栗花落と姫と妖と……

変化

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夕食の時に、漢字で撃沈した話をすると、「神様の名前は難しい漢字が多いですから」と笑われるが、炒飯に卵スープ。青菜炒めに唐揚げと豪華。

唐揚げは全部は無理だからお弁当に入れて欲しいと頼みお風呂に入る。

「風呂もトイレも別だけど、洗濯物がなぁ……」と残念な下着を思い出す。

だが、まだ揃えられていた下着をつける勇気は無い。

あれは……栗花落の趣味なのだろうか？

風呂を出てから楽しみにしていた映画を大画面で見ていると、またチクチクと頭が痛む。

「姫愛様？」

「ちょっと……痛くなってきた」

「今日はもうお休み下さい」

「でも……」栗花落に聞きたいことがあるのにという前にあまりの痛みに頭を抑える。

「姫愛様、この水を！」

出された水を飲んでも昨日や今日みたいに痛みが引かない事を言うと、とりあえず寝室へと連れていかれる。

横になっていても起き上がっても痛く、汗だけが出てくるのでタオルで拭くのはいいのだが、喉もものすごく乾く。

「み、水……」

すぐ出てきた水を勢いよく飲み、ウトウトとしたり起きたり。

タオルを変えに行こうと部屋を出ると、「寝ていてください。タオルならお持ちしますから」と葉子さんが遅い時間なのに残ってくれてる。

「栗花落さんは？」

「連絡をしたのですがまだ……」

「大丈夫。明日になったらきっと治ってると思うから」

あまり心配をかけちゃいけないと思い、汗をかいたパジャマを着替えてまたベッドに横になる。

「姫……。俺がいるのに脱ぐな……」

「えっ！？」

いつから居たの？と聞く前に、水を渡しただろうと言われる。

「いたなら声掛けてよ！」

「それより、眠れる時に寝ておけ」と相変わらずぶっきらぼうだが、横になるとしっかり布団をかけ直してくれ、更には熱は無いかと手を当ててくれる。

「子供じゃない……」

「この体はまだ子供だ」

「春さんは……なにかの神様なの？」

「そうだ。饒速日命が天の磐船でこの地に降った時の護衛のひとりが俺なんだが……」

「船？護衛って……」と言っているうちに寝てしまう。