶は無いんだって……結月さんはそのうち戻るとか言ってたけど」

「もしかしたら、幼少期こちらを通られたのでは?天界から人間界へ行くには、連れ出すとなるとバレますから、魔界から抜けたとか……」

「でも、許可いるんだよね?」

「普通は。人間界でもNEWSと言うのでやっていましたが、密入国というのがありました。あのような形でこちらに来ることもできます……」

「__例えば天界からの使者が来る時、必ず荷馬車を持ってくるんです。食べ物が一部違うから……その荷に隠れてこちらに来て、こちらの境目から人間界に入ったかもしれないですね。普通は通り抜けれないのですが、魔力の高いものは簡単に抜けれますから」

「ニコルさん……」

「宿の方は問題ないそうです。ブランさんも部屋に入れていいそうですよ。壁がなく、今日は風が強いそうなので」

「俺連れてくる!」

裏庭に行き、ブランを呼ぶ。
店主にお礼を言い、ブランには小さくなってもらって部屋に入れる。

「奏太様、なぜ雛なのですか?」

「可愛いから……」

「魔力の温存と、餌には困りませんが……」

「ブランさんはいいのですか?」

「大きくなったら、お風呂というものに入れないって奏太くんが……それに、ブランでいいよ?ニコルさん」

「そうでした。奏太様、ブランとお風呂に入られますか?ここの浴室は狭いですが、町の中心に公共の湯があります。そこなら広いのですが」

「ですが、王子に公共の場は……」

「あ、そうでした。いつもルーカス様が行かれるのでつい」

「でもさ、ルーカスさんが行くってことは、綺麗なところなんじゃないの?」

「清潔ではありますし、湯もかけ流しです。ただ……」「行こう!」

「話をちゃんと聞いてからでないと……」

「いいじゃん。ブランも雛だったら、頭の上にも乗せれるし、銭湯って事でしょ?最近大きなお風呂はいってなかったしさ。ノアだめ?」

「分かりました。では着替えを持っていきましょうか」

三人分の着替えを用意し、各々カバンに詰めてニコルの案内で銭湯に行く。

そこでもやはりニコルは知られていて、1人500魔通で入れた。頭に乗せたブランは無料でいいらしい。

服を脱いで、腰にタオルをまいて中に入ると、人間界の銭湯と良く似た作りになっている。ただ湯船の中にいくつか大岩があるのが気になるが、湯も鬼のような顔をした口から出ていて、少し気味は悪かったが、綺麗なお湯だったので、体を洗い湯に入る。
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