47 / 103
BAR TENMAN
.
しおりを挟む
「帰ろっか……結月さん帰ってきたら売上渡さないといけないし、このお金も……」
「そうですね、姫様ならそのままお肉でも食べに行きそうですが」
「だよねー」と部屋を出ると、ニコルも帰ると言ったので、車で一緒に帰ることにした。
帰宅するとすぐにムーのところに行き、様子を見る。
「ユーリさんに田中さんも!」
「奏太くん!」
と支えられながら立っている。
「凄いじゃん!」
「時間はかかりましたが、頑張るというもので……」
「ありがとう。でもムー、休憩しながらだぞ?」
「うん。ねえそれなぁに?」
「まず横になろ?」
そう言ってまた布団に横になってもらい、袋から出したブタうさぎをムーの横に置く。
「あ、かまぼこのウサギだ」
「お前いつも戦ってたから、見つけた時にムーにいいなって思って買ったんだ」
「ありがとう奏太くん!」
ガブゥーッ!
「こら、噛むものじゃないから……」
「ですが、犬とは噛むものなのでしょう?」
「そうだけど、速攻やられると悲しいかな」
「あ、これなんだけど」と、ノアとユーリに同じ箱を渡す。
その間に田中さんはお茶の用意をしてくれているようで、キッチンの方からカチャカチャと音が聞こえてくる。
「何でしょう?」
「開けてみて?」
では……と二人が開け、お互いのを見てお礼を言ってくる。
「会社の時はスーツだから使えるかなと思ったんだ。二人の髪の色に合わせたんだけど……」
「大切にします。有難うございます。ノア?」
「ずびばぜん……奏太様からこの様な頂き物など……光栄ずぎで……」
ほらとノアにティッシュを渡し、隣のリビングまで行き田中さんが入れてくれたお茶の前に座る。
「そんなに泣かなくても……」
「奏太様、それぞれのお付のものは、主から物を頂くという事はほとんど無く……」
「え?そうなの?俺悪いことしちゃったかな?」
「いえいえ、大変喜ばしい事なのです。信頼の証ですので」
そう聞いてよかったと思い、「だいじにじばず」とまだ泣いているノアに、ちょっと困った顔のユーリを見ながら、お茶を飲む。
「あのさ、本当は持っていきたかったんだけど、これローズのお子さんにって渡しておいて欲しいんだ」とぬいぐるみの入った袋を田中さんに渡す。
「畏まりました。届けておきます」
「結月さんは?」
「そろそろお帰りになるかと思いますが……時間の流れも違うので、夕食頃かと思いますが」
「そっか!ユーリさんこれ売上とノートなんだけど。後、最後に来たガマ親分からお釣りはとっておきなさいって貰ったんだけど、聞いてからと思って封筒に入れておいた」
「貰っておけばよろしかったのに。姫に渡しておきますね」
じゃあ、先にお風呂はいってくると部屋をでて、脱いだ服をカゴに入れて温泉に向かう。
「そうですね、姫様ならそのままお肉でも食べに行きそうですが」
「だよねー」と部屋を出ると、ニコルも帰ると言ったので、車で一緒に帰ることにした。
帰宅するとすぐにムーのところに行き、様子を見る。
「ユーリさんに田中さんも!」
「奏太くん!」
と支えられながら立っている。
「凄いじゃん!」
「時間はかかりましたが、頑張るというもので……」
「ありがとう。でもムー、休憩しながらだぞ?」
「うん。ねえそれなぁに?」
「まず横になろ?」
そう言ってまた布団に横になってもらい、袋から出したブタうさぎをムーの横に置く。
「あ、かまぼこのウサギだ」
「お前いつも戦ってたから、見つけた時にムーにいいなって思って買ったんだ」
「ありがとう奏太くん!」
ガブゥーッ!
