下宿屋 東風荘 4

浅井 ことは

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反抗期

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薬を飲んで、みんなに教えてもらっての勉強は楽しい等と、呑気に考えながらも睡魔には勝てず眠ってしまい、朝は手伝いのあとすぐに病院に行かなければならなかったので、急いでバス停へ行く。

「雪翔、慌てたら行けませんよ?」

後ろで声がするので、分かってるー!と返事をして、なんとか間に合ったバスに乗って病院へと行く。

降りたところに玲がいて、「すまん、寝坊した」と頭をかいているので、「平気だったよ?」と一緒に病院に行く。

「秋から聞いたんだが、前の時におばあさん助けたんだって?」

「気づいたの秋彪さんだから。でもスグに看護師さんたち来てくれて、助かったよ」

「まだ入院してるのかな?」

「どうだろう?詳しいことは教えてもらえないんだ。家族にって言ってたから」

「ふーん。そんなものなのか?」

「そうだと思うよ?昔は違ったの?」

「かなり昔は違ったけど、家族のいないものの時はだいたい教えてくれてたな」

「今は厳しいから。個人情報とか色々と」

「お、難しい言葉知ってるな!」

「みんな知ってるって!」

「それよりさ、雪翔はその時何も感じなかったのか?」

「うん、秋彪さんがなんか匂いがするって言ってたけど全然分からなかった」

「陰陽師は嗅覚が鋭くないのか?」

「だって人でしょ?色々本は読んだけど、分からないことばかりだし、金や銀なんてその時になればちゃんと出来るって前に言ったきり、絵本ばっかり読んでるんだよ?」

「そう怒るな。あいつらも読み書きはできた方がいいだろ?」

「まぁ、そうだけど」

「学校はどうだ?一番だって連絡は来たが」

「冬弥さん達には言えないんだけど、やっぱりちょっと行くの怖いかな。幼馴染の航平ちゃんには、大丈夫だって言われたんだけど」

「気にしすぎだ。あの学校は空気もいいし、よく話してるやつはいい気出してるぞ?」

「見に来たの?」

「いや、その……少しな?少し!」

それこそ心配しすぎだよとリハビリ室に入って、ゆっくりと歩行訓練をし、終わった時には待合室で玲が花を持って待っていた。

「どうしたのお花」

「聞いてきたんだよ。まだ入院してるって。気になるだろ?」

「うん……」

「見舞いに行ってから帰ろうぜ」

「良いのかな?」

「元気だって聞いたぞ?」

「じゃぁちょっとだけ」

部屋は聞いてきたのか、五階まで上がって部屋へと行くと、川辺 菊子とネームプレートに書いてあった。

「こ、今日は……」

そっと声をかけると、すぐに気づいてくれたのか、「あなたが助けてくれた子ね?」と言われてしまい、「僕、電話しただけで……」と言うと、「それでも助かったのはあなたともう一人の子のおかげだわ」と言われてしまう。

「良かったです。元気そうで」

「あの時はねぇ、薬を出すのに手間取ってしまって、もうダメだと思ったのよ?今はもうすっかり元気なの」

「あ、これお見舞いです。花瓶に入れてきますね」と玲が洗面台に行き、花を飾って戻ってくる。
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