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境界を越えて
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余りにも煩かったのか、ガチャりと扉が開くと兵が外に出してくれた。
部屋をでてすぐは壁。
片側だけに部屋がある様で、あかりがポツポツ付いている薄暗い廊下を進むと上り階段があり、上へ上へと登っていく。
かなり登った所は屋上。
城の一角と言った所か、広さはそんなに無いものの、外からかなり奥の方まで一望できる。
初めて見る天界の景色は、思っていたのと全く違い、ただただ草原が広がっているだけだった。
「これが天界?」
兵は話したらいけないのか、決まりがあるのか全く話さない。
「天界ってお花畑がいっぱいだと思ったんだけどなー?外歩きたいなー」と塔の端から落ちるふりをする。
「危ない!」と一人の兵が支えに来て声を発する。
「喋れるんじゃん」とニヤッと笑う。
「本来は許可が無いと話すことはできません。今は緊急事態でしたので」
「誰の?」
「王子様のでございます」
「リアムさん?」
「いえ、あなた様です」
「俺が王子?ばかな事言わないでよ。認めてないし証拠もない」
「いずれ、リアム様が解明なさるでしょう。それまではここにてお過ごしいただきたいとの事です」
そう言い、すぐにまた地下の部屋に戻される。
鍵の閉まる音はしなかったから、すぐにリアムが来るのだろう。
「お待たせいたしました」
「待ってない」
「そう言わずに。奏太さんが眠っていらっしゃる間に、少々血を頂きました」
「__何?」
「そこの機械の中で、今分析をしておりまして、もう結果が出ていると思います」
「何の?」
少しお待ちを、と言い機械の方で何かやっている。
血だと?傷口も何もないし痛みもない。
あぁ、魔法か……と納得はするものの、分析とはまた天国に似つかわしくないものが置いてある。
「この機械が珍しいですか?姫が人間界に行ってから色々なものを見ました。幻界の者だけが人間界に混じって居るわけではないのですよ?天界のものも、魔界の者もいます。ただ、人間と同じ暮らしをしているだけなので分からないだけで……その中の医療に関わるものにこの機械を譲ってもらいました。もちろん、天界に持ち込むのは容易ではありませんでしたし、使い方も何度も練習……いえ、研究しました」
「なんでそこまでするんだよ……」
「話を聞きたくないと言ったのは奏太さんです。私は、姫と同じぐらいは生きてます。もちろんルーカスも。でも、600年前の事は本当に極秘だったのでしょう、つい最近私も知りましたので。色々と調べ物にも時間がかかってしまいましたが、これが結果です」
そう言ってフラスコのようなものを二つ目の前に出される。
薄い水色と黄色がきれいな二重層になっているが、なにかの飲み物なのだろうか?
部屋をでてすぐは壁。
片側だけに部屋がある様で、あかりがポツポツ付いている薄暗い廊下を進むと上り階段があり、上へ上へと登っていく。
かなり登った所は屋上。
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初めて見る天界の景色は、思っていたのと全く違い、ただただ草原が広がっているだけだった。
「これが天界?」
兵は話したらいけないのか、決まりがあるのか全く話さない。
「天界ってお花畑がいっぱいだと思ったんだけどなー?外歩きたいなー」と塔の端から落ちるふりをする。
「危ない!」と一人の兵が支えに来て声を発する。
「喋れるんじゃん」とニヤッと笑う。
「本来は許可が無いと話すことはできません。今は緊急事態でしたので」
「誰の?」
「王子様のでございます」
「リアムさん?」
「いえ、あなた様です」
「俺が王子?ばかな事言わないでよ。認めてないし証拠もない」
「いずれ、リアム様が解明なさるでしょう。それまではここにてお過ごしいただきたいとの事です」
そう言い、すぐにまた地下の部屋に戻される。
鍵の閉まる音はしなかったから、すぐにリアムが来るのだろう。
「お待たせいたしました」
「待ってない」
「そう言わずに。奏太さんが眠っていらっしゃる間に、少々血を頂きました」
「__何?」
「そこの機械の中で、今分析をしておりまして、もう結果が出ていると思います」
「何の?」
少しお待ちを、と言い機械の方で何かやっている。
血だと?傷口も何もないし痛みもない。
あぁ、魔法か……と納得はするものの、分析とはまた天国に似つかわしくないものが置いてある。
「この機械が珍しいですか?姫が人間界に行ってから色々なものを見ました。幻界の者だけが人間界に混じって居るわけではないのですよ?天界のものも、魔界の者もいます。ただ、人間と同じ暮らしをしているだけなので分からないだけで……その中の医療に関わるものにこの機械を譲ってもらいました。もちろん、天界に持ち込むのは容易ではありませんでしたし、使い方も何度も練習……いえ、研究しました」
「なんでそこまでするんだよ……」
「話を聞きたくないと言ったのは奏太さんです。私は、姫と同じぐらいは生きてます。もちろんルーカスも。でも、600年前の事は本当に極秘だったのでしょう、つい最近私も知りましたので。色々と調べ物にも時間がかかってしまいましたが、これが結果です」
そう言ってフラスコのようなものを二つ目の前に出される。
薄い水色と黄色がきれいな二重層になっているが、なにかの飲み物なのだろうか?
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