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式典

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あと少し、あと少しと思っていたが、真面目に働く結月に、もうしばらく休んでいていいと言われたので、久しぶりに車でドッグランへみんなを連れていき、遊ばせている間にジョギングをする。

「あー!体がなまった!一周がキツい」

スポーツドリンクを飲みながら、ムー達が遊んでいるのを見て、あいつら元気だなー。等とつい言ってしまう。

「奏太様。ブランなのですが……」

「何かあった?」

「鳩に間違われて、小さな子達に餌をまかれてます……」

「どうしてる?」

「ノリノリでつついて食べてますが……」

「確かにそう見えるもんなぁ。怖がってなかったらそのままでいいよ。ブランも強くなったんだよきっと」

お昼の時にはブランはお腹いっぱいと言って食べられず、ムーとスフィはワンチャンランチをがっついて食べている。

「僕もあんなに食べなきゃ食べられたのに……」

「仕方ないよ。夕飯でジャガイモ蒸してもらってあげるから」

「オイモ!」

「芋好きだよなぁ。ブランてあんまりお肉食べないよね?」

「クキョッ?お肉も食べるけど……あんまり好きじゃないかも。食べないこともないんだけど……魚さんが好き!」

「そうなんだ。魚かぁ……もっと食べたいものとか言ってもいいんだぞ?」

「うん。でもムー君はお肉が好きだから」

「居る人に頼んだらいいってば。スフィも肉じゃない?」

「スフィ君は色々たべてるよ?好き嫌いないみたい」

「俺見たことないからなぁ」

「それとね、魔界に行った時のことなんだけど」

「ん?」

「僕の兄弟にあったんだ。みんなやっぱり体が大きくって荷物もいっぱい持ってて凄かった」

「魔界にも来てたんだ。何か話したのか?」

「うん……。幻界からの荷物を持ってきてるって言ってた。でも、ルーカス様が一緒だったからそんなに話は出来てないかな?」

「でも会えてよかったじゃん。商人の人とどこかに行ってたら会えなかったじゃん」

「そうだよね。うん、よかったと思うことにするね」

久しぶりにブランと一緒に話が出来て、良かったと思いながら、みんなで車で家に帰ってすぐに、もう無理だ!!!と結月が戻ってきた。

「奏太お前いるならいるで手伝え!」

「絶対に嫌だ!」

「一人で会社もバーもって疲れるんだぞ?」

「それ、いつも俺してるからね?ニコルさんとノアが居るからって仕事が減らないわけないんだからさ」

「分かってるが……ほら、私もか弱い女だからな……」

誰がか弱いんだ!最強じゃんと言うのはやめにして置いて、明日からの予定を一応聞いておく。

「奏太がバーに行ってくれ。後から私も行く。会社はまだやってることがあるから私でいい」

「さっきまで文句言ってたのに……」

「夜まで一回寝るから、起こしてくれと田中に言っておいてくれ」

「了解」

珍しいこともあるものだと階段を登りながら『竜の鱗に干しとかげ~万能薬にふわふわわたげぇ~』

と、変な歌を歌いながら登って行くのを見ると、少しでもまじめにやっているのをほめるのが嫌になってしまう。
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