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お盆祭り
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「あー、揉めるのはあとにして欲しいんだが……」
「何だと?俺はお前より死んでるんだぞ!」
「そこ、威張ることじゃないと思うんだけど」
「翔平まで!!!」
それでも、わぁわぁと叫んでいるふたりを無視し、今夜はここに泊まることになるのかとテチに聞くと、「あの状態では無理でしょう」と言われ納得する。
「夜に術で家まで送るつもりじゃ。それと……素戔嗚尊と大国!五月蝿い!夜のことを話し合わねばならんのじゃろう?」
「おっと、それそれ。この七夕祭は翔平や純平も知ってる天の川の話と同じだ。織姫と彦星の話は知ってるだろう?」
「うん。年に一回しか会えないんだよね。いつも曇ってて天の川って見た事ないけど」
「空の上ではちゃんと橋がかかってる。で、いつもの如く夜には妖共が活発化するんだ。特にこんなでかい神社の祭りともなれば、人の活気も凄いしな」
「俺たちであやかし退治か?」
「まぁな。迦具土と翔平、純平で回ってもらおうと思ってる。そうすると、うずめが踊ってる間テチ一人になるが、そこは怪力でなんとかしてくれ。素戔嗚尊は社に居ないといけないから、不本意だが俺が素戔嗚尊の警護。迦具土達は千本鳥居周りを頼みたい」
「義父上と呼べんのか!」
「誰が呼ぶか!今回も須勢理ちゃんがお願いって言ったからきてやったんだ!」
「迦具土、時間まで兄貴と神社見て回りたいんだけど」
「じゃあ、俺達だけ出るか?」
「俺も出る」
テチとうずめも出ると言って外に向かおうとすると、大国さんの悲痛な悲鳴が聞こえたが、勝手に喧嘩していてくれと、うずめさん達と共に外に出る。
出ると夕方近くになっており、もっと時間が経っているのかと思ったと言いながら、御朱印を貰い、歩いて周りを見ていく。
観光客も多く、みんなが写真を撮っているのを邪魔しないように進み、一通り見た後に食事をするのにお店に入って和食を堪能し、日が暮れてきたのを見計らってそれぞれの持ち場へと行って連絡が来るのを待つ。
「あ、俺たちの荷物置いてきたまんまだ」
「すっかり忘れてたけど、荷物もってあやかし退治は出来ないだろ?」
「迦具土、後で一緒に家まで運べる?」
「出来る。それより、うずめの踊りの音がまだ聞こえないな……」
遅いなと思っていると、テチがこちらに走ってきて、本殿の裏まで来てくれという。
しかも大声で……
いつもボソッとしか話さないテチの慌てぶりを見て、三人でテチの後について行く。
「大国さんと素戔嗚尊は?」
「今、社の中で出れない状態。俺一人ではうずめを傷つけてしまうかもと思い……」
神様のテチがこんなに焦って話しているという事は、うずめさんは大丈夫なんだろうか?
言われるままについて行き、出た場所は社の裏から少し離れた場所。
「あれって……」
「なんだ?仮面かぶって。ハロウィンじゃないぞ?」
「前に、爺ちゃんと見たことがあるんだ。他でも……仮面つけたやつは俺たちと同じように話してたけど、妖怪を食べて力をつけてるって聞いた。迦具土、同じ奴かな?」
「別モンだがよく似たものだ。但し今までのとは桁が違う……」
よく見ると、仮面を被った妖の後ろには縛られて意識のないうずめさん。
しかも、踊る前だったのか、あられもない姿で……
「増援ですか?」
しれっと話す話し方が祖父と見た男と似ているので同じにも見えるが、仮面の柄も、服装も全く違う。
「翔平と純平は後ろから援護しろ」
「迦具土は?」
「正面!」
テチはきっとうずめさんの救出だろうと、兄と鈴を媒介にして弓矢を作る。
「何だと?俺はお前より死んでるんだぞ!」
「そこ、威張ることじゃないと思うんだけど」
「翔平まで!!!」
それでも、わぁわぁと叫んでいるふたりを無視し、今夜はここに泊まることになるのかとテチに聞くと、「あの状態では無理でしょう」と言われ納得する。
「夜に術で家まで送るつもりじゃ。それと……素戔嗚尊と大国!五月蝿い!夜のことを話し合わねばならんのじゃろう?」
「おっと、それそれ。この七夕祭は翔平や純平も知ってる天の川の話と同じだ。織姫と彦星の話は知ってるだろう?」
「うん。年に一回しか会えないんだよね。いつも曇ってて天の川って見た事ないけど」
「空の上ではちゃんと橋がかかってる。で、いつもの如く夜には妖共が活発化するんだ。特にこんなでかい神社の祭りともなれば、人の活気も凄いしな」
「俺たちであやかし退治か?」
「まぁな。迦具土と翔平、純平で回ってもらおうと思ってる。そうすると、うずめが踊ってる間テチ一人になるが、そこは怪力でなんとかしてくれ。素戔嗚尊は社に居ないといけないから、不本意だが俺が素戔嗚尊の警護。迦具土達は千本鳥居周りを頼みたい」
「義父上と呼べんのか!」
「誰が呼ぶか!今回も須勢理ちゃんがお願いって言ったからきてやったんだ!」
「迦具土、時間まで兄貴と神社見て回りたいんだけど」
「じゃあ、俺達だけ出るか?」
「俺も出る」
テチとうずめも出ると言って外に向かおうとすると、大国さんの悲痛な悲鳴が聞こえたが、勝手に喧嘩していてくれと、うずめさん達と共に外に出る。
出ると夕方近くになっており、もっと時間が経っているのかと思ったと言いながら、御朱印を貰い、歩いて周りを見ていく。
観光客も多く、みんなが写真を撮っているのを邪魔しないように進み、一通り見た後に食事をするのにお店に入って和食を堪能し、日が暮れてきたのを見計らってそれぞれの持ち場へと行って連絡が来るのを待つ。
「あ、俺たちの荷物置いてきたまんまだ」
「すっかり忘れてたけど、荷物もってあやかし退治は出来ないだろ?」
「迦具土、後で一緒に家まで運べる?」
「出来る。それより、うずめの踊りの音がまだ聞こえないな……」
遅いなと思っていると、テチがこちらに走ってきて、本殿の裏まで来てくれという。
しかも大声で……
いつもボソッとしか話さないテチの慌てぶりを見て、三人でテチの後について行く。
「大国さんと素戔嗚尊は?」
「今、社の中で出れない状態。俺一人ではうずめを傷つけてしまうかもと思い……」
神様のテチがこんなに焦って話しているという事は、うずめさんは大丈夫なんだろうか?
言われるままについて行き、出た場所は社の裏から少し離れた場所。
「あれって……」
「なんだ?仮面かぶって。ハロウィンじゃないぞ?」
「前に、爺ちゃんと見たことがあるんだ。他でも……仮面つけたやつは俺たちと同じように話してたけど、妖怪を食べて力をつけてるって聞いた。迦具土、同じ奴かな?」
「別モンだがよく似たものだ。但し今までのとは桁が違う……」
よく見ると、仮面を被った妖の後ろには縛られて意識のないうずめさん。
しかも、踊る前だったのか、あられもない姿で……
「増援ですか?」
しれっと話す話し方が祖父と見た男と似ているので同じにも見えるが、仮面の柄も、服装も全く違う。
「翔平と純平は後ろから援護しろ」
「迦具土は?」
「正面!」
テチはきっとうずめさんの救出だろうと、兄と鈴を媒介にして弓矢を作る。
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