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「俺仕事人間みたい……」

「まだ、出来たばかりですから改善はしていかないといけないと思いますよ?」

「分かってる」

天王を探して庭に出ると、中庭で妖精達と話していたので、庭妖精に挨拶をする。

「こんにちは」

「こんにちは、私達のすみかを荒らさないでくれてありがとうございます。これからもたくさんのお花をお城にお届けします」

「ありがとう、楽しみにしてるね」

「奏太、お触れじゃが……」

「それなんだけど、みんなが直答がどうのこうの言うのめんどくさいから、それ廃止!後ひれ伏すのもやだ」

「ベランダに立って、拡声魔法で民に伝えるのが習わしじゃが……」

「それでいいなら自分で言うよ?何も投げられないかな?」

「ここはお前の管轄地じゃ。投げつける者は即座に牢屋行きじゃ」

「そこまでしなくても……」

「民が許さんじゃろう?」

「それとさ、来てすぐで悪いんだけど、夜宿屋に泊まりたいんだ。俺約束してて……」

「あの連れてきた家族とやらのか?」

「うん、小さい女の子と約束したからさ……」

「行ってきなさい。約束を守ることもとても大切な事じゃ。じゃが、明日からはお触れのこともあるし、ちょっとだけ忙しいぞ?」「わかった。大臣たちに言っておいて!行ってきます」

ノアを連れて宿屋に行き、久しぶりと言うと、奥から女の子が出てきて、学校に行っていると聞かされた。

「本当にありがとうございます。学校と言っても保育園というところで、絵本などで読み書きも覚えてきました。王子様方のおかげです」

「この子の努力だよ。一晩ここに泊まりたいんだけど」

「どうぞ、歓迎いたします」

「主人、料金はいくらにされてますか?まさか縁羽三本で1500ではないですよね?」

「朝晩ついて、馬込みで3000天通貨としてます。高いと思うのですが、王室御用達もいただきましたし、草原の民からチーズも安く分けてもらえてるので助かっています」

「3500でいいと思います。今ならまだ値段もかえれるでしょう?」

「ほかの宿は5000の所もありますが、うちは2人でしてますので行き届かないこともありますし」

「いいじゃん、3500で。ノア……」

ノアが表に出て、パチンと指を鳴らすと、看板は羽が光るようになり、今王子が来ていることを指す色に変え、紙には従業員募集1名。本日のみ面接可と貼られ、店主はオロオロとし始めた。

「ノア、面接よろしく!カウンターの料金表も頼むね」

すると、看板が光ったのが周りに伝わったのか、まず高級チーズが届けられ、面接をお願いしますと人が殺到したので、女性のみと書き加え、ノアが基準を満たしているか判断し面接を行うことになった。

「王子様、これは流石に……」

「確か、月の平均的なお給料が6万じゃなかったっけ?」

「街で雇われているものははそうですが」

「ここはいい宿だから、8万を固定給にすれば、3500の15部屋で元は取れるよ?」

「取れすぎです」

「二号店、三号店と出してもいいし、別で家を買ってもいいじゃん。ここにずっと住んでてもいいけど、三人雇ってローテーションで夜勤もさせれば、家族でいる時間も増えるよ?」

「たしかに寂しい思いをさせてるとは思ってます。でも、そうするとシェフ一人と夜勤の出来るもの二人となりますし。してくださる方がいるでしょうか?」

ノアに念話を送っておいて、「男性のが夜はいいよね」と話しているうちに、ノアが部屋から出て表から三人連れてくる。

「早っ!」

「店主、この方の腕前を見て頂けませんか?シェフ希望……ですよね?」

「は、はい。煮込み料理が得意です!」

「見てあげてよ」

「こちらの女性と男性に確認したところ、夜勤は可能、近くのアパートに住んでいるそうです。家賃が高めなのですぐにでも仕事が欲しいそうです。奥様、いかがなさいますか?」

「わ、私ですか!?」

「高層のアパートなら家賃いくら?」

「平均4.5万と言ったところでしょうか」

「物価は?」

「安定しておりますよ?」

「月10~12でどう?それでも儲けはあるし。ここは忙しいから、夜勤なら夜勤手当つけないと」
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