82 / 215
変化
.
しおりを挟む
寝たり起きたりを繰り返し、夕方に何とか頭痛も治まった。
ガタガタと隣から音が聞こえてきたので廊下に出ると、業者の人が色々と運び込んでいる。
「あ、起こしてしまいましたか?」
「そんな事ないよ。音がしたから何かなと思って」
「早速春の部屋から荷物を運ばせたんですが……」
「こんなに早くできるの?」
「うちの会社の引越し業者を使いました」
「でも……」
一度引越しの経験はあるが、その時は荷造りなどで家中ダンボールだらけになっていて、引越し当日まで忙しかった記憶がある。
やはり、融通が効くのかな?と思っていると「そこじゃない、もう少し右!」と文句を言っている春の声が聞こえたので部屋を覗くと、ベッドの位置とソファーの位置が気に入らないらしい。
何とか部屋に荷物が入り、中を見せてもらうと荷物という荷物はあまりない。
「服だけ?」
「服と本だけ持ってきた。元々荷物はそんなになかったからこっちに来る時に残りは処分を頼んだんだが……。やっぱり本棚の位置も気に入らん」
そう言って本棚を動かし、中に本を入れて行くのをソファーに座って眺める。
「姫?見ていても面白くないと思うんだが」
「男の人の部屋って見たことないから。それと暇だから?」
手伝おうか?と聞くと、荷物は少ないから大丈夫だと言われ、また頭が痛くなるといけないから寝ていろと言われたが、今は痛くないからと言って見ていると、クローゼットにかける服はほとんどが黒!
「黒しか持ってないの?」
「上着はな。中は白が多い」
本当にすぐ終わってしまったので、栗花落の部屋も見せてもらう。
ガタガタと隣から音が聞こえてきたので廊下に出ると、業者の人が色々と運び込んでいる。
「あ、起こしてしまいましたか?」
「そんな事ないよ。音がしたから何かなと思って」
「早速春の部屋から荷物を運ばせたんですが……」
「こんなに早くできるの?」
「うちの会社の引越し業者を使いました」
「でも……」
一度引越しの経験はあるが、その時は荷造りなどで家中ダンボールだらけになっていて、引越し当日まで忙しかった記憶がある。
やはり、融通が効くのかな?と思っていると「そこじゃない、もう少し右!」と文句を言っている春の声が聞こえたので部屋を覗くと、ベッドの位置とソファーの位置が気に入らないらしい。
何とか部屋に荷物が入り、中を見せてもらうと荷物という荷物はあまりない。
「服だけ?」
「服と本だけ持ってきた。元々荷物はそんなになかったからこっちに来る時に残りは処分を頼んだんだが……。やっぱり本棚の位置も気に入らん」
そう言って本棚を動かし、中に本を入れて行くのをソファーに座って眺める。
「姫?見ていても面白くないと思うんだが」
「男の人の部屋って見たことないから。それと暇だから?」
手伝おうか?と聞くと、荷物は少ないから大丈夫だと言われ、また頭が痛くなるといけないから寝ていろと言われたが、今は痛くないからと言って見ていると、クローゼットにかける服はほとんどが黒!
「黒しか持ってないの?」
「上着はな。中は白が多い」
本当にすぐ終わってしまったので、栗花落の部屋も見せてもらう。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
下っ端妃は逃げ出したい
都茉莉
キャラ文芸
新皇帝の即位、それは妃狩りの始まりーー
庶民がそれを逃れるすべなど、さっさと結婚してしまう以外なく、出遅れた少女は後宮で下っ端妃として過ごすことになる。
そんな鈍臭い妃の一人たる私は、偶然後宮から逃げ出す手がかりを発見する。その手がかりは府庫にあるらしいと知って、調べること数日。脱走用と思われる地図を発見した。
しかし、気が緩んだのか、年下の少女に見つかってしまう。そして、少女を見張るために共に過ごすことになったのだが、この少女、何か隠し事があるようで……
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
忙しい男
菅井群青
恋愛
付き合っていた彼氏に別れを告げた。忙しいという彼を信じていたけれど、私から別れを告げる前に……きっと私は半分捨てられていたんだ。
「私のことなんてもうなんとも思ってないくせに」
「お前は一体俺の何を見て言ってる──お前は、俺を知らな過ぎる」
すれ違う想いはどうしてこうも上手くいかないのか。いつだって思うことはただ一つ、愛おしいという気持ちだ。
※ハッピーエンドです
かなりやきもきさせてしまうと思います。
どうか温かい目でみてやってくださいね。
※本編完結しました(2019/07/15)
スピンオフ &番外編
【泣く背中】 菊田夫妻のストーリーを追加しました(2019/08/19)
改稿 (2020/01/01)
本編のみカクヨムさんでも公開しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる