栗花落と姫と妖と……

浅井 ことは

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変化

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「ま、悩んでも仕方ない。髪で隠れるから引っ込むまでは触らない方がいいかも……」と珍しく曖昧な事を言う春。

「姫愛様、学校は明日の朝に考えられたらどうでしょう?」

「一日休んだし、テスト前だから行く」

またもや早く寝た方がいいと言われたので横にはなるが、このコブはこのまま伸びてくるのか引っ込むのか……と言うよりも何かの動物に変身……なんて事ないよね……

布団を被って目を閉じているとそのまま寝てしまい、翌朝は普通に起きれた。

しかも「コブが無くなってる!」と朝から嬉しい報告をみんなにする。

「出たり引っ込んだり……」とコーヒーを飲む栗花落。

「便利なんだか不便なんだか」としっかりと茶碗を持ってご飯を食べる春。

「良かったですね。引っ込んで」とお弁当をくれる葉子さん。

「あー、びっくりした!伸びてたらどうしようって心配だったんだから」

「その割にはよく寝てたが?」

「うっ……」

「さて。早く食べてください。遅刻しますよ」

「はい。いただきます」

ご飯を食べて行ってきます!と玄関を出る時に、春に「わかってないと思うが、人の多いところに居てくれ。一人もいいが友達が出来ると少しは安心なんだが」

「ど、努力します……」

昨日の話を聞いたからか、今度は何故か心配されているような。

だが、何故か昔から大人数は好きでは無いし、気にしたこともあまりない。

しかも今更どうやって友達を作れというのだろう?
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