「こら、噛むものじゃないから……」
「ですが、犬とは噛むものなのでしょう?」
「そうだけど、速攻やられると悲しいかな」
「あ、これなんだけど」と、ノアとユーリに同じ箱を渡す。
その間に田中さんはお茶の用意をしてくれているようで、キッチンの方からカチャカチャと音が聞こえてくる。
「何でしょう?」
「開けてみて?」
では……と二人が開け、お互いのを見てお礼を言ってくる。
「会社の時はスーツだから使えるかなと思ったんだ。二人の髪の色に合わせたんだけど……」
「大切にします。有難うございます。ノア?」
「ずびばぜん……奏太様からこの様な頂き物など……光栄ずぎで……」
ほらとノアにティッシュを渡し、隣のリビングまで行き田中さんが入れてくれたお茶の前に座る。
「そんなに泣かなくても……」
「奏太様、それぞれのお付のものは、主から物を頂くという事はほとんど無く……」
「え?そうなの?俺悪いことしちゃったかな?」
「いえいえ、大変喜ばしい事なのです。信頼の証ですので」
そう聞いてよかったと思い、「だいじにじばず」とまだ泣いているノアに、ちょっと困った顔のユーリを見ながら、お茶を飲む。
「あのさ、本当は持っていきたかったんだけど、これローズのお子さんにって渡しておいて欲しいんだ」とぬいぐるみの入った袋を田中さんに渡す。
「畏まりました。届けておきます」
「結月さんは?」
「そろそろお帰りになるかと思いますが……時間の流れも違うので、夕食頃かと思いますが」
「そっか!ユーリさんこれ売上とノートなんだけど。後、最後に来たガマ親分からお釣りはとっておきなさいって貰ったんだけど、聞いてからと思って封筒に入れておいた」
「貰っておけばよろしかったのに。姫に渡しておきますね」
じゃあ、先にお風呂はいってくると部屋をでて、脱いだ服をカゴに入れて温泉に向かう。
0
お気に入りに追加
30
あなたにおすすめの小説
下宿屋 東風荘 5
浅井 ことは
キャラ文芸
☆.。.:*°☆.。.:*°☆.。.:*°☆.。.:*゜☆.。.:*゚☆
下宿屋を営む天狐の養子となった雪翔。
車椅子生活を送りながらも、みんなに助けられながらリハビリを続け、少しだけ掴まりながら歩けるようにまでなった。
そんな雪翔と新しい下宿屋で再開した幼馴染の航平。
彼にも何かの能力が?
そんな幼馴染に狐の養子になったことを気づかれ、一緒に狐の国に行くが、そこで思わぬハプニングが__
雪翔にのんびり学生生活は戻ってくるのか!?
☆.。.:*°☆.。.:*°☆.。.:*°☆.。.:*☆.。.:*゚☆
イラストの無断使用は固くお断りさせて頂いております。
天満堂へようこそ 7 Final
浅井 ことは
キャラ文芸
♪¨̮⑅*⋆。˚✩.*・゚
寂れた商店街の薬屋から始まり、今は全国チェーンにまで発展した天満堂だが、人でないものの薬はやはりバーの奥にある専用の薬屋へ。
全ての界がやっと落ち着き日常に戻った奏太達。
次に待ち構えるのは魔物か!それとも薬局にやってくるおば様軍団か!
ほのぼのコメディファンタジー第7弾。
※薬の材料高価買取
※症状に合わせて薬を作ります
※支払いは日本円現金のみ
※ご予約受付中 0120-×××-○○○
♪¨̮⑅*⋆。˚✩.*・゚

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
甘灯の思いつき短編集
甘灯
キャラ文芸
作者の思いつきで書き上げている短編集です。 (現在16作品を掲載しております)
※本編は現実世界が舞台になっていることがありますが、あくまで架空のお話です。フィクションとして楽しんでくださると幸いです。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
天満堂へようこそ
浅井 ことは
キャラ文芸
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆*:..
『寂れた商店街にある薬屋、天満堂。
昼夜を問わずやって来る客は、近所のおばぁちゃんから、妖怪、妖精、魔界の王子に、天界の王子まで!?
日常と非日常の境界に存在する天満堂にようこそ!しっとりほのぼのファンタジー!』
エブリスタにて。
2016年10月13日新作セレクション。
2018年9月28日SKYHIGH中間発表・優秀作品100に入りました。
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆*:..
*薬の材料高価買い取り
*秘密厳守
*お代金は日本円でお願いします。
*返品お断りいたします。
妖古書堂のグルメな店主
浅井 ことは
キャラ文芸
裏路地にある小汚い古本屋
店主はいつもテーブルに座って本を読んでいるだけ。
立ち読みにはいいかと寄ったのが運の尽き。突然「うちで働いてみませんか?」と声をかけられたのは良いものの、本の整理をするバイトだと思っていたら____
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる