28 / 40
城
.
しおりを挟む
「俺仕事人間みたい……」
「まだ、出来たばかりですから改善はしていかないといけないと思いますよ?」
「分かってる」
天王を探して庭に出ると、中庭で妖精達と話していたので、庭妖精に挨拶をする。
「こんにちは」
「こんにちは、私達のすみかを荒らさないでくれてありがとうございます。これからもたくさんのお花をお城にお届けします」
「ありがとう、楽しみにしてるね」
「奏太、お触れじゃが……」
「それなんだけど、みんなが直答がどうのこうの言うのめんどくさいから、それ廃止!後ひれ伏すのもやだ」
「ベランダに立って、拡声魔法で民に伝えるのが習わしじゃが……」
「それでいいなら自分で言うよ?何も投げられないかな?」
「ここはお前の管轄地じゃ。投げつける者は即座に牢屋行きじゃ」
「そこまでしなくても……」
「民が許さんじゃろう?」
「それとさ、来てすぐで悪いんだけど、夜宿屋に泊まりたいんだ。俺約束してて……」
「あの連れてきた家族とやらのか?」
「うん、小さい女の子と約束したからさ……」
「行ってきなさい。約束を守ることもとても大切な事じゃ。じゃが、明日からはお触れのこともあるし、ちょっとだけ忙しいぞ?」「わかった。大臣たちに言っておいて!行ってきます」
ノアを連れて宿屋に行き、久しぶりと言うと、奥から女の子が出てきて、学校に行っていると聞かされた。
「本当にありがとうございます。学校と言っても保育園というところで、絵本などで読み書きも覚えてきました。王子様方のおかげです」
「この子の努力だよ。一晩ここに泊まりたいんだけど」
「どうぞ、歓迎いたします」
「主人、料金はいくらにされてますか?まさか縁羽三本で1500ではないですよね?」
「朝晩ついて、馬込みで3000天通貨としてます。高いと思うのですが、王室御用達もいただきましたし、草原の民からチーズも安く分けてもらえてるので助かっています」
「3500でいいと思います。今ならまだ値段もかえれるでしょう?」
「ほかの宿は5000の所もありますが、うちは2人でしてますので行き届かないこともありますし」
「いいじゃん、3500で。ノア……」
ノアが表に出て、パチンと指を鳴らすと、看板は羽が光るようになり、今王子が来ていることを指す色に変え、紙には従業員募集1名。本日のみ面接可と貼られ、店主はオロオロとし始めた。
「ノア、面接よろしく!カウンターの料金表も頼むね」
すると、看板が光ったのが周りに伝わったのか、まず高級チーズが届けられ、面接をお願いしますと人が殺到したので、女性のみと書き加え、ノアが基準を満たしているか判断し面接を行うことになった。
「王子様、これは流石に……」
「確か、月の平均的なお給料が6万じゃなかったっけ?」
「街で雇われているものははそうですが」
「ここはいい宿だから、8万を固定給にすれば、3500の15部屋で元は取れるよ?」
「取れすぎです」
「二号店、三号店と出してもいいし、別で家を買ってもいいじゃん。ここにずっと住んでてもいいけど、三人雇ってローテーションで夜勤もさせれば、家族でいる時間も増えるよ?」
「たしかに寂しい思いをさせてるとは思ってます。でも、そうするとシェフ一人と夜勤の出来るもの二人となりますし。してくださる方がいるでしょうか?」
ノアに念話を送っておいて、「男性のが夜はいいよね」と話しているうちに、ノアが部屋から出て表から三人連れてくる。
「早っ!」
「店主、この方の腕前を見て頂けませんか?シェフ希望……ですよね?」
「は、はい。煮込み料理が得意です!」
「見てあげてよ」
「こちらの女性と男性に確認したところ、夜勤は可能、近くのアパートに住んでいるそうです。家賃が高めなのですぐにでも仕事が欲しいそうです。奥様、いかがなさいますか?」
「わ、私ですか!?」
「高層のアパートなら家賃いくら?」
「平均4.5万と言ったところでしょうか」
「物価は?」
「安定しておりますよ?」
「月10~12でどう?それでも儲けはあるし。ここは忙しいから、夜勤なら夜勤手当つけないと」
「まだ、出来たばかりですから改善はしていかないといけないと思いますよ?」
「分かってる」
天王を探して庭に出ると、中庭で妖精達と話していたので、庭妖精に挨拶をする。
「こんにちは」
