125 / 215
仮題
.
しおりを挟む
台車を借りて部屋まで行くと、玄関にはいつもの三人。
怒られるかな?と思っていると、「すごい量ですね」と栗花落と春も手伝ってくれる。
「あ、あのね。おばあちゃんから送られてきたんだって」
「あら、袋にアップルパイが入ってますよ」
「お母さんが作ってくれてて。ジャムも入ってない?」
「みかんとリンゴの二種類。お味噌なども。美味しそうですね」
「みんなで食べてって言ってたから」
「じゃあ、紅茶を入れますね」
「待って、私お腹パンパン……」
「ニンニクとネギと味噌の匂いがする。特にニンニク……」
「お昼に中華食べてきたの。味噌は夜のお鍋……」
アップルパイは明日のおやつにしてもらうことにして、ずっと部屋にいてごめんなさいと謝る。
「良いんですよ。いきなりの事で姫も混乱したと思いますし」
「学校は……」
「10日休みの届けを出してありますからまだゆっくり出来ます」
「そっか……」
「なぁ、ひとつ食べてもいいか?」
「うん」
お腹がすいてたのか、アップルパイをパクパクと食べ、「美味いな」と言われた時にはすごく嬉しかった。
「お母さんお菓子作るの好きなの」
「私も見習わないと!」
「あ、お味噌は慣れるまでは癖があるかも」
そう言うとみんなが匂いをかぎにいき、「甘めでしょうか?」などと言っている。
「みかん何個か部屋に持ってくぞ」
数個ではなく箱ごとどうぞ位に入っていたので、痛む前に食べて欲しいと言っておく。
「少し顔色も良くなりましたね」
「そんなに悪かった?」
「ええ、ゾンビのように」などと珍しく栗花落がからかってくる。
「そうそう、秋穂さんが月曜に病院に来てくださいと」
「どこも悪くないよ?首のあとも消えたし」
「健康診断です」
「まだ高校生なのに?」
「秋穂なりに心配してるんだと思いますから付き合ってあげてください」
「分かった……」
怒られるかな?と思っていると、「すごい量ですね」と栗花落と春も手伝ってくれる。
「あ、あのね。おばあちゃんから送られてきたんだって」
「あら、袋にアップルパイが入ってますよ」
「お母さんが作ってくれてて。ジャムも入ってない?」
「みかんとリンゴの二種類。お味噌なども。美味しそうですね」
「みんなで食べてって言ってたから」
「じゃあ、紅茶を入れますね」
「待って、私お腹パンパン……」
「ニンニクとネギと味噌の匂いがする。特にニンニク……」
「お昼に中華食べてきたの。味噌は夜のお鍋……」
アップルパイは明日のおやつにしてもらうことにして、ずっと部屋にいてごめんなさいと謝る。
「良いんですよ。いきなりの事で姫も混乱したと思いますし」
「学校は……」
「10日休みの届けを出してありますからまだゆっくり出来ます」
「そっか……」
「なぁ、ひとつ食べてもいいか?」
「うん」
お腹がすいてたのか、アップルパイをパクパクと食べ、「美味いな」と言われた時にはすごく嬉しかった。
「お母さんお菓子作るの好きなの」
「私も見習わないと!」
「あ、お味噌は慣れるまでは癖があるかも」
そう言うとみんなが匂いをかぎにいき、「甘めでしょうか?」などと言っている。
「みかん何個か部屋に持ってくぞ」
数個ではなく箱ごとどうぞ位に入っていたので、痛む前に食べて欲しいと言っておく。
「少し顔色も良くなりましたね」
「そんなに悪かった?」
「ええ、ゾンビのように」などと珍しく栗花落がからかってくる。
「そうそう、秋穂さんが月曜に病院に来てくださいと」
「どこも悪くないよ?首のあとも消えたし」
「健康診断です」
「まだ高校生なのに?」
「秋穂なりに心配してるんだと思いますから付き合ってあげてください」
「分かった……」
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
AV研は今日もハレンチ
楠富 つかさ
キャラ文芸
あなたが好きなAVはAudioVisual? それともAdultVideo?
AV研はオーディオヴィジュアル研究会の略称で、音楽や動画などメディア媒体の歴史を研究する集まり……というのは建前で、実はとんでもないものを研究していて――
薄暗い過去をちょっとショッキングなピンクで塗りつぶしていくネジの足りない群像劇、ここに開演!!
下っ端妃は逃げ出したい
都茉莉
キャラ文芸
新皇帝の即位、それは妃狩りの始まりーー
庶民がそれを逃れるすべなど、さっさと結婚してしまう以外なく、出遅れた少女は後宮で下っ端妃として過ごすことになる。
そんな鈍臭い妃の一人たる私は、偶然後宮から逃げ出す手がかりを発見する。その手がかりは府庫にあるらしいと知って、調べること数日。脱走用と思われる地図を発見した。
しかし、気が緩んだのか、年下の少女に見つかってしまう。そして、少女を見張るために共に過ごすことになったのだが、この少女、何か隠し事があるようで……
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
忙しい男
菅井群青
恋愛
付き合っていた彼氏に別れを告げた。忙しいという彼を信じていたけれど、私から別れを告げる前に……きっと私は半分捨てられていたんだ。
「私のことなんてもうなんとも思ってないくせに」
「お前は一体俺の何を見て言ってる──お前は、俺を知らな過ぎる」
すれ違う想いはどうしてこうも上手くいかないのか。いつだって思うことはただ一つ、愛おしいという気持ちだ。
※ハッピーエンドです
かなりやきもきさせてしまうと思います。
どうか温かい目でみてやってくださいね。
※本編完結しました(2019/07/15)
スピンオフ &番外編
【泣く背中】 菊田夫妻のストーリーを追加しました(2019/08/19)
改稿 (2020/01/01)
本編のみカクヨムさんでも公開しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる