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夏休み~狐の国の異邦人
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「しーちゃん……」
「紫狐は何も話してないのですー」といつもの誤魔化すときや嬉しい時などにする、変な踊りを踊りだし、さぁ食事の部屋へ―!とお尻を振り振りしながら歩く姿に航平が「俺言わないから」と紫狐の背後から声をかける。
「ほ、本当ですか?」
「本当だよ。紫狐ちゃんは物知りなんだね。今度俺にも影の仕事とか、普段はどんなことをしているのか教えてくれると嬉しいな」とにっこりとほほ笑む。
前に隆弘に聞いた王子様スマイルだと思い、これで女性に興味ないなんて……とちょっと残念になる。
「航平ちゃん、しーちゃんが真っ赤なリンゴみたいになってる。これが大学前カフェの王子様スマイルなんだ……僕男なのに納得しちゃったよ?」
「普通に笑っただけだけど」
「普段笑わないじゃん」
「そう?なれない人には笑わないかもしれないけど、隆弘さんたちの前からいる下宿の人たちとは普通に話してるよ?一緒に飲むし」
「飲んじゃダメ!航平ちゃん未成年なんだから」
「あー、つい海外のノリで。でも、冬弥さんお酌してくるけど?」
「もう!みんな適当なんだから」
朝食の席にはもう食べ終わる祖父母が居たので、寝坊してごめんなさいと謝り、女中の人に食事を運んでもらって、いただきますとお箸を割る。
「ねぇ、おじいちゃん。お爺ちゃんは狐何尾いるの?」
「儂か?儂はちょうど10じゃ。ばぁさんは少なめじゃの7じゃったか?」
「もう忘れないでくださいな。私もお爺さんも、子供たちもみんな親がニ尾。他はみんなご縁があって居るのよ」
「僕と翡翠たちみたいに?」
「そう、金ちゃんや銀ちゃんのように少し大きくなってからの子もいるし、様々なのよ」
「お爺ちゃんも?」
「そうじゃ。天狐の時にもっと持ってもよかったんじゃが、十分に足りておるで他は迎えなんだ。天狐になると、自分も拾ってくれと寄ってくる者もいるでのぅ」
「冬弥さんは?」
「迎えるつもりは今はないみたいじゃ」
「那智さんや秋彪さんたちも沢山いるの?」
「栞さんで何尾じゃったか……那智は力があるで冬弥と同じ九尾おる。これは珍しいケースなんじゃが、尾の数分はみんなおる」
「僕は?」
「それがわかればいいんじゃが、まだ未知数じゃし、わからんとしか言いようがないの」
「雪翔はもっと欲しいの?」
「うぅん。いいかな?みんな守ってくれてるし、白や黒もいるもん」
「あの、誰でもつけることは出来ないのですよね?」
「出来ん。しかし、おぬしの周りにも居るではないか」
「何がですか?」
「えーと、昴が言っておったのはなんじゃったかの?」
「妖精さんですよ。ほら、人間界のおとぎ話に出てくるかわいい蝶々のような……」
「それならたまに見えていますが……」
「それがおぬしの守りであろう。その異国の祖母とやらの力を受け継いだのではないか?母親の方も見えておったわけじゃし。その辺は人間界で調べられると思うで、あの大きな本屋で調べたらいい」
「お爺ちゃん、それ図書館だよ……」
たまに間違えるのはしょうがないが、時々わけわからない説明をするので、補足するのにちょっと困ってしまう時がある。
冷めないうちに食べなさいと言われ、卵や魚を食べていると、隣から「この魚どこからとるんだろう?」と聞こえてきた。
「紫狐は何も話してないのですー」といつもの誤魔化すときや嬉しい時などにする、変な踊りを踊りだし、さぁ食事の部屋へ―!とお尻を振り振りしながら歩く姿に航平が「俺言わないから」と紫狐の背後から声をかける。
「ほ、本当ですか?」
「本当だよ。紫狐ちゃんは物知りなんだね。今度俺にも影の仕事とか、普段はどんなことをしているのか教えてくれると嬉しいな」とにっこりとほほ笑む。
前に隆弘に聞いた王子様スマイルだと思い、これで女性に興味ないなんて……とちょっと残念になる。
「航平ちゃん、しーちゃんが真っ赤なリンゴみたいになってる。これが大学前カフェの王子様スマイルなんだ……僕男なのに納得しちゃったよ?」
「普通に笑っただけだけど」
「普段笑わないじゃん」
「そう?なれない人には笑わないかもしれないけど、隆弘さんたちの前からいる下宿の人たちとは普通に話してるよ?一緒に飲むし」
「飲んじゃダメ!航平ちゃん未成年なんだから」
「あー、つい海外のノリで。でも、冬弥さんお酌してくるけど?」
「もう!みんな適当なんだから」
朝食の席にはもう食べ終わる祖父母が居たので、寝坊してごめんなさいと謝り、女中の人に食事を運んでもらって、いただきますとお箸を割る。
「ねぇ、おじいちゃん。お爺ちゃんは狐何尾いるの?」
「儂か?儂はちょうど10じゃ。ばぁさんは少なめじゃの7じゃったか?」
「もう忘れないでくださいな。私もお爺さんも、子供たちもみんな親がニ尾。他はみんなご縁があって居るのよ」
「僕と翡翠たちみたいに?」
「そう、金ちゃんや銀ちゃんのように少し大きくなってからの子もいるし、様々なのよ」
「お爺ちゃんも?」
「そうじゃ。天狐の時にもっと持ってもよかったんじゃが、十分に足りておるで他は迎えなんだ。天狐になると、自分も拾ってくれと寄ってくる者もいるでのぅ」
「冬弥さんは?」
「迎えるつもりは今はないみたいじゃ」
「那智さんや秋彪さんたちも沢山いるの?」
「栞さんで何尾じゃったか……那智は力があるで冬弥と同じ九尾おる。これは珍しいケースなんじゃが、尾の数分はみんなおる」
「僕は?」
「それがわかればいいんじゃが、まだ未知数じゃし、わからんとしか言いようがないの」
「雪翔はもっと欲しいの?」
「うぅん。いいかな?みんな守ってくれてるし、白や黒もいるもん」
「あの、誰でもつけることは出来ないのですよね?」
「出来ん。しかし、おぬしの周りにも居るではないか」
「何がですか?」
「えーと、昴が言っておったのはなんじゃったかの?」
「妖精さんですよ。ほら、人間界のおとぎ話に出てくるかわいい蝶々のような……」
「それならたまに見えていますが……」
「それがおぬしの守りであろう。その異国の祖母とやらの力を受け継いだのではないか?母親の方も見えておったわけじゃし。その辺は人間界で調べられると思うで、あの大きな本屋で調べたらいい」
「お爺ちゃん、それ図書館だよ……」
たまに間違えるのはしょうがないが、時々わけわからない説明をするので、補足するのにちょっと困ってしまう時がある。
冷めないうちに食べなさいと言われ、卵や魚を食べていると、隣から「この魚どこからとるんだろう?」と聞こえてきた。
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