46 / 112
反抗期
.
しおりを挟む
薬を飲んで、みんなに教えてもらっての勉強は楽しい等と、呑気に考えながらも睡魔には勝てず眠ってしまい、朝は手伝いのあとすぐに病院に行かなければならなかったので、急いでバス停へ行く。
「雪翔、慌てたら行けませんよ?」
後ろで声がするので、分かってるー!と返事をして、なんとか間に合ったバスに乗って病院へと行く。
降りたところに玲がいて、「すまん、寝坊した」と頭をかいているので、「平気だったよ?」と一緒に病院に行く。
「秋から聞いたんだが、前の時におばあさん助けたんだって?」
「気づいたの秋彪さんだから。でもスグに看護師さんたち来てくれて、助かったよ」
「まだ入院してるのかな?」
「どうだろう?詳しいことは教えてもらえないんだ。家族にって言ってたから」
「ふーん。そんなものなのか?」
「そうだと思うよ?昔は違ったの?」
「かなり昔は違ったけど、家族のいないものの時はだいたい教えてくれてたな」
「今は厳しいから。個人情報とか色々と」
「お、難しい言葉知ってるな!」
「みんな知ってるって!」
「それよりさ、雪翔はその時何も感じなかったのか?」
「うん、秋彪さんがなんか匂いがするって言ってたけど全然分からなかった」
「陰陽師は嗅覚が鋭くないのか?」
「だって人でしょ?色々本は読んだけど、分からないことばかりだし、金や銀なんてその時になればちゃんと出来るって前に言ったきり、絵本ばっかり読んでるんだよ?」
「そう怒るな。あいつらも読み書きはできた方がいいだろ?」
「まぁ、そうだけど」
「学校はどうだ?一番だって連絡は来たが」
「冬弥さん達には言えないんだけど、やっぱりちょっと行くの怖いかな。幼馴染の航平ちゃんには、大丈夫だって言われたんだけど」
「気にしすぎだ。あの学校は空気もいいし、よく話してるやつはいい気出してるぞ?」
「見に来たの?」
「いや、その……少しな?少し!」
それこそ心配しすぎだよとリハビリ室に入って、ゆっくりと歩行訓練をし、終わった時には待合室で玲が花を持って待っていた。
「どうしたのお花」
「聞いてきたんだよ。まだ入院してるって。気になるだろ?」
「うん……」
「見舞いに行ってから帰ろうぜ」
「良いのかな?」
「元気だって聞いたぞ?」
「じゃぁちょっとだけ」
部屋は聞いてきたのか、五階まで上がって部屋へと行くと、川辺 菊子とネームプレートに書いてあった。
「こ、今日は……」
そっと声をかけると、すぐに気づいてくれたのか、「あなたが助けてくれた子ね?」と言われてしまい、「僕、電話しただけで……」と言うと、「それでも助かったのはあなたともう一人の子のおかげだわ」と言われてしまう。
「良かったです。元気そうで」
「あの時はねぇ、薬を出すのに手間取ってしまって、もうダメだと思ったのよ?今はもうすっかり元気なの」
「あ、これお見舞いです。花瓶に入れてきますね」と玲が洗面台に行き、花を飾って戻ってくる。
「雪翔、慌てたら行けませんよ?」
後ろで声がするので、分かってるー!と返事をして、なんとか間に合ったバスに乗って病院へと行く。
降りたところに玲がいて、「すまん、寝坊した」と頭をかいているので、「平気だったよ?」と一緒に病院に行く。
「秋から聞いたんだが、前の時におばあさん助けたんだって?」
「気づいたの秋彪さんだから。でもスグに看護師さんたち来てくれて、助かったよ」
「まだ入院してるのかな?」
「どうだろう?詳しいことは教えてもらえないんだ。家族にって言ってたから」
「ふーん。そんなものなのか?」
「そうだと思うよ?昔は違ったの?」
「かなり昔は違ったけど、家族のいないものの時はだいたい教えてくれてたな」
「今は厳しいから。個人情報とか色々と」
「お、難しい言葉知ってるな!」
「みんな知ってるって!」
「それよりさ、雪翔はその時何も感じなかったのか?」
「うん、秋彪さんがなんか匂いがするって言ってたけど全然分からなかった」
「陰陽師は嗅覚が鋭くないのか?」
