19 / 40
天満堂薬店
.
しおりを挟む
「おーい!結月さん!」
「何だ?」
「赤丸のだけでいいの?」
「赤丸のは倍作っておいてくれ。万能薬はたっぷりとある」
「俺が作った万能薬ね!」
全く!と鍋に万能薬を移して隣の部屋へ持っていき、赤丸のものをノアと手分けして作る。
「えっと、ドラコンの鱗1gに、天水10cc……」
「奏太様、その薬は……」
「ん?」
「いえ、ノートには何と?」
「えっとね、筋肉再生って書いてあるから怪我の薬かな?」
「多分、こちらに書いてある筋肉断絶と裂傷と同じだと思うのですが」
ノートを見比べて、材料や分量が同じことに気づき、()をして追加で項目を足し、他にもあるかもしれないからと、ノートを確認しながら赤丸の薬を作る。
「でーきーたー!」
「ユーリさん呼んできてよ」
ユーリに確認してもらい、ノートにかぶってるのがあるというと、しっかりとお尻を叩いていたので、先に帰ろうとすると、最後に丸薬を作れと言われる。
「もうやだよ……疲れた!」
「お前と私の魔力安定の薬だ。覚えておけ」
そう言われると作るしかなく、すり鉢に材料を入れて丁寧にすりつぶし、少しの万能薬を入れるといい感じに粘ついてきたのでそれを丸めていく。
「これ、このままでいいのかな?」
聞きに行くと乾燥させればいいと言われ、ひとつ結月が口に入れて、成功だと言われる。
褒められるのは嬉しいが、部屋にある膨大なノートの薬を見ずに作れる結月は凄いが、失敗を見ていると案外危険な部分もあるのではないかと心配になる。
丸薬を袋に詰めてから、今度こそ帰るからねと家に向かい、支度をしてからバーに行く。
「ニコルさん?」
「あ、すいません。今ビールの入れ替えをしてて……」
「うん、エマさんの所行った?」
「はい。二人共元気でした。明日家に帰れるので楽しみで。でも、魔界の方に行かせなければいけないので、少し寂しいですね」
「赤ちゃんとまた戻ってくるんでしょ?」
「はい。一月くらいで落ち着くみたいです。その時にこちらの病院で健康診断があると言ってました」
「大きくなったらブランとかスフィの背中になら乗れそうだね。ムーも子供慣れしてるからボールとかで遊んでくれそうだし」
「いつでも笑顔でいてくれる子だといいのですが」
「大丈夫だよ。赤ちゃんてすぐ大きくなるんでしょ?ノアも結婚とかしたら?」
「わ、私はその……兄と姉が先かと。もしかしたらですが、兄のが早いかも知れません」
「いい人いるの?」
「何となくずっと思っていたことがあるのですが、まだハッキリとは……」
「モテそうだもんねー!」
「姉とルーカス様の方は結婚となっても時間がかかりそうですし」
「二人を許してるの?」
「見ていたら許すしかないと……私がごねた所でどうにもなりませんし。ただ、姉は迷っているようです」
「そうなんだ……みんな上手く行けばいいんだけどね?」
「奏太様は……」
「俺はまだその気ないし、帰る帰るといいながら帰れてないからさ、天王にも悪いなと思ってて」
「私がおります」
「え?」
「結婚出来ずとも私はお側についておりますと」
「うん、頼りにしてる!そろそろ開店かな?」
ニコルに聞いて、本日のおすすめを書き直してから看板を外に出し、電気をつける。
「本日のおすすめ、ちょっとご飯的だね?」
「最近ナッツやポテトだけでは足りない方もいらっしゃいますし、一度やってみてダメなら元に戻そうかと思いまして」
「何だ?」
「赤丸のだけでいいの?」
「赤丸のは倍作っておいてくれ。万能薬はたっぷりとある」
「俺が作った万能薬ね!」
全く!と鍋に万能薬を移して隣の部屋へ持っていき、赤丸のものをノアと手分けして作る。
「えっと、ドラコンの鱗1gに、天水10cc……」
「奏太様、その薬は……」
「ん?」
「いえ、ノートには何と?」
「えっとね、筋肉再生って書いてあるから怪我の薬かな?」
「多分、こちらに書いてある筋肉断絶と裂傷と同じだと思うのですが」
ノートを見比べて、材料や分量が同じことに気づき、()をして追加で項目を足し、他にもあるかもしれないからと、ノートを確認しながら赤丸の薬を作る。
「でーきーたー!」
「ユーリさん呼んできてよ」
ユーリに確認してもらい、ノートにかぶってるのがあるというと、しっかりとお尻を叩いていたので、先に帰ろうとすると、最後に丸薬を作れと言われる。
「もうやだよ……疲れた!」
「お前と私の魔力安定の薬だ。覚えておけ」
そう言われると作るしかなく、すり鉢に材料を入れて丁寧にすりつぶし、少しの万能薬を入れるといい感じに粘ついてきたのでそれを丸めていく。
「これ、このままでいいのかな?」
聞きに行くと乾燥させればいいと言われ、ひとつ結月が口に入れて、成功だと言われる。
褒められるのは嬉しいが、部屋にある膨大なノートの薬を見ずに作れる結月は凄いが、失敗を見ていると案外危険な部分もあるのではないかと心配になる。
丸薬を袋に詰めてから、今度こそ帰るからねと家に向かい、支度をしてからバーに行く。
「ニコルさん?」
「あ、すいません。今ビールの入れ替えをしてて……」
「うん、エマさんの所行った?」
「はい。二人共元気でした。明日家に帰れるので楽しみで。でも、魔界の方に行かせなければいけないので、少し寂しいですね」
「赤ちゃんとまた戻ってくるんでしょ?」
「はい。一月くらいで落ち着くみたいです。その時にこちらの病院で健康診断があると言ってました」
「大きくなったらブランとかスフィの背中になら乗れそうだね。ムーも子供慣れしてるからボールとかで遊んでくれそうだし」
「いつでも笑顔でいてくれる子だといいのですが」
「大丈夫だよ。赤ちゃんてすぐ大きくなるんでしょ?ノアも結婚とかしたら?」
「わ、私はその……兄と姉が先かと。もしかしたらですが、兄のが早いかも知れません」
「いい人いるの?」
「何となくずっと思っていたことがあるのですが、まだハッキリとは……」
「モテそうだもんねー!」
「姉とルーカス様の方は結婚となっても時間がかかりそうですし」
「二人を許してるの?」
「見ていたら許すしかないと……私がごねた所でどうにもなりませんし。ただ、姉は迷っているようです」
「そうなんだ……みんな上手く行けばいいんだけどね?」
「奏太様は……」
「俺はまだその気ないし、帰る帰るといいながら帰れてないからさ、天王にも悪いなと思ってて」
「私がおります」
「え?」
「結婚出来ずとも私はお側についておりますと」
「うん、頼りにしてる!そろそろ開店かな?」
ニコルに聞いて、本日のおすすめを書き直してから看板を外に出し、電気をつける。
「本日のおすすめ、ちょっとご飯的だね?」
「最近ナッツやポテトだけでは足りない方もいらっしゃいますし、一度やってみてダメなら元に戻そうかと思いまして」
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
【完結】国を追われた巫女見習いは、隣国の後宮で二重に花開く
gari
キャラ文芸
☆たくさんの応援、ありがとうございました!☆ 植物を慈しむ巫女見習いの凛月には、二つの秘密がある。それは、『植物の心がわかること』『見目が変化すること』。
そんな凛月は、次期巫女を侮辱した罪を着せられ国外追放されてしまう。
心機一転、紹介状を手に向かったのは隣国の都。そこで偶然知り合ったのは、高官の峰風だった。
峰風の取次ぎで紹介先の人物との対面を果たすが、提案されたのは後宮内での二つの仕事。ある時は引きこもり後宮妃(欣怡)として巫女の務めを果たし、またある時は、少年宦官(子墨)として庭園管理の仕事をする、忙しくも楽しい二重生活が始まった。
仕事中に秘密の能力を活かし活躍したことで、子墨は女嫌いの峰風の助手に抜擢される。女であること・巫女であることを隠しつつ助手の仕事に邁進するが、これがきっかけとなり、宮廷内の様々な騒動に巻き込まれていく。
※ 一話の文字数を1,000~2,000文字程度で区切っているため、話数は多くなっています。
一部、話の繋がりの関係で3,000文字前後の物もあります。
完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました
らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。
そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。
しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような…
完結決定済み
(完)妹の子供を養女にしたら・・・・・・
青空一夏
恋愛
私はダーシー・オークリー女伯爵。愛する夫との間に子供はいない。なんとかできるように努力はしてきたがどうやら私の身体に原因があるようだった。
「養女を迎えようと思うわ・・・・・・」
私の言葉に夫は私の妹のアイリスのお腹の子どもがいいと言う。私達はその産まれてきた子供を養女に迎えたが・・・・・・
異世界中世ヨーロッパ風のゆるふわ設定。ざまぁ。魔獣がいる世界。
悪役令嬢の兄です、ヒロインはそちらです!こっちに来ないで下さい
たなぱ
BL
生前、社畜だったおれの部屋に入り浸り、男のおれに乙女ゲームの素晴らしさを延々と語り、仮眠をしたいおれに見せ続けてきた妹がいた
人間、毎日毎日見せられたら嫌でも内容もキャラクターも覚えるんだよ
そう、例えば…今、おれの目の前にいる赤い髪の美少女…この子がこのゲームの悪役令嬢となる存在…その幼少期の姿だ
そしておれは…文字としてチラッと出た悪役令嬢の行いの果に一家諸共断罪された兄
ナレーションに
『悪役令嬢の兄もまた死に絶えました』
その一言で説明を片付けられ、それしか登場しない存在…そんな悪役令嬢の兄に転生してしまったのだ
社畜に優しくない転生先でおれはどう生きていくのだろう
腹黒?攻略対象×悪役令嬢の兄
暫くはほのぼのします
最終的には固定カプになります
テンプレを無視する異世界生活
ss
ファンタジー
主人公の如月 翔(きさらぎ しょう)は1度見聞きしたものを完璧に覚えるIQ200を超える大天才。
そんな彼が勇者召喚により異世界へ。
だが、翔には何のスキルもなかった。
翔は異世界で過ごしていくうちに異世界の真実を解き明かしていく。
これは、そんなスキルなしの大天才が行く異世界生活である..........
hotランキング2位にランクイン
人気ランキング3位にランクイン
ファンタジーで2位にランクイン
※しばらくは0時、6時、12時、6時の4本投稿にしようと思います。
※コメントが多すぎて処理しきれなくなった時は一時的に閉鎖する場合があります。
後宮にて、あなたを想う
じじ
キャラ文芸
真国の皇后として後宮に迎え入れられた蔡怜。美しく優しげな容姿と穏やかな物言いで、一見人当たりよく見える彼女だが、実は後宮なんて面倒なところに来たくなかった、という邪魔くさがり屋。
家柄のせいでら渋々嫁がざるを得なかった蔡怜が少しでも、自分の生活を穏やかに暮らすため、嫌々ながらも後宮のトラブルを解決します!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる