下宿屋 東風荘 8

南での三日間

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「明日は本当は冬弥が社で待ってるはずだったんだが、御館様が迎えに来る。で、周太郎と三郎と四郎の三人で向こうに帰す予定だったが、那智達がまだ帰ってこないから重次まで東に行かせる訳には行かないんだ」

「え？大丈夫だよ……」

「まぁ聞け。やはりな……爺様があんな事になったから父上達も那智の好きにさせておいてあげたいって事で、那智と航平も東へ行くのは遅くなるだろう」

「うん。仕方ないよ」

「そこでだ！俺がついていくことにした」



思わずお箸で掴んでいたかまぼこを落としそうになり、お皿で受けてからお盆に戻して周太郎を見ると、ブンブンと横に首を振るので知らなかったのだろう。

「仕事は？」

「父上も孫馬鹿だな。影を送ってきて、雪翔が帰るまで出張扱いにしてくれるそうだ」

「いいの？」

「いいのいいの。俺、まともに休みなんて貰えなかったんだから、こんな時くらいしかゆっくり出来ないし」

じゃあ、支度してくるからとお盆を持って出ていったのはいいが、準備なんて何かする事があるのだろうか？