栗花落と姫と妖と……

決断

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「ただいま」

「おかえりなさい」と葉子さんは毎日玄関まで来てくれる。

リビングでお昼に調子が悪くてご飯が食べれなかったと伝えると、「大丈夫ですよ。食べれるだけで。きっとまだ本調子じゃないだけですから」と言ってくれるが、嘘をついたのは初めて。

でも、学校でのことを言おうと思っていたのに、中々言い出せない。

「どうかしましたか？今夜は春様が海老と言っていたのでエビフライにしようと思ってますけど……」

「うん、エビフライ好きだよ。宿題してくるね」と部屋に逃げる。

宿題はあるが、進学コースでは無いので宿題と言っても復習程度。
休んでいた間のプリントは貰ったので、それを提出するのに問題を解くが、いつもなら終わるのに中々進まない。

やっぱり話した方が……

ダメダメ。

店長の事も乗り越えないといけないし、これ以上心配はかけられない。

夕食だと言われるまでプリントはテーブルの上に置いていたが、心と頭がついて行かない。