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反抗期
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「何で那智は日持ちのするものを買わないのか不思議でなりません!バランスよくと言ったのに!」
「昨日、水族館連れてってもらったんだ」
「そうなんですか?」
「うん、ショーとか見たよ?」
「楽しかったですか?」
「ペンギンも可愛かったし、楽しかった」
「那智も雪翔を楽しませようと頑張ったんですねぇ。成長したものです」
「若いパパって言われてたよ?」
ドン!
「パ・パはわたしです!」
「う、うん知ってる……」
「お昼はみんなでここで食べましょうか。学校休みでしょう?」
「いいのかな?」
「那智さんもいいって言ってたし。ただ散らかすなって」
「だってモデルルームみたいだもんな」
「僕も最初びっくりした」
「二人で雪翔の勉強見てくれてますよねぇ。そんなに遅れてます?」
「全然?かと言ってあの学校は進むのが早いみたいで、海都に教えてる先を行ってるかな?」
「雪翔の学力なら予習復習と授業で間に合うと思います」
「だったら、勉強の気分転換に図書館で本を読んだり、博物館行くのは普通に大丈夫ですよねぇ?」
「はい」
「はいって航平ちゃん!遅れたら……」
「雪翔の間違えるのは凡ミスくらい。慌てずにやれば良いだけ」
「確かにそうだな。堀内さんももう教えることないって言ってるくらいだぞ?大学卒業したら研究員にって言ってたくらい」
「なら、お二人共協力してください」
突然の冬弥の申し出に、お昼のピラフを食べながら計画を聞く。
「まずですね、雪翔は次の学校まで那智の家に居てもらいます」
「え?乗り込んでこない?」
「私が止めます。買い物も行かせませんし、調理場も仕事もさせません。もちろん家事もです」
「あ!わかった!雪翔と同じことさせるんだ」
「内容は違いますけど、お腹の子のこともありますし、家事も一切させないために、作り置きを冷蔵庫いっぱいに作っておくので。そしたら作れないですよねぇ?」
「掃除とか洗濯は?」
「あの子達にやらせます」とぼそっと教えてくれた。
「赤ちゃん大丈夫ですか?」
「もちろん、ケアはしますよ?後、病院の付き添いなども許可しませんし、携帯と鍵も取り上げます」
「そこまでしなくても……」
「何も出来ない状態が雪翔と近い状態なんです。これはストレスが伴いますから赤ちゃんは心配ですけど、栞さんも知るべきなんです」
「俺達は何をすればいいの?」
「しばらくしたら、雪翔の所に連れてって欲しいと言われるでしょうが、授業だとかバイトだとか適当に言ってダメだと言ってください。責任は私が取ります。今自由に動けるのはお2人ですから」
「あとが怖い!」
大丈夫です!と言われ二人が協力すると言ったので、細かいことは携帯で連絡すると冬弥がいい、「雪翔はここにいる間にお友達と遊んでなさい」とも言われてしまった。
「でもさ、もうすぐ夏祭りあるじゃん」
「七夕祭り?」
「花火上がるって」
「行きたい!」
「その頃は微妙な時期ですよねぇ?まずは一週間です。既に携帯をもって熊のようにウロウロしてますから、取り上げたら猛獣ですよ?」
「家でそんなことしてるの?」
「冬弥さんは雪翔が出てってすぐここに来たって聞いたけど」
「出ていったのバレバレでしたからねぇ」
「静かに出たのに……」
「こまめに二人には連絡します。航平君のラインを教えておいてください。番号は入居時に書いてもらったのを登録してありますので」
「あ、はい」
「それと、私が今日来たのは内緒にしておいてくださいよ?違う用事と言ってきましたから」
「七夕祭り、次の学校の翌日だよね……」
「何とかしますから」そう言ってわしゃわしゃと頭を撫でられ、冬弥は帰っていき、食べ終わった食器を片付けてから、二人に薬を飲めと言われてのみ、ついでに分からなかったところだけでもと勉強を見てもらい、夕方前に別れる。
「なにか進展あったら連絡するから」
「うん」
「雪翔、堂々としてろ」
「妙なところで不良なんだから!」
気をつけてねと見送って部屋に戻り、夕飯用にと野菜庫からレタスやトマトを出してサラダの準備をし、卵もゆでて輪切りにして飾る。
「昨日、水族館連れてってもらったんだ」
「そうなんですか?」
「うん、ショーとか見たよ?」
「楽しかったですか?」
「ペンギンも可愛かったし、楽しかった」
「那智も雪翔を楽しませようと頑張ったんですねぇ。成長したものです」
「若いパパって言われてたよ?」
ドン!
