33 / 40
式典
.
しおりを挟む
あと少し、あと少しと思っていたが、真面目に働く結月に、もうしばらく休んでいていいと言われたので、久しぶりに車でドッグランへみんなを連れていき、遊ばせている間にジョギングをする。
「あー!体がなまった!一周がキツい」
スポーツドリンクを飲みながら、ムー達が遊んでいるのを見て、あいつら元気だなー。等とつい言ってしまう。
「奏太様。ブランなのですが……」
「何かあった?」
「鳩に間違われて、小さな子達に餌をまかれてます……」
「どうしてる?」
「ノリノリでつついて食べてますが……」
「確かにそう見えるもんなぁ。怖がってなかったらそのままでいいよ。ブランも強くなったんだよきっと」
お昼の時にはブランはお腹いっぱいと言って食べられず、ムーとスフィはワンチャンランチをがっついて食べている。
「僕もあんなに食べなきゃ食べられたのに……」
「仕方ないよ。夕飯でジャガイモ蒸してもらってあげるから」
「オイモ!」
「芋好きだよなぁ。ブランてあんまりお肉食べないよね?」
「クキョッ?お肉も食べるけど……あんまり好きじゃないかも。食べないこともないんだけど……魚さんが好き!」
「そうなんだ。魚かぁ……もっと食べたいものとか言ってもいいんだぞ?」
「うん。でもムー君はお肉が好きだから」
「居る人に頼んだらいいってば。スフィも肉じゃない?」
「スフィ君は色々たべてるよ?好き嫌いないみたい」
「俺見たことないからなぁ」
「それとね、魔界に行った時のことなんだけど」
「ん?」
「僕の兄弟にあったんだ。みんなやっぱり体が大きくって荷物もいっぱい持ってて凄かった」
「魔界にも来てたんだ。何か話したのか?」
「うん……。幻界からの荷物を持ってきてるって言ってた。でも、ルーカス様が一緒だったからそんなに話は出来てないかな?」
「でも会えてよかったじゃん。商人の人とどこかに行ってたら会えなかったじゃん」
「そうだよね。うん、よかったと思うことにするね」
久しぶりにブランと一緒に話が出来て、良かったと思いながら、みんなで車で家に帰ってすぐに、もう無理だ!!!と結月が戻ってきた。
「奏太お前いるならいるで手伝え!」
「絶対に嫌だ!」
「一人で会社もバーもって疲れるんだぞ?」
「それ、いつも俺してるからね?ニコルさんとノアが居るからって仕事が減らないわけないんだからさ」
「分かってるが……ほら、私もか弱い女だからな……」
誰がか弱いんだ!最強じゃんと言うのはやめにして置いて、明日からの予定を一応聞いておく。
「奏太がバーに行ってくれ。後から私も行く。会社はまだやってることがあるから私でいい」
「さっきまで文句言ってたのに……」
「夜まで一回寝るから、起こしてくれと田中に言っておいてくれ」
「了解」
珍しいこともあるものだと階段を登りながら『竜の鱗に干しとかげ~万能薬にふわふわわたげぇ~』
と、変な歌を歌いながら登って行くのを見ると、少しでもまじめにやっているのをほめるのが嫌になってしまう。
「あー!体がなまった!一周がキツい」
スポーツドリンクを飲みながら、ムー達が遊んでいるのを見て、あいつら元気だなー。等とつい言ってしまう。
「奏太様。ブランなのですが……」
「何かあった?」
「鳩に間違われて、小さな子達に餌をまかれてます……」
「どうしてる?」
「ノリノリでつついて食べてますが……」
「確かにそう見えるもんなぁ。怖がってなかったらそのままでいいよ。ブランも強くなったんだよきっと」
お昼の時にはブランはお腹いっぱいと言って食べられず、ムーとスフィはワンチャンランチをがっついて食べている。
「僕もあんなに食べなきゃ食べられたのに……」
「仕方ないよ。夕飯でジャガイモ蒸してもらってあげるから」
「オイモ!」
「芋好きだよなぁ。ブランてあんまりお肉食べないよね?」
「クキョッ?お肉も食べるけど……あんまり好きじゃないかも。食べないこともないんだけど……魚さんが好き!」
「そうなんだ。魚かぁ……もっと食べたいものとか言ってもいいんだぞ?」
「うん。でもムー君はお肉が好きだから」
「居る人に頼んだらいいってば。スフィも肉じゃない?」
「スフィ君は色々たべてるよ?好き嫌いないみたい」
「俺見たことないからなぁ」
「それとね、魔界に行った時のことなんだけど」
「ん?」
「僕の兄弟にあったんだ。みんなやっぱり体が大きくって荷物もいっぱい持ってて凄かった」
