栗花落と姫と妖と……

水の神

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部屋から出て棚に置いてある資料も見せてもらっていると、葉子さんから電話があり帰宅することになった。

帰る時に「お気をつけて」とみんなに頭を下げられたのだが、自分的にはまだただの高校生。

家に帰ると葉子さんが洗濯物を畳んで部屋に持っていくところで、春が「休めと言っただろう」と呆れている。

「秋穂様が、呼吸も安定していると。なので帰ってきたんですが、家にいても落ち着かなくて……」

「無理すんなよ」

「はい。姫愛様、お昼は……」

「春さんが作ってくれたの。洗濯は私」

お弁当箱を出して、お花のと話していると、「これですね」と飾りのお花チップというのを見せられる。

「い、いいだろう？女子高生の弁当はそういったものと動画で見たぞ？」

「違うから！」

なんの動画を見たんだと見せてもらうと、主にキャラ弁。
しかも『パパの作る女の子のお弁当シリーズ』というタイトル。

葉子さんと大笑いしていると「二度と作らん」と拗ねてしまったので、「美味しかった。ありがとう」と言う。

「春様なりに頑張られたのですね」

「お昼とか私のお弁当見てなかったのかな？」

「女子校ですし、お弁当も色々ありますから。私もキャラ弁にしましょうか？」

「いい。食べるの勿体なくなるし、あれって見た目より量が入ってない気がするだもん」

着替えてくると部屋に行き、髪をひとつに結んで部屋から出ると、「おい、栗花落がまた遅くなるって」と春がニヤニヤとする。

「あ！」

「まだ何も作ってないよな？」

「早く言わないとご飯炊いちゃう！」

葉子さーん！と夜はみんなで食べに行こうと説得し、春の運転でファミレスに行くのかと思ったら中華料理屋。

「高そう……」