栗花落と姫と妖と……

歴史

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「こんな時にとは思うのですが、栗花落とは……」

「えっと……」

なにかの神様だとか姫様だとか、そんなことを言っていい人なのだろうか？
しかも、普通の人だとしたら尚更言えないだろう。

「結婚と聞いてますが」

コーヒーを吹き出しそうになり、「えっ？」と葉子さんを見ると「私共もそう聞いておりますが、姫愛様はまだ高校生ですので、ご卒業されてからかと」とフォローしてくれるが、婚約だの結婚だの人の人生勝手に決めないで欲しい！

「実は」と食事会に本当は行く予定だったことを聞き、成程と思ってしまったのは言うまでもない。

「今は普通に学校に行かせてもらってますけど……」

「ああ、栗花落は無愛想なところがあるでしょう？嫌ならば断ってしまったらいいですよ」

「無愛想……ではないです。優しくしてくれるし」

「三宅さんには春樹のが似合ってそうですけど」

「春さん？」

無い無いと顔の前で手を振っていると「失礼なやつだな」と春と森さんが入ってきた。

「秋穂、そろそろ教えてやっていいんじゃないのか？」