上 下
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決断

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着いたのは山の中。

ここに何があるというのだろう?

「足元気をつけてくださいね」

「滝……ですか?」

「ええ。全部みて回るとかなり時間がかかりますが、何か感じることがあるかもしれません。とりあえず行きましょうか」

入口でパンフレットを貰って見てみると、遊歩道と書いてある所をひたすら上に向かって歩いていくようで、地図には番号が振ってある。

「まず一番目……ってここ?」

「そうみたいですね。僕も初めて来たので」

チョロチョロっと苔と苔の間から出ているのも名前がついていて滝の一番目となっている。

滝のイメージは山の上から川の水が落ちてくるかのような感じがしたのだが……

二番三番と小さな滝と言えるのか分からないところを見て、三分の一程でやっと休憩。

「滑るから時間がかかりますね」

「でも、あんなに小さなものも滝って……不思議な感じです」

「地図を見てください。上から下まで全てが繋がっているみたいですよ」

「じゃあ、あの小さな滝も?」

「出ているところは川とは違うのでそうは思えないかもしれませんが、触ることもできますし、ここから中心までは少し大きいものもあるみたいですね」

所々の岩を注意しながら歩いていき、やっと半分来たところで上の方が見える。

「音がかなり大きくなってる……」

「水も少し勢いが着いてきてますね」

上に着くのが楽しみだと秋穂はウキウキしているような感じだが、何故か空気が澄んでいてとても気持ちが落ち着く感じはする。

「さて、残りも楽しんで登りましょうか」

時折岩肌から出ている水が飲めると書いてあるところで、手ですくって少し口に含む。

「春さんが持ってきてくれる水とよく似てる気がする」

「どれどれ?ああ、天然のものですし、浄められた感じがしますね。あの上の滝が楽しみです」

所々は小さなものが多かったが、一番上に着いた時には音がすごく、滝と滝の間にしめ縄がかかっている。





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