天満堂へようこそ 6

破壊

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ごくごくと半分ほど飲み、追加で継ぎ足して砂糖とミルクを入れて甘めのコーヒーにして冷やしてから飲む。

「では明日の昼間では結界の中には居てもらわないと困ります。自由にと奏太様はおっしゃいましたが、彼女の天幕または錠で繋いで逃げないようにしておくのが一番だと思いますが」

「ノア……」

「私も賛成です」

「わかった、わかったからさ。今はスフィが見てるし、せめて彼女が眠ってからにしてあげてよ。結界のほうで……それと、兵もついてたら大丈夫でしょ？」

「はい。では私は明日の事も含めて準備して参ります」

「ごめんね、疲れてるのに」

「平気です。王子の方こそあまりお考えになられませんよう」

「ありがと」

サムが出ていってノアと二人になり、姉のエールラとルーカスのことについて聞いてみる。

「い、いきなりなんですか……」

「こんな時だからってのもあるんだけど、ノアは反対なの？」

「そう……ですね。弟としては複雑です。ルーカス様はいつもふざけていますが、とても優しい方なのはわかっておりますし、全ての女性を清算したと言うのも本当のようです。それに魔界の王子ですので浮気等は約束によって縛られるので出来ないでしょうが、もしも姉に子供ができなかった場合はすぐに妾が用意されます。それに姉が耐えれるのかどうかを考えれば、普通に結婚をしてほしいとも考えますが」

「次期王だしね……」

「それでも、妾をとらずに姉だけを愛すると誓うのなら私に止めることはできません。それに、姉のほうも好意を抱いているのは見ただけでわかりますから」

「界と界を越えての結婚はもう禁止ではないとおもうよ？」

「陛下であれば拘らないでしょうし、魔王や天王も反対はしないと思います。ですが魔界の女性は面白くないでしょうね」

「それはあとは二人の問題になってくるから……」

「でも、私の口からルーカス様にどうぞとは言えませんし、王子からの要請となれば両親は反対できる立場にありません」

「なんか、複雑だね」

「今は母も王宮で働かせてもらってますし、父も近衛隊長です。幻界の方は兄が継げば良いと思うんですけど……」

「結局はノアは二人のこと認めてるんだよね？」

「認めてはいます。兄とはこの事については話したことがないので分かりませんが、ルーカス様に多分条件付けるでしょうね……ああ見えてシスコンですから」

「そうなの？」

「ええ。ですが、やはり心配です」

「難しいよねぇ……」

「明日も早いです。もうお休みになってください」

「うん」

火を小さくして簡易ベッドで休みながら外の気配を探る。
天界に来てからたまにやっていたが、少し人間界に長くいると感覚がおかしくなってしまう。結月には完全に魔力のコントロールができないからだと言われたが、それだけだろうかと考えることもある。前に聞いた光の弓の話も気になるし、気になることだらけで中々寝付けないで居た。