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修学旅行
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わらび餅を食べ終わり、お皿を流しに持って行って栞に渡すと、栞にも忘れ物はないかと聞かれてしまう。
「ちゃんとチェック表で見たもん」
「ねえ、お風呂なんだけど……大浴場なんでしょう?」
「そうみたい。もし無理なら部屋のお風呂でもいいって言われてる」
「お風呂は滑るから気をつけてね?」
「うん。先生がついてくれるって言ってたから大丈夫」
「雪翔、明日迎えに来るからな?先に行くなよ?」
「はーい」
「そう言えば、荷物は誰が運んでくれるんです?すっかり聞くのを忘れてましたけど」
「みんなが交代で運んでくれるって。帰りは送ってもいいって言ってたよ?」
「なんで行きはダメなんだ?」
「旅行だから?」
「何だそれは……意味がわからん」
「僕もわからないもん」
「ほらほら、二人共そのへんにしてください。那智も暇なら雪翔と一緒に来てください」
「下宿にか?」
「もちろんです。栞さんもお腹が出てきましたからねぇ、なるべく朝の忙しい時間だけにしてもらってるんで人手が欲しいんですよねぇ」
上手く那智を厨房に引きずり込んだ冬弥が最初にしたのはエプロンを付けさせたこと。
シャツの袖をめくって橙色のエプロンを付けて大鍋にお湯をわかせと言われ文句を言いながらも何とかやっている姿はやはり似合わない。
「僕キュウリ切る!」
「那智、一分ですよ?そのボウルに入れたまま茹でてください。時間勝負なので」
カニカマを裂きながら時間を見計らい、「今です!」と言った瞬間、那智が鍋にザルごとそうめんを入れている。
「あのザル何?」
「中華屋でラーメン茹でる時の網ですよ。人数が多いので買いました。なかなか便利なんです」
さっと茹でて、冷水で洗い、丼に素麺をどんどん冬弥が入れていき、玉子やキュウリ、カニカマにシーチキンを乗せていき、最後にだし汁をかける。
数人来ていたので、持って行ってもらい、今からまだほかの人も来るからと茹でては盛り付けてを繰り返していたら、那智信者の隆弘と賢司がご利益がある!と嬉しそうに那智が作っているのを見ていた。
「見てるなら手伝え!ほら、出来たぞ」
「ありがとうございます!頂きます!」と二人共喜んで席に行き、海都と航平もびっくりしたように見ていた。
「これで終わりですねぇ。さて、私達も食べましょうか」
「俺もか?」
「ええ、雪翔がいない間よろしくお願いします」
「嘘だろ?」
「本当ですよ?みんな喜んでますし、そのエプロンも似合ってますよ?」
「クソっ!騙された感が半端ないんだが?」
「那智さんお願い。僕も栞さんが心配だし、冬弥さんだけだと大変だし……那智さん来てくれなかったら僕、修学旅行行きにくいよ……」
「わ、わかった。帰ってくる迄だからな!」
よく言った!とばかりに、冬弥がニヤリと笑い、釣られてつい笑ってしまう。
家に帰ってからは、那智の扱いが上手くなったと褒められ、これで三日間安心できるとホットしていた。
「ちゃんとチェック表で見たもん」
「ねえ、お風呂なんだけど……大浴場なんでしょう?」
「そうみたい。もし無理なら部屋のお風呂でもいいって言われてる」
「お風呂は滑るから気をつけてね?」
「うん。先生がついてくれるって言ってたから大丈夫」
「雪翔、明日迎えに来るからな?先に行くなよ?」
「はーい」
「そう言えば、荷物は誰が運んでくれるんです?すっかり聞くのを忘れてましたけど」
「みんなが交代で運んでくれるって。帰りは送ってもいいって言ってたよ?」
「なんで行きはダメなんだ?」
「旅行だから?」
「何だそれは……意味がわからん」
「僕もわからないもん」
「ほらほら、二人共そのへんにしてください。那智も暇なら雪翔と一緒に来てください」
「下宿にか?」
「もちろんです。栞さんもお腹が出てきましたからねぇ、なるべく朝の忙しい時間だけにしてもらってるんで人手が欲しいんですよねぇ」
上手く那智を厨房に引きずり込んだ冬弥が最初にしたのはエプロンを付けさせたこと。
シャツの袖をめくって橙色のエプロンを付けて大鍋にお湯をわかせと言われ文句を言いながらも何とかやっている姿はやはり似合わない。
「僕キュウリ切る!」
「那智、一分ですよ?そのボウルに入れたまま茹でてください。時間勝負なので」
カニカマを裂きながら時間を見計らい、「今です!」と言った瞬間、那智が鍋にザルごとそうめんを入れている。
「あのザル何?」
「中華屋でラーメン茹でる時の網ですよ。人数が多いので買いました。なかなか便利なんです」
さっと茹でて、冷水で洗い、丼に素麺をどんどん冬弥が入れていき、玉子やキュウリ、カニカマにシーチキンを乗せていき、最後にだし汁をかける。
数人来ていたので、持って行ってもらい、今からまだほかの人も来るからと茹でては盛り付けてを繰り返していたら、那智信者の隆弘と賢司がご利益がある!と嬉しそうに那智が作っているのを見ていた。
「見てるなら手伝え!ほら、出来たぞ」
「ありがとうございます!頂きます!」と二人共喜んで席に行き、海都と航平もびっくりしたように見ていた。
「これで終わりですねぇ。さて、私達も食べましょうか」
「俺もか?」
「ええ、雪翔がいない間よろしくお願いします」
「嘘だろ?」
「本当ですよ?みんな喜んでますし、そのエプロンも似合ってますよ?」
「クソっ!騙された感が半端ないんだが?」
「那智さんお願い。僕も栞さんが心配だし、冬弥さんだけだと大変だし……那智さん来てくれなかったら僕、修学旅行行きにくいよ……」
「わ、わかった。帰ってくる迄だからな!」
よく言った!とばかりに、冬弥がニヤリと笑い、釣られてつい笑ってしまう。
家に帰ってからは、那智の扱いが上手くなったと褒められ、これで三日間安心できるとホットしていた。
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