「魔界にも来てたんだ。何か話したのか?」
「うん……。幻界からの荷物を持ってきてるって言ってた。でも、ルーカス様が一緒だったからそんなに話は出来てないかな?」
「でも会えてよかったじゃん。商人の人とどこかに行ってたら会えなかったじゃん」
「そうだよね。うん、よかったと思うことにするね」
久しぶりにブランと一緒に話が出来て、良かったと思いながら、みんなで車で家に帰ってすぐに、もう無理だ!!!と結月が戻ってきた。
「奏太お前いるならいるで手伝え!」
「絶対に嫌だ!」
「一人で会社もバーもって疲れるんだぞ?」
「それ、いつも俺してるからね?ニコルさんとノアが居るからって仕事が減らないわけないんだからさ」
「分かってるが……ほら、私もか弱い女だからな……」
誰がか弱いんだ!最強じゃんと言うのはやめにして置いて、明日からの予定を一応聞いておく。
「奏太がバーに行ってくれ。後から私も行く。会社はまだやってることがあるから私でいい」
「さっきまで文句言ってたのに……」
「夜まで一回寝るから、起こしてくれと田中に言っておいてくれ」
「了解」
珍しいこともあるものだと階段を登りながら『竜の鱗に干しとかげ~万能薬にふわふわわたげぇ~』
と、変な歌を歌いながら登って行くのを見ると、少しでもまじめにやっているのをほめるのが嫌になってしまう。
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
婚約者に忘れられていた私
稲垣桜
恋愛
「やっぱり帰ってきてた」
「そのようだね。あれが問題の彼女?アシュリーの方が綺麗なのにな」
私は夜会の会場で、間違うことなく自身の婚約者が、栗毛の令嬢を愛しそうな瞳で見つめながら腰を抱き寄せて、それはそれは親しそうに見つめ合ってダンスをする姿を視線の先にとらえていた。
エスコートを申し出てくれた令息は私の横に立って、そんな冗談を口にしながら二人に視線を向けていた。
ここはベイモント侯爵家の夜会の会場。
私はとある方から国境の騎士団に所属している婚約者が『もう二か月前に帰ってきてる』という話を聞いて、ちょっとは驚いたけど「やっぱりか」と思った。
あれだけ出し続けた手紙の返事がないんだもん。そう思っても仕方ないよでしょ?
まあ、帰ってきているのはいいけど、女も一緒?
誰?
あれ?
せめて婚約者の私に『もうすぐ戻れる』とか、『もう帰ってきた』の一言ぐらいあってもいいんじゃない?
もうあなたなんてポイよポイッ。
※ゆる~い設定です。
※ご都合主義です。そんなものかと思ってください。
※視点が一話一話変わる場面もあります。
6年後に戦地から帰ってきた夫が連れてきたのは妻という女だった
白雲八鈴
恋愛
私はウォルス侯爵家に15歳の時に嫁ぎ婚姻後、直ぐに夫は魔王討伐隊に出兵しました。6年後、戦地から夫が帰って来ました、妻という女を連れて。
もういいですか。私はただ好きな物を作って生きていいですか。この国になんて出ていってやる。
ただ、皆に喜ばれる物を作って生きたいと願う女性がその才能に目を付けられ周りに翻弄されていく。彼女は自由に物を作れる道を歩むことが出来るのでしょうか。
番外編
謎の少女強襲編
彼女が作り出した物は意外な形で人々を苦しめていた事を知り、彼女は再び帝国の地を踏むこととなる。
私が成した事への清算に行きましょう。
炎国への旅路編
望んでいた炎国への旅行に行く事が出来ない日々を送っていたが、色々な人々の手を借りながら炎国のにたどり着くも、そこにも帝国の影が・・・。
え?なんで私に誰も教えてくれなかったの?そこ大事ー!
*本編は完結済みです。
*誤字脱字は程々にあります。
*なろう様にも投稿させていただいております。
【完結】選ばれなかった王女は、手紙を残して消えることにした。
曽根原ツタ
恋愛
「お姉様、私はヴィンス様と愛し合っているの。だから邪魔者は――消えてくれない?」
「分かったわ」
「えっ……」
男が生まれない王家の第一王女ノルティマは、次の女王になるべく全てを犠牲にして教育を受けていた。
毎日奴隷のように働かされた挙句、将来王配として彼女を支えるはずだった婚約者ヴィンスは──妹と想いあっていた。
裏切りを知ったノルティマは、手紙を残して王宮を去ることに。
何もかも諦めて、崖から湖に飛び降りたとき──救いの手を差し伸べる男が現れて……?
