天満堂へようこそ 3

浅井 ことは

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変化

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男が入ってきて直ぐに大声で叫んでいたが、その隙に部屋からでて入ってきた裏口に向かい、道路に出るまで走り続けた。
後ろを振り向いても誰もいなかったので、そのまま走っていたときに、結月たちが反対の道路から出てきた。

「奏太!」

「え?あれ?もう見えてるの?」

「ムーか?」

「うん、お腹に何か刺されてて、どうしたらいいかわかんなかったから……」

「あの家か?」と指差され、そうだと言うと、全員結月の術で転移させられた。

「どこ?」

「屋敷の裏にある使用人宿舎の離れです」

「ちょっとまってよ、ユーリさん!ムー怪我してるんだよ?」

「だからこそです。我々がついたときには、物凄い魔力が放たれてましたから近付くのをやめたのです。少し落ち着いてその腕ももとに戻していただかないと」

言われて初めて腕と足が変化していることに気づく。
でも、どのようにして戻していいのかが分からない。

「奏太、落ち着けばそのうちもとに戻る。ここは全てを遮断する結界が張ってある。隣でコーヒーでも飲んで落ち着いていろ」

「でもムーは?」

「大丈夫だ。たまには私を信用しろ!ノア連れていけ!」

「奏太様こちらに」と扉を開けられたのでそのままはいる。

中には簡易キッチンとベッドのみ。
ノアがコーヒーをいれてくれるが、隣が気になってしかたがない。

「姫様が何とかしてくれます」

キャウンキャウンと鳴き声だけが聞こえ、つい扉を開けて後悔する。

手術中だったのか、ムーのお腹が開かれている。

「あ、ごめん」

「ただ反応して鳴いてるだけだ、突っ立てるならローズの旦那連れてこい」

「え?うん、わかった。ノア行こう」

「わかりました。ご自宅まで案内致します」

「連れてくるときに、この紙に書いてあるものを持ってきてくれと言ってくれ」

「でもここ薬屋……」

「今私が動いたらムーは死ぬ」

紙を受けとりノアに先に行ってもらい後に続く。

表玄関から出てすぐ、会社に行くときに通った道を走り、1つめを曲がったらかなり大きいとは言えないぐらい大きな宮殿のような建物があり、とりあえず入り口のブザーをならして用件を伝えると、すぐにローズの旦那さんのフレッドが出てきた。

「渡された紙に書いてある薬は揃えられたのですが、私もですか?」

「お願いします」と頭を下げる。

「みんなで持てば軽いと思うので走っていきましょうか?」

「僕も行くー。ムー君と遊べるー?」
と小さな犬が出てきたので、ムーは病気だから元気になったら遊んであげてと声をかけ、急いで自宅まで行く。
遅い!と怒られたが、また隣の部屋に入れられ、フレッドは手伝わされるのか着替えさせられている。
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