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天満堂薬店

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その後はみんな怒られるのが嫌で黙々と作業し、結月が魔法で片付ければ早いのにと文句を言えば、床を鞭でパシーン!と叩く音が聞こえるのが朝まで続き、「もう俺限界だから」と部屋に戻ってベッドにダイブする。

そのまま夕方近くまで爆睡してからお風呂にはいって食事をし、作業小屋へと戻る。

「お、直ってる!」

「奏太……寝かせてくれ……ユーリが怖い」

「自分が悪いんでしょ?」

「たのむー!」と項垂れているので、万能薬ができるまでと言い、ムー達にちゃんと謝ってくれと言ってプリンの置いてある場所を教える。

「奏太は天使だな!万能薬は頼んだ倍掛けで作ってくれたら良い。特別にあの大鍋を使う許可を……」「陛下!」

「すまん……とにかく大鍋一杯頼む。材料はわかるだろう?」

「万能薬だけは覚えたよ。それ以外作らないからね?」

「それだけでも十分だ!」

あくびをしながら家に戻っていくので、裏の倉庫から必要な分の材料をだし、大きな秤でちゃんと計りながら鍋にいれていく。

「あとはかき混ぜるだけで良し……っと」

「この棒で混ぜるのだと思いますが」

「ノア、ちゃんと寝た?」

「はい、さすがに疲れました。それにしても、目の前に立つとやはりこの鍋大きいですね」

「うん、踏み台あったよ?俺でも乗らないと混ぜにくいかな」

「奏太様」

「なに?」

「あの奇声ですが……」

うん?と言いながら混ぜていると、「出てます」と言われる。

「今混ぜ始めたばかりだよ?出てるわけないじゃん!」

「いえ……」と携帯をこちらに向けてくる。

録音したものを再生すると「ヒッヒッヒ!」と自分の声がしたので、つい口を塞いでしまう。

「いや、結構面白いけどさ……滑らかになるまでは重労働だよ?まさか出てるなんて。ノアやってよ!」

そう言って録音の準備をし、混ぜているノアを見ながら声が出た瞬間に録音ボタンを押してノアに聞かせる。

「ヒーッヒッヒッヒッ」

「や、やめてください。これ、何かの呪いでしょうか?」

「この棒にかけてあるとか?混ぜるの嫌になってきた!」

それでも火がついているので放置もできず、二人で笑いながら交代で混ぜ、出来上がった頃にはお腹が痛いと小屋を後にし、リビングに向かう。

食事をしていたら結月が起きてきたので、なにか呪いでもかけた?と聞くと、かけていないと言うので、自分たちの奇声のことは内緒にして、万能薬ができたことを告げる。

「ユーリさんは?」

「今、準備に行ってる。入れ違いだな」

「今日はやめてよ?」

「何を?」

「爆発!」

「ユーリがいるから大丈夫だ」

「何だかんだとユーリさんて結月さんより強いよね?」

「今頃か!ユーリは昔から頑固だし、兄弟そっくりだ!ジョナスも頑固だし……」

「誰が頑固ですか?」

「ユーリ!いや、お前がしっかりしてるから助かるなぁと……」

ユーリがため息をついて、準備が出来たことを報告し、一緒に行ってどんな材料を使っているのか見学に行く。

「クキョッ!」
「またあの匂いか……逃げるか?」
「キョキョッ」

庭でブラン達がこそこそと何かをして、スフィが空を飛んで木の上に登っていくのを見て、避難だなとわかり手だけ振る。
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