栗花落と姫と妖と……

忠誠の誓い(仮)

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ソファーに座っていると「コーヒーです」と出してくれた香りはとても良い。

「美味しい」

「本題なのですが。まずカップを置いてください。必ず割ります」

「割らないわよ！」子供じゃあるまいし！

テーブルにカップを置くと、「姫。貴女は瀬織津姫せおりつひめです。そして、龍神様でもあられます」

「誰？その人」

「ですから、姫は瀬織津姫という神で、龍神様でもあられるお方です。古事記などには記述が少なく、謎の多い神様ですし、大祓の祝詞に出てくる一文を見る限り、川・水神と取れます。そして何より、真っ直ぐに落ちる滝という記述から……」

「ストーップ！」

「ちゃんとお聞きください」

「一気に言われても分からない！」

とりあえずコーヒーを飲ませて欲しいと頼み、まだ暖かいコーヒーを口に含む。

龍ってコーヒー飲まないよね？