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仮題

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コンコン──

「はーい」

「俺だ。買い物出来たか?」

「みんなの買ったよ。渡すだけでいいの?」

「姫愛がちゃんと選んだんだろ?」

「うん」

「森夫妻が帰る前に渡してこい」

「分かった。あ、春さんのはこれ」

「ピアス?」

「そう。初めて会った時は気付かなかったけど、あいてるよね?」

「まぁな」と早速つけてくれる。

森夫妻にも渡し、ブレスレットは被っちゃったけどとお互い見せ合うが、やはり葉子さんに選んだ方のが大人っぽい。

「後は秋穂さんにどうやって渡そうかな」

「明日帰りに寄るといい」

「いきなり迷惑じゃない?」

「院長室に大抵いるから連絡しておけばいい」

「じゃあ、そうする」

自分を含め五人に配りはしたが、なんの効果があるのやら。

「姫愛様、明日も中庭で?」

「明日は校庭の方に行く約束したの」

「でしたら、楽しみにしていてくださいね」

「やった!」

こういう時の葉子さんのご飯は美味しい!

学校に行く楽しみがお昼となってしまったのは……良しとしよう!
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