「パ・パはわたしです!」
「う、うん知ってる……」
「お昼はみんなでここで食べましょうか。学校休みでしょう?」
「いいのかな?」
「那智さんもいいって言ってたし。ただ散らかすなって」
「だってモデルルームみたいだもんな」
「僕も最初びっくりした」
「二人で雪翔の勉強見てくれてますよねぇ。そんなに遅れてます?」
「全然?かと言ってあの学校は進むのが早いみたいで、海都に教えてる先を行ってるかな?」
「雪翔の学力なら予習復習と授業で間に合うと思います」
「だったら、勉強の気分転換に図書館で本を読んだり、博物館行くのは普通に大丈夫ですよねぇ?」
「はい」
「はいって航平ちゃん!遅れたら……」
「雪翔の間違えるのは凡ミスくらい。慌てずにやれば良いだけ」
「確かにそうだな。堀内さんももう教えることないって言ってるくらいだぞ?大学卒業したら研究員にって言ってたくらい」
「なら、お二人共協力してください」
突然の冬弥の申し出に、お昼のピラフを食べながら計画を聞く。
「まずですね、雪翔は次の学校まで那智の家に居てもらいます」
「え?乗り込んでこない?」
「私が止めます。買い物も行かせませんし、調理場も仕事もさせません。もちろん家事もです」
「あ!わかった!雪翔と同じことさせるんだ」
「内容は違いますけど、お腹の子のこともありますし、家事も一切させないために、作り置きを冷蔵庫いっぱいに作っておくので。そしたら作れないですよねぇ?」
「掃除とか洗濯は?」
「あの子達にやらせます」とぼそっと教えてくれた。
「赤ちゃん大丈夫ですか?」
「もちろん、ケアはしますよ?後、病院の付き添いなども許可しませんし、携帯と鍵も取り上げます」
「そこまでしなくても……」
「何も出来ない状態が雪翔と近い状態なんです。これはストレスが伴いますから赤ちゃんは心配ですけど、栞さんも知るべきなんです」
「俺達は何をすればいいの?」
「しばらくしたら、雪翔の所に連れてって欲しいと言われるでしょうが、授業だとかバイトだとか適当に言ってダメだと言ってください。責任は私が取ります。今自由に動けるのはお2人ですから」
「あとが怖い!」
大丈夫です!と言われ二人が協力すると言ったので、細かいことは携帯で連絡すると冬弥がいい、「雪翔はここにいる間にお友達と遊んでなさい」とも言われてしまった。
「でもさ、もうすぐ夏祭りあるじゃん」
「七夕祭り?」
「花火上がるって」
「行きたい!」
「その頃は微妙な時期ですよねぇ?まずは一週間です。既に携帯をもって熊のようにウロウロしてますから、取り上げたら猛獣ですよ?」
「家でそんなことしてるの?」
「冬弥さんは雪翔が出てってすぐここに来たって聞いたけど」
「出ていったのバレバレでしたからねぇ」
「静かに出たのに……」
「こまめに二人には連絡します。航平君のラインを教えておいてください。番号は入居時に書いてもらったのを登録してありますので」
「あ、はい」
「それと、私が今日来たのは内緒にしておいてくださいよ?違う用事と言ってきましたから」
「七夕祭り、次の学校の翌日だよね……」
「何とかしますから」そう言ってわしゃわしゃと頭を撫でられ、冬弥は帰っていき、食べ終わった食器を片付けてから、二人に薬を飲めと言われてのみ、ついでに分からなかったところだけでもと勉強を見てもらい、夕方前に別れる。
「なにか進展あったら連絡するから」
「うん」
「雪翔、堂々としてろ」
「妙なところで不良なんだから!」
気をつけてねと見送って部屋に戻り、夕飯用にと野菜庫からレタスやトマトを出してサラダの準備をし、卵もゆでて輪切りにして飾る。
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