天満堂へようこそ 3

変化

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短縮のところに、作業部屋の名前が書かれていたので押すと、電話の機械音がなる。

「何だ？」

「お、繋がった！あのさ、俺って何か権限みたいなのってある？」

「お前がいいと思うようにしろ。お前が決めたことには誰も口は出さんように根回しはしてある」

「好きにしていいの？」

「お前のが人間界、特に今の時代に詳しいからな。社長権限で一任する。ユーリに後で書類と幹部共に通達を出すがどうした？」

「鍋あるのにさ、お玉とか無いじゃん。それもセットにして、別売りで単品で買えた方が主婦は買いやすいと思って。思いつきだけど、俺一人長かったからさ」

「そのまま企画に通せ。関わるなら最後までしろよ」

「ありがとう……姉さん？結月さん？」

「どっちでも良いわ！」と電話を切られてしまった。

「聞いてたんでしょ？付き合ってよ」

そう言い、ソファの所にカタログを並べる。

「聞いてると思うけどさ、俺どうやって600年もこっちにいたのか分からないんだけど、いまのここの記憶はあるんだ。主婦ってさ、安くて買い直しが常にできたら、ロングヒットになると思うんだよ。で、色もいいし若い主婦とか、この鍋で圧力鍋とかさ……」

「本日の予定を少し変えてもよろしいですか？」

「良いけど……」

「販売部と企画部、主要な者を集めます」

「今から？」

「いえ、15時に会議室で。それまでに提案書を纏めますので、思いつくまま仰ってください」

「俺、パソコン打つの遅いよ？」

「私がしますので」

「どこで覚えたのさ」

「こちらに来てすぐに。さ、どうぞ」

「さっき言ったやつからして。まだカタログみたいから」

そう言い、残りのカタログを見ていく。

その後、すぐにチームが組まれ、カタログに載っていないお玉、フライ返しにパスタトング、お鍋のサイズに合わせての野菜蒸し器、圧力鍋等鍋の色にあわせて作ることになり、単品とセットでの販売も検討されることになった。

カタログも新しくせねばならなかったが、まずはデパートなどでどの程度の売れ行きがあるのかに併せてネット販売も検討することになった。

「お疲れ様でした。初日で幹部に了承させるとは、姫様よりも経営の方に向いてらっしゃるのでは？」

「そんな事ないよ。無かったのが今までおかしかったくらいだよ？みんな、セットで買っても買い替えがなかったら、違う商品に行っちゃうからさ。あ……カレーポットも入れておくんだった……お皿のセット出す時でいいかな？」

「思いつくままに考えられたらいいと思いますが」

「うん。みんな来るの早かったから、お腹すいたよ。社員食堂やってるかな？」と時計を見ると、昼の2時。