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発覚
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「まず、あの航平ってやつだが、確かに見えてる。そして久世ってやつもだ」
「どこまでです?」
「どちらかと言うと航平は雪翔を守るためにその久世ってやつを妨害していた。久世はまだ確証がないから、遠見をしてこちらを覗いてた。覗かせないようにして邪魔をしていたのが航平って事」
「そうですか……相当雪翔のことを大事にしてるみたいですからねぇ。ですが、久世君のご家庭は寺でも何でもなかったですよ?事前調査はしましたけど」
「部屋にあったこれなんだが、かなり呪術が書き込まれているな。元々見えてるんなら少しくらい力があってもおかしくはないだろ?」
「航平ちゃんは!?」
「あれは陰陽系の外国バージョンてとこだ。えーと、魔女?みたいな儀式みたいな感じ?」
「久世君の方は術をキツめにかければいいでしょう」
「キツめって、記憶消すやつ?」
「それもありますが、妖気を消せる私と違って、影たちは完全には消せませんしねぇ。見えなくするくらい簡単ですし、それをして城からお咎めはないでしょう」
「航平ちゃんは?僕を守ってくれてたんだよね?」
「彼は、少し様子を見たいと思います。玲、しばらく監視を」
「分かったよ!貸しだからな?」
「ええ。こちらも結界の強化をします」
そのまま玲が帰ろうとするので、二人分のお土産を渡し、もう寝なさいと言われたが、寝れないよとソファーでゴロッとする。
「雪翔、風邪ひきますよ?」
「だって、なんかおかしくない?いきなり見える人が増えるとかさ、航平ちゃんも普通だったのに……」
「子供の頃なにか聞いてませんか?」
「んー、話してても妖精の話が多かったかな?イギリスのお母さんから聞いた話だって言ってたよ?後は、いつも僕達ぼーっとしてたし」
「彼も隔世遺伝か、お母さんの影響かも知れませんねぇ。こちらに害がなければ何もしませんから、栞さんも雪翔ももう休んでください」
「冬弥様は?」
「私は気配をさらに消して下宿の中を見回ってきます。まだ匂いも残ってるかもしれないので」
「な、何もしない?」
「しません。確認に行くだけです。久世くんのことは明日那智と秋虎を交えて話し合いを設けてからにしますし、雪翔は何も心配しなくていいですよ?」
「うん……」
その後は部屋に戻り、心配していた紫狐たちに話をしてから布団に入る。
「しーちゃん、しーちゃんたちでも気づかなかったの?」
「はいー。ひーちゃんがいつも気付きます。これが、能力の違いなのではないかと思いますー」
下に敷いた布団に仲良く紫狐と翡翠が横になり、翡翠はうとうとしていたが、紫狐も気になるようで夜中遅くまで話していた。
「あー、眠い。おはよう栞さん」
「おはよう。冬弥様がしばらく手伝いはいいって。特に私は赤ちゃんの影響でコントロールが難しいし、翡翠ちゃんの気配もわかるなら気をつけた方がいいって……」
「そう。栞さんは大丈夫?」
「最近よく動くの。ビックリしちゃうとつい耳が出ちゃって……夏休みはね、私は長めに向こうにいることにしたの」
「それって……」
「誰のせいでもないのよ?初めてだからすぐ耳も尻尾も出ちゃうし、夏休みはみんなバイトだって聞いてるから食事が少なくて済むのよ。だから冬弥様が……」
「僕も病院と終業式終わったら行こうかな?」
「あ、昴様にも呼ばれてるものね」
「うん、多分浮遊城に招待だろうって聞いたよ。本も返さないといけないし、病院の合間に行く感じにしようかな?」
「そうねぇ、薬がなくなる時に診察だから、その時は帰ってこないといけないでしょう?行き来に問題はないと思うけど、冬弥様はお祭りもあるから……」
「おじいちゃん達がいるから。それも三組だよ?平気だよ!」
「どこまでです?」
「どちらかと言うと航平は雪翔を守るためにその久世ってやつを妨害していた。久世はまだ確証がないから、遠見をしてこちらを覗いてた。覗かせないようにして邪魔をしていたのが航平って事」
「そうですか……相当雪翔のことを大事にしてるみたいですからねぇ。ですが、久世君のご家庭は寺でも何でもなかったですよ?事前調査はしましたけど」
「部屋にあったこれなんだが、かなり呪術が書き込まれているな。元々見えてるんなら少しくらい力があってもおかしくはないだろ?」
「航平ちゃんは!?」
「あれは陰陽系の外国バージョンてとこだ。えーと、魔女?みたいな儀式みたいな感じ?」
「久世君の方は術をキツめにかければいいでしょう」
「キツめって、記憶消すやつ?」
「それもありますが、妖気を消せる私と違って、影たちは完全には消せませんしねぇ。見えなくするくらい簡単ですし、それをして城からお咎めはないでしょう」
「航平ちゃんは?僕を守ってくれてたんだよね?」
「彼は、少し様子を見たいと思います。玲、しばらく監視を」
「分かったよ!貸しだからな?」
「ええ。こちらも結界の強化をします」
そのまま玲が帰ろうとするので、二人分のお土産を渡し、もう寝なさいと言われたが、寝れないよとソファーでゴロッとする。
「雪翔、風邪ひきますよ?」
「だって、なんかおかしくない?いきなり見える人が増えるとかさ、航平ちゃんも普通だったのに……」
「子供の頃なにか聞いてませんか?」
「んー、話してても妖精の話が多かったかな?イギリスのお母さんから聞いた話だって言ってたよ?後は、いつも僕達ぼーっとしてたし」
「彼も隔世遺伝か、お母さんの影響かも知れませんねぇ。こちらに害がなければ何もしませんから、栞さんも雪翔ももう休んでください」
「冬弥様は?」
「私は気配をさらに消して下宿の中を見回ってきます。まだ匂いも残ってるかもしれないので」
「な、何もしない?」
「しません。確認に行くだけです。久世くんのことは明日那智と秋虎を交えて話し合いを設けてからにしますし、雪翔は何も心配しなくていいですよ?」
「うん……」
その後は部屋に戻り、心配していた紫狐たちに話をしてから布団に入る。
「しーちゃん、しーちゃんたちでも気づかなかったの?」
「はいー。ひーちゃんがいつも気付きます。これが、能力の違いなのではないかと思いますー」
下に敷いた布団に仲良く紫狐と翡翠が横になり、翡翠はうとうとしていたが、紫狐も気になるようで夜中遅くまで話していた。
「あー、眠い。おはよう栞さん」
「おはよう。冬弥様がしばらく手伝いはいいって。特に私は赤ちゃんの影響でコントロールが難しいし、翡翠ちゃんの気配もわかるなら気をつけた方がいいって……」
「そう。栞さんは大丈夫?」
「最近よく動くの。ビックリしちゃうとつい耳が出ちゃって……夏休みはね、私は長めに向こうにいることにしたの」
「それって……」
「誰のせいでもないのよ?初めてだからすぐ耳も尻尾も出ちゃうし、夏休みはみんなバイトだって聞いてるから食事が少なくて済むのよ。だから冬弥様が……」
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「うん、多分浮遊城に招待だろうって聞いたよ。本も返さないといけないし、病院の合間に行く感じにしようかな?」
「そうねぇ、薬がなくなる時に診察だから、その時は帰ってこないといけないでしょう?行き来に問題はないと思うけど、冬弥様はお祭りもあるから……」
「おじいちゃん達がいるから。それも三組だよ?平気だよ!」
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