「こんにちは、私達のすみかを荒らさないでくれてありがとうございます。これからもたくさんのお花をお城にお届けします」
「ありがとう、楽しみにしてるね」
「奏太、お触れじゃが……」
「それなんだけど、みんなが直答がどうのこうの言うのめんどくさいから、それ廃止!後ひれ伏すのもやだ」
「ベランダに立って、拡声魔法で民に伝えるのが習わしじゃが……」
「それでいいなら自分で言うよ?何も投げられないかな?」
「ここはお前の管轄地じゃ。投げつける者は即座に牢屋行きじゃ」
「そこまでしなくても……」
「民が許さんじゃろう?」
「それとさ、来てすぐで悪いんだけど、夜宿屋に泊まりたいんだ。俺約束してて……」
「あの連れてきた家族とやらのか?」
「うん、小さい女の子と約束したからさ……」
「行ってきなさい。約束を守ることもとても大切な事じゃ。じゃが、明日からはお触れのこともあるし、ちょっとだけ忙しいぞ?」「わかった。大臣たちに言っておいて!行ってきます」
ノアを連れて宿屋に行き、久しぶりと言うと、奥から女の子が出てきて、学校に行っていると聞かされた。
「本当にありがとうございます。学校と言っても保育園というところで、絵本などで読み書きも覚えてきました。王子様方のおかげです」
「この子の努力だよ。一晩ここに泊まりたいんだけど」
「どうぞ、歓迎いたします」
「主人、料金はいくらにされてますか?まさか縁羽三本で1500ではないですよね?」
「朝晩ついて、馬込みで3000天通貨としてます。高いと思うのですが、王室御用達もいただきましたし、草原の民からチーズも安く分けてもらえてるので助かっています」
「3500でいいと思います。今ならまだ値段もかえれるでしょう?」
「ほかの宿は5000の所もありますが、うちは2人でしてますので行き届かないこともありますし」
「いいじゃん、3500で。ノア……」
ノアが表に出て、パチンと指を鳴らすと、看板は羽が光るようになり、今王子が来ていることを指す色に変え、紙には従業員募集1名。本日のみ面接可と貼られ、店主はオロオロとし始めた。
「ノア、面接よろしく!カウンターの料金表も頼むね」
すると、看板が光ったのが周りに伝わったのか、まず高級チーズが届けられ、面接をお願いしますと人が殺到したので、女性のみと書き加え、ノアが基準を満たしているか判断し面接を行うことになった。
「王子様、これは流石に……」
「確か、月の平均的なお給料が6万じゃなかったっけ?」
「街で雇われているものははそうですが」
「ここはいい宿だから、8万を固定給にすれば、3500の15部屋で元は取れるよ?」
「取れすぎです」
「二号店、三号店と出してもいいし、別で家を買ってもいいじゃん。ここにずっと住んでてもいいけど、三人雇ってローテーションで夜勤もさせれば、家族でいる時間も増えるよ?」
「たしかに寂しい思いをさせてるとは思ってます。でも、そうするとシェフ一人と夜勤の出来るもの二人となりますし。してくださる方がいるでしょうか?」
ノアに念話を送っておいて、「男性のが夜はいいよね」と話しているうちに、ノアが部屋から出て表から三人連れてくる。
「早っ!」
「店主、この方の腕前を見て頂けませんか?シェフ希望……ですよね?」
「は、はい。煮込み料理が得意です!」
「見てあげてよ」
「こちらの女性と男性に確認したところ、夜勤は可能、近くのアパートに住んでいるそうです。家賃が高めなのですぐにでも仕事が欲しいそうです。奥様、いかがなさいますか?」
「わ、私ですか!?」
「高層のアパートなら家賃いくら?」
「平均4.5万と言ったところでしょうか」
「物価は?」
「安定しておりますよ?」
「月10~12でどう?それでも儲けはあるし。ここは忙しいから、夜勤なら夜勤手当つけないと」
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
あやかし雑草カフェ社員寮 ~社長、離婚してくださいっ!~
菱沼あゆ
キャラ文芸
令和のはじめ。
めでたいはずの10連休を目前に仕事をクビになった、のどか。
同期と呑んだくれていたのだが、目を覚ますと、そこは見知らぬ会社のロビーで。
酔った弾みで、イケメンだが、ちょっと苦手な取引先の社長、成瀬貴弘とうっかり婚姻届を出してしまっていた。
休み明けまでは正式に受理されないと聞いたのどかは、10連休中になんとか婚姻届を撤回してもらおうと頑張る。
