天満堂へようこそ 3

浅井 ことは

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宿屋で聞いたことをそのままノアに話すと、「商人になれそうですね」と笑われてしまった。

馬小屋荷馬を繋ぎ、荷も雨の当たらないところに置く。

部屋に入ると前の宿よりも広く1人の宿泊代が安くなったのが申し訳ないくらいだった。

コンコンとノックの音がしたので出ると、ノアが買い物に行くと言うのでついていく事にした。

「今は夏なのでその格好でいいのですが、秋の終からはマントだけでは寒いです……私も寒がりでして……」

「でも、売ってるのかな?」

「この街も大きいですからなんでも揃います。この服もここまで持ったのが不思議なくらいで」

「だよね……」

連れて行かれた服屋で、半袖と長袖の服を買い、ズボンと下着なども買う。冬用のブーツも買い、二人で1万幻。これは安いのか高いのかわからないが、ノアが何も言わないので必要経費なんだろう。

「ノア、こんなに買ってお金大丈夫?」

「宿の支払いも終わってますし、残りは42000幻です。狩りをして売り、節約しながら進めば、何かあった時でも困ることはないでしょう」

その日はお互い食事を済ませてから部屋でゆっくりし、次の日の買い物に備えることになった。深夜までウトウトとはしていたが、中々眠りに付けずに部屋を出る。

「__はい__そう……いえ」

ノアの部屋から声?

ドアに耳を近づけて聞き耳をたてるが、話し声が小さいので誰と何を話しているのかまではわからなかった。

最後に冬とゆう単語は聞こえたが、それが何を意味するのかがわからずに、そのまま一階へとおり、飲み物をもらい部屋へと戻る。
その時にはもう話し声が聞こえなかったので部屋に入り、貰ってきたバーボン入りのミルクを飲んで布団にはいる。

体が暖まり、そのまま朝までぐっすりと休み、身支度を整えてから一階へとおりる。

「ノア」

昨日の夜の事を聞こうとしたが、どう聞いて良いのかわからなかったため、今日の買い物の話にすり替える。

「足りないものの補充と、粉。それと、野菜は根菜類重視にしようと思います。どうかされましたか?」

「え?あ、なんでもないよ。でも、雨なのにやってるのかなお店」

「市場は野外でできないときは、大きな天幕をはってするので、雨天関係ないです」

「ここも広いのかな?」

「ここの街は大きいです。前の街よりは小さいですが……」

「馬車はおいていく?」

「はい。宿から小さい荷台を借りられるのでそれを引いていきます」

朝御飯もたっぷりと食べ、宿を出て市場に向かう。

外の小さい荷台を引いていくと、何かのお祭りのように朝も早いのに騒がしく賑わっている。

所々で子供に風船を配り、お祭りのように見えた。

「何かあるのかな?」

「ここは夏の場なのでみんなお祭り好きなのです。陽気な人種ですので」

「あ、野菜がある!」

他の町では見たことの無い野菜やくだものが沢山あった。

「これ何?」
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