72 / 103
お盆祭り
.
しおりを挟む
そう言いながらもちょっと寂しそうにしているのは妹のことがあるからかもしれないが、それよりも今は熱!
「神様って風邪とか引いたりするの?」
「勿論。引きにくいし、病になど滅多に侵されない。でも、力を使ったあとや、疲れている時などは体調がおかしくなることがあるから、今回もただ疲れてしまっただけだと思う」
「アイス食べたら横になってよね?未来の義姉さんなんだから」
「あ、姉などと……まだ私も心の準備が」
「だって、兄貴と良く出かけてたからてっきりそうなんだとばかり思ってたし、爺ちゃんも婆ちゃんも喜んでるよ?もちろん俺も」
「早く治して、神気も回復させないと」
「うん、そしたらお願いがあるんだけど」
「なんじゃ?」
だいぶ前に石長さんの神社に行った時の絶景ポイントのことを話し、そこに祖父母が若かったら行けたのにと写真を見ながら残念がっていたことなどを話、出来るのなら祖父母を連れて行ってあげられないかと言う相談だったのだが、それも快くひきうけてくれ、「ただ、本当に何も無いのに?景色だけでいいの?」と不思議がっていた。
お昼は簡単に素麺だったが、石長さんには卵がゆ。
ゆっくりとだが全部食べてくれたと祖母が言っていたので、あとは熱が引くのを待つだけだと少し安心して部屋に戻って勉強をする。
夕方まで頑張るものの、さすがに扇風機だけでは暑いとエアコンをつけ、ご飯の時間まで見直しながら何度も繰り返して暗記しながら問題を解く。
祖父母はエアコンがあまり好きではないと、扇風機で過ごしているが、一階にもエアコンは付いている。
つける時はお客さんが来た時くらいなのだが、流石に真夏は熱中症も怖いので付けてもらいたい。
「翔平、ご飯よー」
祖母が階下から呼んだので返事をして降りていくと、さすがに部屋が涼しかったのでムワッとする。
「爺ちゃん達暑くないの?俺、エアコンつけちゃったよ」
「お前は受験生なんだから、気にせずに使いなさい。私達はもう慣れてしまってるから、返って冷えすぎてしまうんだよ」
「石長さんの部屋は?」
「付けようかと聞いたんだが、扇風機でいいと言うのでな。石長さんの屋敷にはエアコンはないらしい」
「暑くないのかなぁ?」
「山だから涼しいと言っていたぞ?」
爺ちゃんいつの間に聞いたんだろう?
夕食も、昼がかなり暑かったのもあったので、冷やしうどんだったが、わかめご飯のおにぎりも作ってくれていたので、うどんを食べたあとに、夜食にすると言って三つもらって上に行く。
「ちょっといいか?」
「迦具土……今日どこ行ってたの?」
「石長の社にな。使用人に言って、少し気を貰ってきた」
「あ、そっか」
「あった方のが回復は早いからな。それと、上にも行ってきた……」
「なんで?」
「ほら、祭りの事で、八坂神社行くだろ?」
「うん」
「うずめも行くって聞かなくて、そしたらテチも行くと言い出して止めるのが大変だったんだが……」
「あ、負けたんだ」
「負けるも何も、ジジイが一緒に行けって決めちまったから。これが日程表」
紙に書かれている日付と待ち合わせ場所を見て、ちょっと首をかしげてしまう。
待ち合わせ場所は安井金比羅宮。
確か縁切りで有名なところだった筈。
縁切りと縁結びとノートに書いてあって印象が強かったから、ネットで調べてみたが、かなり物々しい感じがした。
うずめさん、なんでそんな所にしたんだろう?
「神様って風邪とか引いたりするの?」
「勿論。引きにくいし、病になど滅多に侵されない。でも、力を使ったあとや、疲れている時などは体調がおかしくなることがあるから、今回もただ疲れてしまっただけだと思う」
「アイス食べたら横になってよね?未来の義姉さんなんだから」
「あ、姉などと……まだ私も心の準備が」
「だって、兄貴と良く出かけてたからてっきりそうなんだとばかり思ってたし、爺ちゃんも婆ちゃんも喜んでるよ?もちろん俺も」
「早く治して、神気も回復させないと」
「うん、そしたらお願いがあるんだけど」
「なんじゃ?」
だいぶ前に石長さんの神社に行った時の絶景ポイントのことを話し、そこに祖父母が若かったら行けたのにと写真を見ながら残念がっていたことなどを話、出来るのなら祖父母を連れて行ってあげられないかと言う相談だったのだが、それも快くひきうけてくれ、「ただ、本当に何も無いのに?景色だけでいいの?」と不思議がっていた。
お昼は簡単に素麺だったが、石長さんには卵がゆ。
ゆっくりとだが全部食べてくれたと祖母が言っていたので、あとは熱が引くのを待つだけだと少し安心して部屋に戻って勉強をする。
夕方まで頑張るものの、さすがに扇風機だけでは暑いとエアコンをつけ、ご飯の時間まで見直しながら何度も繰り返して暗記しながら問題を解く。
祖父母はエアコンがあまり好きではないと、扇風機で過ごしているが、一階にもエアコンは付いている。
つける時はお客さんが来た時くらいなのだが、流石に真夏は熱中症も怖いので付けてもらいたい。
「翔平、ご飯よー」
祖母が階下から呼んだので返事をして降りていくと、さすがに部屋が涼しかったのでムワッとする。
「爺ちゃん達暑くないの?俺、エアコンつけちゃったよ」
「お前は受験生なんだから、気にせずに使いなさい。私達はもう慣れてしまってるから、返って冷えすぎてしまうんだよ」
「石長さんの部屋は?」
「付けようかと聞いたんだが、扇風機でいいと言うのでな。石長さんの屋敷にはエアコンはないらしい」
「暑くないのかなぁ?」
「山だから涼しいと言っていたぞ?」
爺ちゃんいつの間に聞いたんだろう?
夕食も、昼がかなり暑かったのもあったので、冷やしうどんだったが、わかめご飯のおにぎりも作ってくれていたので、うどんを食べたあとに、夜食にすると言って三つもらって上に行く。
「ちょっといいか?」
「迦具土……今日どこ行ってたの?」
「石長の社にな。使用人に言って、少し気を貰ってきた」
「あ、そっか」
「あった方のが回復は早いからな。それと、上にも行ってきた……」
「なんで?」
「ほら、祭りの事で、八坂神社行くだろ?」
「うん」
「うずめも行くって聞かなくて、そしたらテチも行くと言い出して止めるのが大変だったんだが……」
「あ、負けたんだ」
「負けるも何も、ジジイが一緒に行けって決めちまったから。これが日程表」
紙に書かれている日付と待ち合わせ場所を見て、ちょっと首をかしげてしまう。
待ち合わせ場所は安井金比羅宮。
確か縁切りで有名なところだった筈。
縁切りと縁結びとノートに書いてあって印象が強かったから、ネットで調べてみたが、かなり物々しい感じがした。
うずめさん、なんでそんな所にしたんだろう?
0
お気に入りに追加
93
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる