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式典
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起こしてもらってからは夕飯を食べのんびりお風呂に入り、ムー達と一緒に庭で遊んでから、また昼寝をする。そんな日が続いた。
「よう!」
「あ、ルーカスさんおかえり」
「土産あるぞ」
「お土産?」
「魔界名物マグマ卵」
「温泉卵じゃないんだから……」
「それに似たようなものだ。かなり離れた場所でも出来るから、一般的によく食べられてるものだ」
「そうなんだ。後でもらうね。それよりもさ、結月さんが文句を言わずに会社行ってるんだけど」
「嘘だろ?あのサボリ魔がか?」
「そう、大人しいと気持ち悪いんだけどね」
「今のうちに休んでおけ。お前は働きすぎだ」
「自分でも頑張ったなーって思うことがあるよ」
「ニコルはもう少し向こうで過ごさせる。赤ん坊が可愛くて仕方ないみたいだしな」
「でも、エールラさんはいいの?」
「何がだ?」
「好きなんでしょ?」
そういうといつもと違って顔をタコのように真っ赤にさせて、何やらブツブツいいながら逃げた。
「に、逃げた……」
「相当姉にぞっこんのようですね……」
「ノア!居たなら居るって言ってよね」
「奏太様がまさかあんなストレートにお聞きするとは思いませんでした」
「さすがの俺もじれったいなぁって思って。あの調子じゃ、態度と言葉が偉っそうでも、何も言ってないよね」
「そうだと思います。姉は引っ張っていってくれて、でも甘えたがりの部分もある人がいいと言ってましたし、好みもドストライクなんです。口で言う割には奥手ですが、奥手同士どのように付き合うのでしょうねぇ……先は長そうです」
「くっつけちゃえばいいのに」
「本人達に任せます。マグマ卵頂きます?」
「うん、お茶にしようかな」
ノアに準備してもらい、卵を割って剥くと、温泉卵ではないからか、キレイな白身が出てきた。
「これ、なんの卵なんだろう?」
「普通にこちらの鶏と変わらないと思います。名前は違いますが、卵を産むので村ではよく飼われていますね」
思っていたよりも、臭みも何もなく普通にゆで卵。ただマグマ付近で蒸された卵っぽいが、味とかは普通だった。
「以外だね。もっと、殻を剥いたら変な……色って言うかさ、魔界の食べ物だから想像してたんだよ。普通すぎて返って怖い」
「奏太様の魔界イメージがどんどん良い方に崩れていきますね」
「まぁね。みんな角とか生えてると思ってたし、襲ってくると思ってたし……それに、もっと怖い種族なのかと思ったら全然普通。街にいる人もほかの人と変わらないもんね」
「お茶、入れ直しましょうか?」
「いい、ご馳走様。ちょっと庭見てから、まただらけよう……暇だけど、今は寝れる時に寝ておきたい感じ」
「少し寝すぎでは?」
「寝ても寝ても寝足りない感じがするんだ。ムーたちもいつも寝てるでしょ?今なら気持ちがわかる」
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