天満堂へようこそ 4

浅井 ことは

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魔界

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「その辺は大丈夫です。今回はルーカス様の名での旅との事にしますので、町は利用しても問題は有りません」

「なら良いけど、敵のいる町だったら?」

「ある程度の調べはついていますし、魔界でのルーカス様の人気はかなりありますので、なるべくルーカス様の懇意の町に着くようにします」

「では行きましょうか。ブランさん行けますか?」

「はい!頑張ります」

そう話している間もニコルはブランの頭を撫でなでしている。

「三人乗っても平気?」

「うん、僕達力持ちだよ?」

そう言うので案内にニコルとノアを前に乗せ、自分は荷台に乗る。御者台は交代で乗ることになり、荷台に乗る方は後方などの見張りもすることになった。

「それにしても、天気もわからないよね?雨とか降るの?」

「魔界は季節などで分けませんが、極寒の氷の地が二つ・灼熱地が二つと別れています」

「4つに分かれているのではなかったですか?」

「大きく分けると二つですが、間に中間の地が入るだけなので……その4つに1人ずつ将軍が配置されています。今回その将軍の受け持つ灼熱の地は通りませんので……次の場所で防寒対策はした方がいいと思います。それに、氷の地は地面が凍っているのでブランさんでは無理です。荷馬車専用のソリと犬を買います」

「滑っていくの?」

「そんな感じです」

想像がつかないなと言いながらも、順調に進んでいく。
途中何度か休憩をし、食べ物などは基本的には狩りを2人がしてくれるので、火をつけたりブランの世話等をして過ごす。

「クキョキョ?」

「どうした?」

じっと後ろを見ているので振り向くと、前にノアが戦っていたのと同じような魔獣が真後ろにいた。
とっさに出来たことは、ブランと自分を守る盾を作るぐらいだった。ノアもニコルもまだ戻ってきては居ない。

どうしよう……これだけではこの魔物を倒すことはできない。
思わずブランを抱き締める。

キュキョォー

「来るなぁー」

咄嗟に出した手から白い刀のようなものが出る。それを握り、ひたすら振り回すが当たらない。

「血?」

上から降ってくるものは魔物の血だった。
当たってないのになんで?そう思いもう一度魔物に向かって刀を振ると、真っ白な筋のようなものが刀を覆っている。

「これか!」

立ち上がり魔物に向かい何度も刀から出ている白い筋のようなものが飛ぶイメージで振ると、鎌鼬のようにまっすぐに魔物に向かって飛んでいき、胸の辺りを切る。
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