天満堂へようこそ 2

浅井 ことは

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天界・幻界そして魔界

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「まずは、奏太の治療にユーリとムー。母は何かあれば対応してくれ。
天王・ルーカス・私でリアムに会いに行く」
そう言いみんなを見る。

「なんだ?」

「いや……ムーはいるのか?」

「ムーは奏太の側は離れんだろう?ほとんど奏太が面倒見ていたし懐いているからな……
それに、ちゃんと守るだろ」

「噛みつき攻撃か!あいつ離さないからな。で?天界行ってどうする?」

「おっさん、兵はどのぐらい動かせる?」

「リアムの私兵はそんなにおらん。残り全部動かせる。それがどうした?」

「私が調査後に城に戻る。リアムに別荘や隠れ家などあるか?」

暫く考えた後、王は別宅はあるが……とだけ言う。

「意味がわからんが」

「天界は、王宮を中心に四つのブロックに分かれている。中心に来ればくるほど栄えておるのは知っているであろう?」

「境目に行けば行くほど境界に近くなるだろ?」とルーカスが魔界と同じだと言う。幻界も似たようなものだ。

「今、住んでいるものはいるが、殆ど使われてない所が一角だけある。そこに、最近リアムに似たものが出入りしていると聞いたことがある」

「誰でも近づけるか?」

「行ったことないから分からんが、あれだけ調べ物していたのならば、何かしらしてあるかもしれんの」

「少し考えさせてくれ」そう言い席を立つ。

城の一番上の見張り台まで行き、敬礼する兵に下がるように言う。
入口あたりで見張りはしていると思うが、とにかく一人になって考えたかった。

「結月?」

と、背後から声が聞こえる。

「母か、なんだ?」

「貴方、何故薬に拘るの?魔力も全員補えるだけあるでしょう?なのに……」

「母よ……全て魔法で補えば気配を消すことも、魔法を感知することも容易い。
病気さえ治せるが、そうしたらどうなる?
それをしてしまうと、私はただの兵器や道具になってしまう。そんな気がする」

「そんな事はないわ。誰よりも勉強をし、自分を制して生きてきたのは貴方の努力の結果よ?これを機に帰って来たら?」

「それは断る!」

「奏太さんの事も魔法で治るのでしょう?」

「それは時間を戻す事になる。だからしない。母よ、今回は血を使うがいいか?」

「それは、何の為に?」

「分かっているのに聞くな……」
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