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BAR TENMAN
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「待たせた……ムー?おい、嘘だろ?」
「今ノアさんの血と奏太さんの血を直接注射して心臓マッサージを」
「悪い、これルーカスの血だ。直接いれてくれないか?」
「わかりました」
ルーカスの血もいれたので各界の血は入った。
「ユーリ、ノアとルーカスを連れて作業部屋の裏にある心電図の機械から持てるだけ持ってこい!あるもの全部運んでこい。外に出せばお前らでも転送できるだろう。ユーリ強心剤も持ってこい」
「お待ちください」そう言って転移していく。
「奏太、大丈夫だ。だから泣くな!泣いたら本当にダメになる。信じてやれ!」
「う、うん」
「声をかけ続けろ。必ず届く!」
「うん……」
機械が送られてきてすぐにムーに取り付けられていく。
ユーリの持ってきた注射を打ってしばらくしてから心電図が少し動き出した。
「ムー、みんないるから大丈夫だぞ!」
そのまま声をかけ続け、少し弱々しいながらも脈が戻ってきて安心したのか眠ってしまった。
「ムーは?なんで俺寝ちゃったんだろう?」
「大丈夫だ。フレッドにも休んでもらってる。今は俺が見張り番だ。悪いと思ったがニコルも呼んだ。そこのキッチンで飯作らせてるから少し食ってこい」
「でも……」
「ムーが起きたとき、お前が倒れたら元も子もない。ムーにはお前の元気な姿見せてやれ」
「はい。ノアは?」
「今結月と薬の調合にいってる。ユーリは休憩だ。流石にあいつも働きすぎだからな」
キッチンへ行くと、ハムエッグにサラダとコーヒーにパンが焼かれておかれている。
「ごめんね、忙しいのに」
「あのバカ王子が私を頼るのは本当に困ったときです。その時は私も付き人としてちゃんとしますし、あんな顔見たことないですしね……これでも評価してるんですよ?魔界の人間はそれほど感情に左右されないので、王子も変わりました。皆さんのお陰です。食べられるだけでいいので食べてください。私に出来るのはこのぐらいのものなので」
「ありがとう」
かなり残してしまったが、半分は食べられたと思う。
すぐにムーのところに戻り、教えて貰ったように機械の数字を見る。
「前よりはよくなってる?」
「流石に俺もまた噛めとか言ったからかな?」
「え?そんなこと言ったの?」
「思い浮かばなかったんだ。こうなったらあれもこいつの愛情表現だったのかなと思うことにした!痛いが……」
「ありがとう。俺それしか言えないけど」
ピクッ
「「あ!」」
「ニコルみんなを呼んでくれ」
「了解です」
バタバタと外から足音がし、皆が入ってきた。
フレッドと結月は体温を測ったり色々しているが、まだ安静だとしか言わない。
「動いたんだ。少しだけど……」
「薬はできた。どうだフレッド?」
「今した方がいいと思いますが」
そう言って点滴の横に違う薬もいれている。
「なぁ、万能薬は?」
「今のムーにはきつい。ちゃんと入れてあるから安心しろ。体温も大分戻りつつある。しばらく私が会社とバーの方は受け持つからお前はついていろ」
「いいの?」
「お前がずっと面倒見てたんだ。最後まで一緒にいてやれ」
「最後とか言うなよ!」
「そ、たくん」
「ムー?ここにいるよ?大丈夫だから、話さなくてもいいから……」
「ぼく。さむい……」
「わかった暖めてやるから」
湯タンポを取り替えタオルで巻きムーのそばにおき毛布をかける。
「暖かくなるからな、お腹痛いか?」
「ぼく、ねむい……」
「起きたら一杯遊ぼうよ。だから今は寝てていいから、早くよくなろうな!」
「う、ん」
ピーーーーーーーーーーー
「今ノアさんの血と奏太さんの血を直接注射して心臓マッサージを」
「悪い、これルーカスの血だ。直接いれてくれないか?」
「わかりました」
ルーカスの血もいれたので各界の血は入った。
「ユーリ、ノアとルーカスを連れて作業部屋の裏にある心電図の機械から持てるだけ持ってこい!あるもの全部運んでこい。外に出せばお前らでも転送できるだろう。ユーリ強心剤も持ってこい」
「お待ちください」そう言って転移していく。
「奏太、大丈夫だ。だから泣くな!泣いたら本当にダメになる。信じてやれ!」
「う、うん」
「声をかけ続けろ。必ず届く!」
「うん……」
機械が送られてきてすぐにムーに取り付けられていく。
ユーリの持ってきた注射を打ってしばらくしてから心電図が少し動き出した。
「ムー、みんないるから大丈夫だぞ!」
そのまま声をかけ続け、少し弱々しいながらも脈が戻ってきて安心したのか眠ってしまった。
「ムーは?なんで俺寝ちゃったんだろう?」
「大丈夫だ。フレッドにも休んでもらってる。今は俺が見張り番だ。悪いと思ったがニコルも呼んだ。そこのキッチンで飯作らせてるから少し食ってこい」
「でも……」
「ムーが起きたとき、お前が倒れたら元も子もない。ムーにはお前の元気な姿見せてやれ」
「はい。ノアは?」
「今結月と薬の調合にいってる。ユーリは休憩だ。流石にあいつも働きすぎだからな」
キッチンへ行くと、ハムエッグにサラダとコーヒーにパンが焼かれておかれている。
「ごめんね、忙しいのに」
「あのバカ王子が私を頼るのは本当に困ったときです。その時は私も付き人としてちゃんとしますし、あんな顔見たことないですしね……これでも評価してるんですよ?魔界の人間はそれほど感情に左右されないので、王子も変わりました。皆さんのお陰です。食べられるだけでいいので食べてください。私に出来るのはこのぐらいのものなので」
「ありがとう」
かなり残してしまったが、半分は食べられたと思う。
すぐにムーのところに戻り、教えて貰ったように機械の数字を見る。
「前よりはよくなってる?」
「流石に俺もまた噛めとか言ったからかな?」
「え?そんなこと言ったの?」
「思い浮かばなかったんだ。こうなったらあれもこいつの愛情表現だったのかなと思うことにした!痛いが……」
「ありがとう。俺それしか言えないけど」
ピクッ
「「あ!」」
「ニコルみんなを呼んでくれ」
「了解です」
バタバタと外から足音がし、皆が入ってきた。
フレッドと結月は体温を測ったり色々しているが、まだ安静だとしか言わない。
「動いたんだ。少しだけど……」
「薬はできた。どうだフレッド?」
「今した方がいいと思いますが」
そう言って点滴の横に違う薬もいれている。
「なぁ、万能薬は?」
「今のムーにはきつい。ちゃんと入れてあるから安心しろ。体温も大分戻りつつある。しばらく私が会社とバーの方は受け持つからお前はついていろ」
「いいの?」
「お前がずっと面倒見てたんだ。最後まで一緒にいてやれ」
「最後とか言うなよ!」
「そ、たくん」
「ムー?ここにいるよ?大丈夫だから、話さなくてもいいから……」
「ぼく。さむい……」
「わかった暖めてやるから」
湯タンポを取り替えタオルで巻きムーのそばにおき毛布をかける。
「暖かくなるからな、お腹痛いか?」
「ぼく、ねむい……」
「起きたら一杯遊ぼうよ。だから今は寝てていいから、早くよくなろうな!」
「う、ん」
ピーーーーーーーーーーー
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