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南の島のおじいちゃん
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沢山食べたあと、一旦那智の家に帰るように言われ、祖父母と栞、侑弥と帰ることになった。
後でみんなも来ると言われたが、お爺さんの家に残るのは、京弥と夏樹、冬弥と那智と航平の五人だと言う。
周太郎に押してもらって帰ってから、布団を敷くのを手伝って、薬を飲まされる。
お葬式の時はお風呂には入らずに、全て終わってから清めの意味で入るのだと聞かされた。
「にー!にー!」
「何?」
「にっ!」
「絵本?」
「なんじゃ、雪翔は侑弥の言葉がもうわかるのか?」
「毎日だもん。こういう言い方すると大抵絵本なんだよ?小雪ちゃんも帰ってきてたらよかったんだけど」
「小雪は重次が幸さんも一緒に送ってくれる。少し京弥と一緒にいた方が良いと思うてな」
「どうして?」
「あの四人は、この島で遊び育ったから、そりゃ京弥とて寂しかろう?」
「そうだよね。那智さん大丈夫かなぁ」
「今だけじゃよ。ほれ、絵本はどこじゃ?」
鞄から絵本を取り出して、最近お気に入りのカチカチ山と、かぐや姫を読むとすぐに寝てしまったが、元気なのは金と銀。
「竹を割って出てきたのはいいけどさ、良く綺麗に割れたよね」
「でもさ、結婚するのに宝探しみたいなことさせるって酷くない?」
「むむー!」
と、いつもの毒舌が。
その毒舌に紫狐がいないことに気づき、どこに行ったのかと聞くと、やはり冬弥の影に戻っているとのことだった。
後でみんなも来ると言われたが、お爺さんの家に残るのは、京弥と夏樹、冬弥と那智と航平の五人だと言う。
周太郎に押してもらって帰ってから、布団を敷くのを手伝って、薬を飲まされる。
お葬式の時はお風呂には入らずに、全て終わってから清めの意味で入るのだと聞かされた。
「にー!にー!」
「何?」
「にっ!」
「絵本?」
「なんじゃ、雪翔は侑弥の言葉がもうわかるのか?」
「毎日だもん。こういう言い方すると大抵絵本なんだよ?小雪ちゃんも帰ってきてたらよかったんだけど」
「小雪は重次が幸さんも一緒に送ってくれる。少し京弥と一緒にいた方が良いと思うてな」
「どうして?」
「あの四人は、この島で遊び育ったから、そりゃ京弥とて寂しかろう?」
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「今だけじゃよ。ほれ、絵本はどこじゃ?」
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「竹を割って出てきたのはいいけどさ、良く綺麗に割れたよね」
「でもさ、結婚するのに宝探しみたいなことさせるって酷くない?」
「むむー!」
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その毒舌に紫狐がいないことに気づき、どこに行ったのかと聞くと、やはり冬弥の影に戻っているとのことだった。
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