「だって人でしょ?色々本は読んだけど、分からないことばかりだし、金や銀なんてその時になればちゃんと出来るって前に言ったきり、絵本ばっかり読んでるんだよ?」
「そう怒るな。あいつらも読み書きはできた方がいいだろ?」
「まぁ、そうだけど」
「学校はどうだ?一番だって連絡は来たが」
「冬弥さん達には言えないんだけど、やっぱりちょっと行くの怖いかな。幼馴染の航平ちゃんには、大丈夫だって言われたんだけど」
「気にしすぎだ。あの学校は空気もいいし、よく話してるやつはいい気出してるぞ?」
「見に来たの?」
「いや、その……少しな?少し!」
それこそ心配しすぎだよとリハビリ室に入って、ゆっくりと歩行訓練をし、終わった時には待合室で玲が花を持って待っていた。
「どうしたのお花」
「聞いてきたんだよ。まだ入院してるって。気になるだろ?」
「うん……」
「見舞いに行ってから帰ろうぜ」
「良いのかな?」
「元気だって聞いたぞ?」
「じゃぁちょっとだけ」
部屋は聞いてきたのか、五階まで上がって部屋へと行くと、川辺 菊子とネームプレートに書いてあった。
「こ、今日は……」
そっと声をかけると、すぐに気づいてくれたのか、「あなたが助けてくれた子ね?」と言われてしまい、「僕、電話しただけで……」と言うと、「それでも助かったのはあなたともう一人の子のおかげだわ」と言われてしまう。
「良かったです。元気そうで」
「あの時はねぇ、薬を出すのに手間取ってしまって、もうダメだと思ったのよ?今はもうすっかり元気なの」
「あ、これお見舞いです。花瓶に入れてきますね」と玲が洗面台に行き、花を飾って戻ってくる。
0
お気に入りに追加
70
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
下宿屋 東風荘 5
浅井 ことは
キャラ文芸
☆.。.:*°☆.。.:*°☆.。.:*°☆.。.:*゜☆.。.:*゚☆
下宿屋を営む天狐の養子となった雪翔。
車椅子生活を送りながらも、みんなに助けられながらリハビリを続け、少しだけ掴まりながら歩けるようにまでなった。
そんな雪翔と新しい下宿屋で再開した幼馴染の航平。
彼にも何かの能力が?
そんな幼馴染に狐の養子になったことを気づかれ、一緒に狐の国に行くが、そこで思わぬハプニングが__
雪翔にのんびり学生生活は戻ってくるのか!?
☆.。.:*°☆.。.:*°☆.。.:*°☆.。.:*☆.。.:*゚☆
イラストの無断使用は固くお断りさせて頂いております。
後宮の記録女官は真実を記す
悠井すみれ
キャラ文芸
【第7回キャラ文大賞参加作品です。お楽しみいただけましたら投票お願いいたします。】
中華後宮を舞台にしたライトな謎解きものです。全16話。
「──嫌、でございます」
男装の女官・碧燿《へきよう》は、皇帝・藍熾《らんし》の命令を即座に断った。
彼女は後宮の記録を司る彤史《とうし》。何ものにも屈さず真実を記すのが務めだというのに、藍熾はこともあろうに彼女に妃の夜伽の記録を偽れと命じたのだ。職務に忠実に真実を求め、かつ権力者を嫌う碧燿。どこまでも傲慢に強引に我が意を通そうとする藍熾。相性最悪のふたりは反発し合うが──
下宿屋 東風荘
浅井 ことは
キャラ文芸
神社に憑く妖狐の冬弥は、神社の敷地内にある民家を改装して下宿屋をやっている。
ある日、神社で祈りの声を聞いていた冬弥は、とある子供に目をつけた。
その少年は、どうやら特異な霊媒体質のようで?
妖怪と人間が織り成す、お稲荷人情物語。
※この作品は、エブリスタにて掲載しており、シリーズ作品として全7作で完結となっております。
※話数という形での掲載ですが、小見出しの章、全体で一作という形にて書いております。
読みづらい等あるかもしれませんが、楽しんでいただければ何よりです。
エブリスタ様にて。
2017年SKYHIGH文庫最終選考。
2018年ほっこり特集掲載作品
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる