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BAR TENMAN
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「そんなことしません……」
「ごめんごめん。大丈夫?ルーカスさん?」
「お前手加減しろよ!馬鹿ニコル!」
「石より固い頭でしょう?なにか問題でも?」
「痛いものは痛いんだよ!」
「たん瘤にもならない頑丈な体だから出来るんです」
そんなやり取りを見ながら、オムライスを平らげてコーラのおかわりをし、続く二人のやり取りに笑って時間が過ぎていく。
チリンチリンと音がなり扉が開くと、来たときよりもげっそりしている二人が出てきた。
ふらふらしながら、ニコルに連れられて出口へと行き、出ていく。
「大丈夫なの?」
「大分とられたみたいだな。だが、やつらの神経毒は良い薬にもなるし、売りに来るやつは殆どいないから貴重な材料になる」
「そうなんだ……」
「これからは奏太様も関わりになる相手です。よく覚えておかれると良いかと。何かある前に私がお守りしますので」
「けなげだねー。ニコルお前も「嫌です!」
そう言うと思ったと項垂れていると、中から二人が出てきた。
「なんだ?お前らだけうまいもん食いやがって!ニコル、後二人分頼む」
「はい、ユーリ様も同じでいいですか?」
「ええ。あなたの料理は美味しいですから」
「あのさ、気になったんだけど。それぞれお付きがいるわけじゃん」
「それがどうかしたか?」
「例えばだけどさ、ニコルさんに俺が『ニコルコーラ出せ』とかって命令したら聞いてくれるの?」
「そうだ。王族間では各界関係なく言うことは聞いてくれる。主の命令が優先だが。だから、奏太もユーリと呼べば良いし、ルーカスのようにふんぞり返っていれば良い」
「お前だろ?なんで今日は俺ばかりなんだよ!」
「一応様とつけて話しているでしょう?バカ王子!」
「それだよそれ!忠実感がさ……」
「補佐はやってます。文句があるなら素直な奏太様にお付きしたいぐらいで……って何なさってるんですかあなたは!」
「え?サラダ作ってる。ツナ缶使ったらダメだった?」
「いえ、王子にそのような……」
「ニコル、好きにさせてやってくれ。さっきみたいに普通にしてやってくれると有り難い」
「わ、わかりました」
「ねぇ、これで良い?トマトとかキュウリとか」
「上出来です。バカ王子は何もできませんから」
「じゃぁ、お姉様サラダでございます」とふざけて出す。
顔を最大限に赤らめながら、馬鹿かお前はと言われるが最近この反応が楽しくて仕方ない。
「そうだ、来客中はなるべくデスクから動くな。ノアが守りにくくなる。今来た客は定期的に来るからなるべく私が対応するが、酷いときは一週間に一回来る」
「そんなに?」
「時期にも寄るがな。電話は会社の方とも繋がってるから、緊急のときはニコルに言え。ここはニコルに任せてあるし、夜中は色々来るからな」
「うん……」
「ごめんごめん。大丈夫?ルーカスさん?」
「お前手加減しろよ!馬鹿ニコル!」
「石より固い頭でしょう?なにか問題でも?」
「痛いものは痛いんだよ!」
「たん瘤にもならない頑丈な体だから出来るんです」
そんなやり取りを見ながら、オムライスを平らげてコーラのおかわりをし、続く二人のやり取りに笑って時間が過ぎていく。
チリンチリンと音がなり扉が開くと、来たときよりもげっそりしている二人が出てきた。
ふらふらしながら、ニコルに連れられて出口へと行き、出ていく。
「大丈夫なの?」
「大分とられたみたいだな。だが、やつらの神経毒は良い薬にもなるし、売りに来るやつは殆どいないから貴重な材料になる」
「そうなんだ……」
「これからは奏太様も関わりになる相手です。よく覚えておかれると良いかと。何かある前に私がお守りしますので」
「けなげだねー。ニコルお前も「嫌です!」
そう言うと思ったと項垂れていると、中から二人が出てきた。
「なんだ?お前らだけうまいもん食いやがって!ニコル、後二人分頼む」
「はい、ユーリ様も同じでいいですか?」
「ええ。あなたの料理は美味しいですから」
「あのさ、気になったんだけど。それぞれお付きがいるわけじゃん」
「それがどうかしたか?」
「例えばだけどさ、ニコルさんに俺が『ニコルコーラ出せ』とかって命令したら聞いてくれるの?」
「そうだ。王族間では各界関係なく言うことは聞いてくれる。主の命令が優先だが。だから、奏太もユーリと呼べば良いし、ルーカスのようにふんぞり返っていれば良い」
「お前だろ?なんで今日は俺ばかりなんだよ!」
「一応様とつけて話しているでしょう?バカ王子!」
「それだよそれ!忠実感がさ……」
「補佐はやってます。文句があるなら素直な奏太様にお付きしたいぐらいで……って何なさってるんですかあなたは!」
「え?サラダ作ってる。ツナ缶使ったらダメだった?」
「いえ、王子にそのような……」
「ニコル、好きにさせてやってくれ。さっきみたいに普通にしてやってくれると有り難い」
「わ、わかりました」
「ねぇ、これで良い?トマトとかキュウリとか」
「上出来です。バカ王子は何もできませんから」
「じゃぁ、お姉様サラダでございます」とふざけて出す。
顔を最大限に赤らめながら、馬鹿かお前はと言われるが最近この反応が楽しくて仕方ない。
「そうだ、来客中はなるべくデスクから動くな。ノアが守りにくくなる。今来た客は定期的に来るからなるべく私が対応するが、酷いときは一週間に一回来る」
「そんなに?」
「時期にも寄るがな。電話は会社の方とも繋がってるから、緊急のときはニコルに言え。ここはニコルに任せてあるし、夜中は色々来るからな」
「うん……」
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