栗花落と姫と妖と……

変化

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「うわぁ、こっちもシンプルすぎ」

「姫が見たいと言ったんでしょう？」
 
「だって、春さんの部屋はソファーとベッドと本棚だけだし、栗花落さんの部屋も机と本棚とベッドだけとか……」

「記憶が戻る前までは寝に帰ってくる程度でしたから」

「葉子さん達も2年前にここに引っ越してきたって言ってたけど」

「下の階は広いですが普通のマンションですよ。最近まではうちの会社で働いてもらってました」

「今は運転手さん……でいいのかな」

「そうなりますが、会社には所属してますよ？ただ、私専属にしてもらったというか、そのようにしたんですが」

それも、どうやって？と聞きたかったが、不思議な事ばかり起こっているのできっと何か出来るんだろう。

「お食事の用意が出来ました」

「三人に増えたから大変だと思うけどよろしくね葉子さん」

「はい。今日は春様のお好きなものを用意いたしました」

「なんだろう？楽しみ！」

テーブルには肉じゃがに焼き魚や和え物など超和風！

綺麗なお椀の中には何かのお団子のようなものに餡が掛けられていて、旅行に行った時に出てきたものによく似ている。

「いただきます」

早速お椀のものをお箸でつまむと、ふわふわしていてとても柔らかい。

「美味しい！これは何？」

「海老しんじょうです。こちらも春様のお好きな椀物ですよ」

「すごいね！なんでも作れるんだ」

「そうですね。私なんてカップ麺がせいぜいです」

「俺は作れるぞ？」

「えっ？」