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魔界
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何も無い荒野と言ったらいいのか、見渡す限り何も無い。目の前を流れる川は水ではなくマグマ……
今まで幻界で旅をしてきたが、その前は寂れた商店街にある、天満堂という薬屋にいた。
それから街の新築マンションの1階のテナントに移り、一年ちょっと薬屋を任されてきた。
自社ビルも持ち、学校も卒業して、幻界の姫と呼んでいいのかわからない横暴な姉の独断で、何故か副社長になり、いくつかのヒット商品も出した矢先、魔力が安定せず、幻界へ修行と称した旅に出たのだが、人間界に戻れず、魔界の王子ルーカスを頼ってきたのはいいが、ゲートから城に行けるはずだったのに、何故か全然違う地に出てしまった。
付き添いのノアとケリー種と言う幻界の動物ブランを連れて城まで行くのだが、地図もなければ方向さえわからない。
唯一の救いは人間界と連絡が取れることくらいだ……
「ノア、ここどこ?」
「私も来たのが初めてでして……」
そう言い地面に魔法陣を書く。
すぐに繋がり、魔法陣から出た鏡の様なスクリーンに向かって話す。
「結月さん、ここどこ?」
「なんで城にいないんだ!」
「出たらここだったんだ!」
「見る限り、城には近い……筈だ。マグマの川から徒歩で……まぁブランに乗って行ったら一週間もあればつく」
「は?」
すると向こう側から、鍋や麻袋に入った食料。調味料。必要なものだけ出せと言われ、着替えを出し、キャリーバッグを向こう側に渡す。肩からかけるバッグが渡され、ノアの着替えも入っていると言うので、自分の分もそこにしまう。
ノアがスクリーンから引っ張り出したのは小型の荷馬車。
なんでも出てくるなと思いながら、結月の後ろは作業部屋が写っているのでなんとなく納得してしまった。
「ノア……」
「兄さん?お戻りでしたか」
「これを。特注で作っておいた剣です。奏太さんにも1振り渡してください」
「はい……」
「すまんが長くは話せない。そちらは戦争の真っ只中だ。ルーカスは城にいたから連絡は取れたが、迎えを行かせるようにする。何かいるものがあれば言ってこい。それと、村もあるはずだがあまり近寄るな」
そこで通信はプツンと切れ、ブランに確認し、荷馬車を引いてもらうことにする。
通信が切れる前に飛んできたものは魔通貨というこちらのお金らしい。
「数え方は幻界と似てますね。村が見つかれば様子を見てこちらのものを買いましょう」
「でも、近付くなって……」
「最初は仕方ないかと思います。ちゃんと護衛もしますので」
「分かった。ブランどうだ?重くないか?」
「あまり走れないけど大丈夫だよ?」
「ごめんな。無理させるけど……」
「でも進まないといけないんだよね?僕頑張るから」
「ブランさん、疲れたら言ってください。休憩はなるべく取りますので」
「はい」
背もたれも何も無い御者台に乗ると、やはり小さいので二人でいっぱいだった。
ノアは荷を確かめてくるといい後ろで確認作業をしている。
「奏太様、鍋はあるのですが、食器がありません……」
「肝心なものがないって……帰ったら絶対殴る!」
「あ、ありました!」
あったのか!と突っ込みたくなったが、まずはまっすぐ進むしかないと思い、何も無い道無き道を進む。
今まで幻界で旅をしてきたが、その前は寂れた商店街にある、天満堂という薬屋にいた。
それから街の新築マンションの1階のテナントに移り、一年ちょっと薬屋を任されてきた。
自社ビルも持ち、学校も卒業して、幻界の姫と呼んでいいのかわからない横暴な姉の独断で、何故か副社長になり、いくつかのヒット商品も出した矢先、魔力が安定せず、幻界へ修行と称した旅に出たのだが、人間界に戻れず、魔界の王子ルーカスを頼ってきたのはいいが、ゲートから城に行けるはずだったのに、何故か全然違う地に出てしまった。
付き添いのノアとケリー種と言う幻界の動物ブランを連れて城まで行くのだが、地図もなければ方向さえわからない。
唯一の救いは人間界と連絡が取れることくらいだ……
「ノア、ここどこ?」
「私も来たのが初めてでして……」
そう言い地面に魔法陣を書く。
すぐに繋がり、魔法陣から出た鏡の様なスクリーンに向かって話す。
「結月さん、ここどこ?」
「なんで城にいないんだ!」
「出たらここだったんだ!」
「見る限り、城には近い……筈だ。マグマの川から徒歩で……まぁブランに乗って行ったら一週間もあればつく」
「は?」
すると向こう側から、鍋や麻袋に入った食料。調味料。必要なものだけ出せと言われ、着替えを出し、キャリーバッグを向こう側に渡す。肩からかけるバッグが渡され、ノアの着替えも入っていると言うので、自分の分もそこにしまう。
ノアがスクリーンから引っ張り出したのは小型の荷馬車。
なんでも出てくるなと思いながら、結月の後ろは作業部屋が写っているのでなんとなく納得してしまった。
「ノア……」
「兄さん?お戻りでしたか」
「これを。特注で作っておいた剣です。奏太さんにも1振り渡してください」
「はい……」
「すまんが長くは話せない。そちらは戦争の真っ只中だ。ルーカスは城にいたから連絡は取れたが、迎えを行かせるようにする。何かいるものがあれば言ってこい。それと、村もあるはずだがあまり近寄るな」
そこで通信はプツンと切れ、ブランに確認し、荷馬車を引いてもらうことにする。
通信が切れる前に飛んできたものは魔通貨というこちらのお金らしい。
「数え方は幻界と似てますね。村が見つかれば様子を見てこちらのものを買いましょう」
「でも、近付くなって……」
「最初は仕方ないかと思います。ちゃんと護衛もしますので」
「分かった。ブランどうだ?重くないか?」
「あまり走れないけど大丈夫だよ?」
「ごめんな。無理させるけど……」
「でも進まないといけないんだよね?僕頑張るから」
「ブランさん、疲れたら言ってください。休憩はなるべく取りますので」
「はい」
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ノアは荷を確かめてくるといい後ろで確認作業をしている。
「奏太様、鍋はあるのですが、食器がありません……」
「肝心なものがないって……帰ったら絶対殴る!」
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