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秋・冬の場
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その瞬間目に入ったのは裸足だったことだ。
やはり気になり、女の子に声をかける。
「どうかしたの?」
「あのね、パパとママを待ってるの」
「靴は?」
「この街に来る途中で幻虎とか言うのに襲われて逃げて……はぐれたらここで待ってなさいって言われたの」
「今来たの?」
するとふるふると首を降り泣き出したので、仕方なく自分の泊まっている宿までつれていく。
女将さんに事情を話、暖かいスープとパンだけ貰った。
「ゆっくり食べな。暖まるから」
「お兄ちゃんありがとう」
そうは言ってもまだ10才になるかならないかだろう。これからどうしようと思いながら、食べ終わるのを待ち、話を聞くことにした。
「あのさ、はぐれたパパとママはその……」
「私だけ逃げなさいって。夢中で走ったからわからないの」
「どこから来たの?」
「東の街」
「あそこにいつからいたのかわかる?」
「3日ぐらい……」
「着いてきて」と女の子に言い、女将さんにお礼を言い靴屋さんを聞いてそこに向かう。
サイズを合わせてもらって、靴を履かせる。マントも売っていたので買い、全部で1500幻だったが、構わないと思いお金を払う。
「寒くない?」
「うん」
「俺もここの街初めてだからわからないんだけど、門の守衛さんに一度聞いてみるね」
そう言って門番をしている人に事情を話、怪我をしている人や夫婦できた人はいないかを聞く。
誰もいないと言われたので、捜索はできないかと聞いたが、吹雪がやむまではできないと言われてしまった。それに、子供を預かってくれるような施設はないとのことで、さすがに困ってしまった。
何日も一緒にいるわけにもいかない。
宿代にも限界がある。
ちょうど通りかかった宿の看板は蓋付き鍋三つ。
懐から陛下から渡された札を取り出す。
使って良いのだろうか?
一瞬迷ったが自分は人間界に帰らないといけない。
思いきって宿屋の扉を開ける。
今まで泊まったどの宿よりも豪華でかなり高そうな雰囲気がする。
「あの……」と、宿の受付の人に事情を話して、保護を求めて札を見せる。
「これは……!今主人をつれてきますのでお待ちください」
すぐに宿屋の主人が来て女の子を見て、暖かいお茶を出してくれる。
「間違いなく陛下の刻印。承りました。他にご希望はありませんか?」
「え?あの。保護してもらえるのはありがたいのですが、できればこの子の親の捜索の方も出来ませんか?」
「猟師の一団で今からすぐに捜索にいかせます。お嬢ちゃん、どの当たりではぐれたのかわかるかな?」
「大きな木があって、その横に小さい木が2本あった」
「街の近くだね。頑張って来たね。おじさんが街の人に頼んで探してもらうから、ここにいて良いからね」
「いいの?でも私お金持ってないの」
「それは気にしなくても良いから、まずはお風呂に入って服を着替えようか」
こくんと頷くのでそのままメイドの人に女の子を預ける。
やはり気になり、女の子に声をかける。
「どうかしたの?」
「あのね、パパとママを待ってるの」
「靴は?」
「この街に来る途中で幻虎とか言うのに襲われて逃げて……はぐれたらここで待ってなさいって言われたの」
「今来たの?」
するとふるふると首を降り泣き出したので、仕方なく自分の泊まっている宿までつれていく。
女将さんに事情を話、暖かいスープとパンだけ貰った。
「ゆっくり食べな。暖まるから」
「お兄ちゃんありがとう」
そうは言ってもまだ10才になるかならないかだろう。これからどうしようと思いながら、食べ終わるのを待ち、話を聞くことにした。
「あのさ、はぐれたパパとママはその……」
「私だけ逃げなさいって。夢中で走ったからわからないの」
「どこから来たの?」
「東の街」
「あそこにいつからいたのかわかる?」
「3日ぐらい……」
「着いてきて」と女の子に言い、女将さんにお礼を言い靴屋さんを聞いてそこに向かう。
サイズを合わせてもらって、靴を履かせる。マントも売っていたので買い、全部で1500幻だったが、構わないと思いお金を払う。
「寒くない?」
「うん」
「俺もここの街初めてだからわからないんだけど、門の守衛さんに一度聞いてみるね」
そう言って門番をしている人に事情を話、怪我をしている人や夫婦できた人はいないかを聞く。
誰もいないと言われたので、捜索はできないかと聞いたが、吹雪がやむまではできないと言われてしまった。それに、子供を預かってくれるような施設はないとのことで、さすがに困ってしまった。
何日も一緒にいるわけにもいかない。
宿代にも限界がある。
ちょうど通りかかった宿の看板は蓋付き鍋三つ。
懐から陛下から渡された札を取り出す。
使って良いのだろうか?
一瞬迷ったが自分は人間界に帰らないといけない。
思いきって宿屋の扉を開ける。
今まで泊まったどの宿よりも豪華でかなり高そうな雰囲気がする。
「あの……」と、宿の受付の人に事情を話して、保護を求めて札を見せる。
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