職だけでなく、住む場所も失っていたのどかに、貴弘は住まいを提供してくれるが、そこは草ぼうぼうの庭がある一軒家で。
おまけにイケメンのあやかしまで住んでいた。
庭にあふれる雑草を使い、雑草カフェをやろうと思うのどかだったが――。
【NL】花姫様を司る。※R-15
コウサカチヅル
キャラ文芸
神社の跡取りとして生まれた美しい青年と、その地を護る愛らしい女神の、許されざる物語。
✿✿✿✿✿
シリアスときどきギャグの現代ファンタジー短編作品です。基本的に愛が重すぎる男性主人公の視点でお話は展開してゆきます。少しでもお楽しみいただけましたら幸いです(*´ω`)💖
✿✿✿✿✿
※こちらの作品は『カクヨム』様にも投稿させていただいております。
お狐様とひと月ごはん 〜屋敷神のあやかしさんにお嫁入り?〜
織部ソマリ
キャラ文芸
『美詞(みこと)、あんた失業中だから暇でしょう? しばらく田舎のおばあちゃん家に行ってくれない?』
◆突然の母からの連絡は、亡き祖母のお願い事を果たす為だった。その願いとは『庭の祠のお狐様を、ひと月ご所望のごはんでもてなしてほしい』というもの。そして早速、山奥のお屋敷へ向かった美詞の前に現れたのは、真っ白い平安時代のような装束を着た――銀髪狐耳の男!?
◆彼の名は銀(しろがね)『家護りの妖狐』である彼は、十年に一度『世話人』から食事をいただき力を回復・補充させるのだという。今回の『世話人』は美詞。
しかし世話人は、百年に一度だけ『お狐様の嫁』となる習わしで、美詞はその百年目の世話人だった。嫁は望まないと言う銀だったが、どれだけ美味しい食事を作っても力が回復しない。逆に衰えるばかり。
そして美詞は決意する。ひと月の間だけの、期間限定の嫁入りを――。
◆三百年生きたお狐様と、妖狐見習いの子狐たち。それに竈神や台所用品の付喪神たちと、美味しいごはんを作って過ごす、賑やかで優しいひと月のお話。
◆『第3回キャラ文芸大賞』奨励賞をいただきました!ありがとうございました!
八百万の学校 其の弐
浅井 ことは
キャラ文芸
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆*:..
神様にお仕えする家系の第十七代目当主となった佐野翔平。
引退した祖父に、勘のいい祖母。
鈍感な兄をも巻き込み、家族みんなで神様のお悩み相談!?
そして家事を極めんとする火之迦具土神。
そんなほのぼのファンタジー其の弐!開幕!!!
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆*:..
※イラストの無断使用は禁止です。
婚約破棄とか言って早々に私の荷物をまとめて実家に送りつけているけど、その中にあなたが明日国王に謁見する時に必要な書類も混じっているのですが
マリー
恋愛
寝食を忘れるほど研究にのめり込む婚約者に惹かれてかいがいしく食事の準備や仕事の手伝いをしていたのに、ある日帰ったら「母親みたいに世話を焼いてくるお前にはうんざりだ!荷物をまとめておいてやったから明日の朝一番で出て行け!」ですって?
まあ、癇癪を起こすのはいいですけれど(よくはない)あなたがまとめてうちの実家に郵送したっていうその荷物の中、送っちゃいけないもの入ってましたよ?
※またも小説の練習で書いてみました。よろしくお願いします。
※すみません、婚約破棄タグを使っていましたが、書いてるうちに内容にそぐわないことに気づいたのでちょっと変えました。果たして婚約破棄するのかしないのか?を楽しんでいただく話になりそうです。正当派の婚約破棄ものにはならないと思います。期待して読んでくださった方申し訳ございません。
天満堂へようこそ 2
浅井 ことは
キャラ文芸
寂れた商店街から引っ越した薬屋。
前までは近所のおばぁちゃんしか来ないような小さな薬屋が今では奥様から人外にまで人気の薬屋に。
昼夜関係なく色々なお客が訪れ、
色々な薬を買っていく。
風邪薬から惚れ薬。
その他ご要望にお応えします。
*薬の材料高価買い取り
*秘密厳守
*お代金は日本円でお願いします。
*返品お断りいたします。
そう書かれた部屋に入った人たちの願いは叶うのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる