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魔界
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「ブ、ブラン俺の後ろに下がってて」
「奏太くん」
向かってくる魔物の喉元を狙い何度も振る。
ガァァァァァァーーー
首には当たらず三つある顔を切り裂いた。
目が見えなくなったのだろう。違う方に向かって何度も攻撃をしている。
___今しかない。
そう思い今までで一番大きい鎌鼬をイメージして首元を良く狙い放つ。
ゴトッと言う音と共に首が落ち、大きな体も倒れる。
「奏太様!」
尻餅をついてその魔物の姿を見ていると、後ろから呼ぶ声が聞こえた。
「ノア、ニコルさん……何とか倒せたみたい」
「申し訳ありません。気づいたときにはもう。それより、この盾の解除を。もう魔物は死んでいます」
「えっと、どうやるのかわからないんだけど」
「力を抜いてみてはいかがでしょう?身を守るもののようなので」
ニコルに言われた通りに、深呼吸し心を落ち着ける。
スッと盾はなくなり、握っていた剣もなくなる。
「なんだったんだろう?」
「お怪我はありませんか?」
「うん。ブランは?」
「大丈夫なようです」とやはり頭を撫でている。
「奏太くんありがとう」
「いや、いいんだ。俺も夢中だったからいまいち何が起こったのかさっぱりで」
「最後見ましたが、あれは魔法というよりは能力のような感じがしました」
「そうですね。ですが魔力も使うのでしょう。消耗が激しいです。まずは休息をとらないと」
食事ができるまでの間にと荷台の空いているスペースに天幕の下の部分を折り曲げ、簡易ベッドが作られる。そこで休み、出来た食事をとってから、町につくまで簡易ベッドで眠ってしまった。
「奏太様、起きてください」
「あれ?ごめん。なんか物凄く寝た感じがするんだけど」
「いえ、月を見てください。まだ夕方です。それにブランさんが頑張ってくれたので町にもうつきます」
「もう?」
起き上がって前を見ると、ブランはかなりのスピードで走っており、町が見えてきている。
見た感じは幻界とあまり変わらない見える。
「ニコルさん、町の中ってどんな感じ?」
「ここは穏やかな種族が住んでいると話しましたが、のんびりとした町ですよ。町の中心に川があるので、魚料理が多いです。それに、ルーカス様の手つきの方がいらっしゃったような……」
「え?」
「いえ。ここの町のものは、戦闘に不向きなものが多いので、幻界に近いかも知れません」
「宿とか決めるのになにか目印あるの?幻界では鍋の印があったんだけど」
「こちらの看板にもあります。鍋ではなく、コインが書かれていて、黒・赤・緑の色で分かれています。黒は食事がついてなく、風呂もありませんが、安いので泊まり客は多いです。近くに酒場があるので、そこで食事をします。緑は食事・風呂つきの一般宿で、コイン5つであればかなりいい宿です。緑コインの淵が金色に塗られていれば、さらにいいもてなしが受けれます。赤はコイン1つでも高級です。数や金淵があればあるほど高いので気をつけてください」
「分かった。行くなら緑だよね?」
「奏太くん」
向かってくる魔物の喉元を狙い何度も振る。
ガァァァァァァーーー
首には当たらず三つある顔を切り裂いた。
目が見えなくなったのだろう。違う方に向かって何度も攻撃をしている。
___今しかない。
そう思い今までで一番大きい鎌鼬をイメージして首元を良く狙い放つ。
ゴトッと言う音と共に首が落ち、大きな体も倒れる。
「奏太様!」
尻餅をついてその魔物の姿を見ていると、後ろから呼ぶ声が聞こえた。
「ノア、ニコルさん……何とか倒せたみたい」
「申し訳ありません。気づいたときにはもう。それより、この盾の解除を。もう魔物は死んでいます」
「えっと、どうやるのかわからないんだけど」
「力を抜いてみてはいかがでしょう?身を守るもののようなので」
ニコルに言われた通りに、深呼吸し心を落ち着ける。
スッと盾はなくなり、握っていた剣もなくなる。
「なんだったんだろう?」
「お怪我はありませんか?」
「うん。ブランは?」
「大丈夫なようです」とやはり頭を撫でている。
「奏太くんありがとう」
「いや、いいんだ。俺も夢中だったからいまいち何が起こったのかさっぱりで」
「最後見ましたが、あれは魔法というよりは能力のような感じがしました」
「そうですね。ですが魔力も使うのでしょう。消耗が激しいです。まずは休息をとらないと」
食事ができるまでの間にと荷台の空いているスペースに天幕の下の部分を折り曲げ、簡易ベッドが作られる。そこで休み、出来た食事をとってから、町につくまで簡易ベッドで眠ってしまった。
「奏太様、起きてください」
「あれ?ごめん。なんか物凄く寝た感じがするんだけど」
「いえ、月を見てください。まだ夕方です。それにブランさんが頑張ってくれたので町にもうつきます」
「もう?」
起き上がって前を見ると、ブランはかなりのスピードで走っており、町が見えてきている。
見た感じは幻界とあまり変わらない見える。
「ニコルさん、町の中ってどんな感じ?」
「ここは穏やかな種族が住んでいると話しましたが、のんびりとした町ですよ。町の中心に川があるので、魚料理が多いです。それに、ルーカス様の手つきの方がいらっしゃったような……」
「え?」
「いえ。ここの町のものは、戦闘に不向きなものが多いので、幻界に近いかも知れません」
「宿とか決めるのになにか目印あるの?幻界では鍋の印があったんだけど」
「こちらの看板にもあります。鍋ではなく、コインが書かれていて、黒・赤・緑の色で分かれています。黒は食事がついてなく、風呂もありませんが、安いので泊まり客は多いです。近くに酒場があるので、そこで食事をします。緑は食事・風呂つきの一般宿で、コイン5つであればかなりいい宿です。緑コインの淵が金色に塗られていれば、さらにいいもてなしが受けれます。赤はコイン1つでも高級です。数や金淵があればあるほど高いので気をつけてください」
「分かった。行くなら緑だよね?」
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