★小説家になろう様で先行更新中
婚約破棄とか言って早々に私の荷物をまとめて実家に送りつけているけど、その中にあなたが明日国王に謁見する時に必要な書類も混じっているのですが
マリー
恋愛
寝食を忘れるほど研究にのめり込む婚約者に惹かれてかいがいしく食事の準備や仕事の手伝いをしていたのに、ある日帰ったら「母親みたいに世話を焼いてくるお前にはうんざりだ!荷物をまとめておいてやったから明日の朝一番で出て行け!」ですって?
まあ、癇癪を起こすのはいいですけれど(よくはない)あなたがまとめてうちの実家に郵送したっていうその荷物の中、送っちゃいけないもの入ってましたよ?
※またも小説の練習で書いてみました。よろしくお願いします。
※すみません、婚約破棄タグを使っていましたが、書いてるうちに内容にそぐわないことに気づいたのでちょっと変えました。果たして婚約破棄するのかしないのか?を楽しんでいただく話になりそうです。正当派の婚約破棄ものにはならないと思います。期待して読んでくださった方申し訳ございません。
婚約破棄をされ、父に追放まで言われた私は、むしろ喜んで出て行きます! ~家を出る時に一緒に来てくれた執事の溺愛が始まりました~
ゆうき@初書籍化作品発売中
恋愛
男爵家の次女として生まれたシエルは、姉と妹に比べて平凡だからという理由で、父親や姉妹からバカにされ、虐げられる生活を送っていた。
そんな生活に嫌気がさしたシエルは、とある計画を考えつく。それは、婚約者に社交界で婚約を破棄してもらい、その責任を取って家を出て、自由を手に入れるというものだった。
シエルの専属の執事であるラルフや、幼い頃から実の兄のように親しくしてくれていた婚約者の協力の元、シエルは無事に婚約を破棄され、父親に見捨てられて家を出ることになった。
ラルフも一緒に来てくれることとなり、これで念願の自由を手に入れたシエル。しかし、シエルにはどこにも行くあてはなかった。
それをラルフに伝えると、隣の国にあるラルフの故郷に行こうと提案される。
それを承諾したシエルは、これからの自由で幸せな日々を手に入れられると胸を躍らせていたが、その幸せは家族によって邪魔をされてしまう。
なんと、家族はシエルとラルフを広大な湖に捨て、自らの手を汚さずに二人を亡き者にしようとしていた――
☆誤字脱字が多いですが、見つけ次第直しますのでご了承ください☆
☆全文字はだいたい14万文字になっています☆
☆完結まで予約済みなので、エタることはありません!☆
【完結】側妃は愛されるのをやめました
なか
恋愛
「君ではなく、彼女を正妃とする」
私は、貴方のためにこの国へと貢献してきた自負がある。
なのに……彼は。
「だが僕は、ラテシアを見捨てはしない。これから君には側妃になってもらうよ」
私のため。
そんな建前で……側妃へと下げる宣言をするのだ。
このような侮辱、恥を受けてなお……正妃を求めて抗議するか?
否。
そのような恥を晒す気は無い。
「承知いたしました。セリム陛下……私は側妃を受け入れます」
側妃を受けいれた私は、呼吸を挟まずに言葉を続ける。
今しがた決めた、たった一つの決意を込めて。
「ですが陛下。私はもう貴方を支える気はありません」
これから私は、『捨てられた妃』という汚名でなく、彼を『捨てた妃』となるために。
華々しく、私の人生を謳歌しよう。
全ては、廃妃となるために。
◇◇◇
設定はゆるめです。
読んでくださると嬉しいです!
七年間の婚約は今日で終わりを迎えます
hana
恋愛
公爵令嬢エミリアが十歳の時、第三王子であるロイとの婚約が決まった。しかし婚約者としての生活に、エミリアは不満を覚える毎日を過ごしていた。そんな折、エミリアは夜会にて王子から婚約破棄を宣言される。
旦那様は妻の私より幼馴染の方が大切なようです
雨野六月(まるめろ)
恋愛
「彼女はアンジェラ、私にとっては妹のようなものなんだ。妻となる君もどうか彼女と仲良くしてほしい」
セシリアが嫁いだ先には夫ラルフの「大切な幼馴染」アンジェラが同居していた。アンジェラは義母の友人の娘であり、身寄りがないため幼いころから侯爵邸に同居しているのだという。
ラルフは何かにつけてセシリアよりもアンジェラを優先し、少しでも不満を漏らすと我が儘な女だと責め立てる。
ついに我慢の限界をおぼえたセシリアは、ある行動に出る。
(※4月に投稿した同タイトル作品の長編版になります。序盤の展開は短編版とあまり変わりませんが、途中からの展開が大きく異なります)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる